声優・高森奈津美が徹底レビュー! 学園ホラーの傑作『Another』の外伝を語る
更新日:2016/9/29
たかもり なつみ●1987年2月14日・山梨県生まれ。プロ・フィット所属。
主な出演作品は『Another』見崎鳴役ほか、『プリティーリズム・ディアマイフューチャー』(深山れいな役)、『さくら荘のペットな彼女』(上井草美咲)、『ジュエルペット てぃんくる☆』(桜あかり)など。
――アニメ版の『Another』では、高森さんが演じたヒロイン見崎鳴が大人気でしたね。
高森:ここまで「鳴ちゃん、可愛い、可愛い」って言っていただけるとは思っていなくて、すごく意外でした。どうすればもっと怖く演じられるんだろう、と考えて挑んだ役柄だったので、こういう反応にはびっくりでしたね。
――見崎鳴は人形のようにミステリアスな少女ですが、演じるのが大変だったのでは?
高森:はじめに監督に言われたのは「できるだけお芝居をしないで」と。わたしが考えていたよりも、もっと感情表現を抑えた、リアクションのない鳴ちゃんを求められて「ホントにこれでいいの!?」と不安になることもありました。結果的には正解だったんですけど。
――感情をあえて抑えるって、声優さんとしても挑戦ですよね。
高森:そうなんです。どう見せたらいいのか、ここまで考えた作品は初めてでしたね。本当に貴重な役をやらせていただいたなあと。
――ファンの皆さんの反応はどうでした?
高森:喜怒哀楽のはっきりしたキャラを演じることが多いので、意外だったみたいです。でも、新しいチャレンジとしてすごく応援してもらいました。逆に『Another』からわたしを知ってくださった方は、他の作品を見てびっくりするみたい。鳴ちゃんが明るい役をやってる!って(笑)。
鳴ちゃんはヒロインではなくヒーロー!
――かなりホラー度の高い作品ですけど、収録現場はどんな雰囲気だったんですか。
高森:キャストは先の展開を知らされていなかったんですよ。だから「いつ自分が死ぬんだろう」ってみんな怯えながら収録してましたよね。わたしも「鳴ちゃんだからって生き残れると思うなよ」と言われていたので、ひょっとしたら次週には命がないかも……と毎回ハラハラしていました(笑)。
――見崎鳴というキャラクターはどんな子だと感じましたか?
高森:すごく意志のはっきりした子なんだろうなあと。感情をあらわにしないだけで、実はどのキャラクターよりも強い意志をもってるんだと思います。主人公の恒一君から見ると、鳴ちゃんは謎めいたヒロイン。でも、鳴ちゃんってむしろヒーローなんじゃないかな。
――ヒロインではなく、ヒーローですか?
高森:鳴ちゃんは誰にも知られないところで、ひとりきりで闘っていた。そういうところが、ヒーローっぽいと思うんです。受け身で巻きこまれるだけのヒロインじゃなく、自分の意志で動くヒーローですよ。
――揺るがない芯をもったキャラクターですもんね。
高森:何かあっても鳴ちゃんの近くにいれば大丈夫、みたいなところがあるじゃないですか。わたしが『Another』の世界にいったら、ぜったい鳴ちゃんから離れないと思いますよ。
――そんな見崎鳴と高森さん、似ている部分はありますか?
高森:う~ん、わたしは鳴ちゃんほど強くはないかな。『Another』の世界だと、あっさり死んじゃうようなタイプ(笑)。自分にない部分をもっているから、鳴ちゃんには憧れみたいな気持ちが強いですね。