Cover Illustration あだち充 2012年12月号

Cover Model 紹介

更新日:2012/12/28

Cover Illustrationあだち充

もう一度、『タッチ』へ。26年後の続編『MIX』


今号の表紙のカバーモデルを務めたのは、
マンガ家・あだち充の最新作『MIX』の主人公とヒロイン、
立花三兄妹だ。
ダ・ヴィンチ史上初、マンガ家による描き下ろしイラストが
表紙を飾る記念すべき号となった。

『MIX』は、『ゲッサン』2012年6月号に第1話が掲載されるや、話題沸騰。
掲載誌が完売&増刷し、熱狂の声が高まっている。
『タッチ』の明青学園の26年後の明青学園が、『MIX』の舞台だ。
主人公は立花投馬と立花走一郎、ピッチャー&キャッチャーの兄弟。
ヒロインは、ひとつ年下の妹・立花音美。
甲子園に出られたのは、優勝した年の一度きり。
その後、低迷期が続く明青学園野球部には、不穏な空気が漂っている――。
「『タッチ』の続編という意識はね、あんまりなかったんですよ。
普通に考えて、明青学園は今でもあるよなあと。
代は変わっても、学校は続いているんだから、
今の世代が甲子園を目指すっていうドラマがあってもいいなって思ったんです。
こんなに反響が大きくなるとは思ってなかったんですよ。
気楽に始めたんです」

 ひとつだけ、『MIX』の秘密を教えてもらった。タイトルの意味だ。
「今までやってきた作品の要素をいろいろ放りこんで、
ミックスしてみようという意味ですね。
『これは前にやったからなあ』みたいなことは気にせず、
面白いと思ったらなんでもかんでも入れちゃおうと。
『タッチ』を描いてた30代の自分と、今の自分では、
女の子を見る目もいろいろと違ってくるでしょうしね。
パンチラばっかりじゃないぞという(笑)。
そういう意味で、くくりとしては同じ野球マンガでも、
ぜんぜん違った感じにはなるだろうなと思ってます。
あとは読者が何を求めてるのかを探りながら、
うまい具合にはぐらかそうかなと。
応え方はいろいろあるからね。
気持ちの良い裏切り方ですよね、基本的には。
それは大切にしたいと思います」

advertisement

今号「あだち充」特集内では、
あだち充さんと本との関わりについてもお話をうかがっている。
「小説でも好きなのは、江戸川乱歩とか横溝正史とか、
怪しい方面のものが好きで、青春小説とかほとんど
読んだことがない。乱歩では『孤島の鬼』が一番“残ってる”かな。
人間をくっつけて、怪しいモノを作ったりするお話ですけどね。
そういうわけのわからないものを、頭の中で想像するのが好きだったんです」
あだち充 談)

そんなあだち充さんの最新作はこちら——
『MIX』(1巻)
『MIX』(1巻)
小学館ゲッサン少年サンデーC 480円
  

立花走一郎と投馬は、同じ年で血のつながらない兄弟。二人が6歳、走一郎の妹の音美が5歳のとき、両親が子連れ再婚した。父の母校・明青学園は家の目の前にあり、現在、走一郎と投馬は中等部野球部に所属している。そして今春、音美が新入生として入学した。