Cover Model 橋本 愛 2012年9月号

Cover Model 紹介

更新日:2013/8/19

Cover Model橋本 愛

実はホラー映画は苦手。
誰かと一緒じゃないと観れないです(笑)


綾辻行人の学園ホラー長編小説『アナザー』を、
脚本も手掛けた新鋭・古澤健監督が、見事に実写化した。
橋本愛が演じたのは、左目に眼帯をしたヒロイン・見崎鳴。
中学3年のそのクラスでは、メイは「いないもの」とされている。
とある「現象」によって引き起こされる死の呪いを回避するため、
生け贄の役を担っていたのだ。
台詞は少ないかわりに、身体で存在感を表現しなければいけない。難役だ。
事前に原作を読み、役作りのヒントにしたという。
「原作を読んで感じたメイちゃんのイメージを意識して、
特に前半は、ただそこに幽霊っぽく存在しようって考えていました。
そんなメイちゃんが、転校生の恒一と出会って、
心に閉じ込めていたものが見破られて、理解されて。
その嬉しさっていうのは、私自身演じながら自然に出てきました。
終盤の、メイちゃんが思いきり感情を出すシーンは、一番のお気に入りです」
 ここで、意外な発言が。ホラー映画は苦手なのだそう。
「誰かと一緒じゃないと観れないです(笑)。
ただ、『アナザー Another』の場合は、脚本を読んでいた時も、
現場でも、私自身はホラーだっていう意識がまったくなくて。
すごくストーリーが面白いなと思ったんですよ。
謎のピースが多くて、それが全部ハマって完成した時のすっきりした感じは、
今まで私が見てきたどんなミステリーの作品よりも強いです。
青春の話としても面白いし、新しいホラー映画になっていると思いますね」
そんな橋本愛さんが選んだ本は——
『眠れるラプンツェル』
『眠れるラプンツェル』
山本文緒 角川文庫 540円  

28歳の専業主婦・汐美は、家に帰って来ない夫を思いながら、マンションの一室で退屈な日々をやり過ごす。まるでグリム童話の「ラプンツェル」のように。しかし、隣人の少年への淡い片思いが現実となり、日々は鮮やかに変化して……。ちょっとシュールで、でもちゃんと切実な、異色の長編恋愛小説。
「“穏やかな生活に、猫と隣家の息子が飛び込んできてから、何かが崩れ始めた”というあらすじの文章に惹かれました。日常から始まって、日常だったものが崩れ去っていく話が好きなんです」(橋本愛 談)