【ダ・ヴィンチ2017年4月号】「沙村広明」特集番外編

特集番外編2

更新日:2017/3/6

【ダ・ヴィンチ2017年4月号】「沙村広明」特集番外編


私と死ねるの?

編集K

弊誌の男性編集者には共通点がある。

advertisement

①メガネ
②女の人が怖いけど好き
③酒に飲まれる
④沙村広明作品がこの上なく好き

デスメタルバンドのボーカルでもある編集長Sのデスクには、ホラー小説とゴジラのフィギュアが居並ぶブラックゾーンと、小松●奈or水●希子が表紙を飾る女性誌が並ぶキラキラゾーンがある。今朝もその一群にそっと、装苑を加えてあげたところだ。
そして弊誌のホープ、T岡(24)。先月号では「男たちのBL特集」なる曲芸を喜々として完遂し、ヅカオタとしての片鱗まで見せ始めたT岡(文京区民)。ニコ生と安部公房を偏愛するよくぞこの時代に雑誌編集者を志してくれたっ! と口元のハイライトに泡盛を浴びせかけたくなるようなT岡(パーマ似合ってないぞ)は如何せんロ●コンだ。「『ハルシオン・ランチ』のヒヨスが僕のラッキーストライクなんですぅ!」…はいそうですか。
…もう内輪ネタはお腹いっぱいだし私のことはよそう。雑誌の宣伝にならない。

『マンガ・エロティクス・エフ』の素晴らしいインタビューがあり(2013年5月)、沙村広明というマンガ家をどのように取り扱うべきか頭を悩ませていた。
今回雑誌には載せなかったが、ハードなSM画集『人でなしの恋』という強烈な作品がある一方で、特集に踏み切ることになった大きなきっかけである『波よ聞いてくれ』という“人の死なないコメディ”は女性読者を大いに獲得した印象だ。
エログロ、画力、ユーモアのセンス。まさに変幻自在…。
手ごわすぎるぞ沙村広明。そう思った時に、あれそう言えばと思い出したことがある。
私はハタチで東京に来て初めて、自由にマンガを読めるようになった。
そんな時に出会ったのが沙村広明だったのだ。
言ってしまえば私は、沙村広明に女を教わったんだった。

往年のファンからすれば薄~い特集になってしまったのかもしれないが、自分なりのラブレターになっていればそれで。

文中敬称略。