解剖学を駆使して謎を解く博覧強記の美女探偵が人気急上昇中!「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズ

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更新日:2014/2/6

 三度の飯より骨が好き──。そんな骨マニアの変人お嬢様が、数々の難事件を解決するミステリーがただいま人気沸騰中。目利きの書店員をも唸らせる、同シリーズの魅力をひもとく。

大ヒット累計26万部突破!!

最新刊書影

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている
 蝶は十一月に消えた』

角川文庫 588円

姉妹のように仲の良い一重、二葉、三奈美。しかし高校在学中、二葉が突如行方不明に。それから数年、今度は一重が飼い犬と共に姿を消した……。少女たちの歪んだ友情を描いた表題作、旭山動物園の飼育員が活躍する「猫はなんと言った?」など3篇で櫻子さんの推理が冴える。櫻子さんと正太郎の関係にも変化の兆しが……?

 古い屋敷に暮らす美女、九条櫻子には風変わりな趣味があった。それは─骨。動物の亡骸を拾い集めては骨格標本を作り、骨に思いを巡らせ、骨を愛でる。そんな櫻子さんは、動物の肉を剥ぐように世の中の隠された謎をも剥ぎ取ってみせる。密室に残された変死体、理科室に隠された人骨、山の中で発見された白骨死体。法医学や解剖学にも長けた櫻子さんは、今日も華麗な手さばきで難事件を腑分けする……。

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 太田紫織さんのデビュー作「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズが、じわじわと人気を広げている。3作目までの累計は26万部を突破。2月25日にはシリーズ4弾の発売も控え、早くもファンの期待を集めている。最初に火がついたのは、物語の舞台となっている北海道旭川の書店から。気候風土、文化や風習などに関する「旭川あるある」がふんだんに盛り込まれ、ご当地の読者の共感を得たようだ。中でも多くの読者を惹きつけたのが、作中で描かれる旭川グルメ。嵐山ハーブ豚の焼き肉(旭川では自宅の庭で焼くのが定番!)、生チョコレートのプリン、しっとり濃厚なカボチャのモンブラン……。読み進めるうち、必ずやお腹の虫が鳴くだろう。

 もちろん、ヒットの理由はそれだけではない。変わり者のお嬢様・櫻子さんと語り部である館脇正太郎のキャラクター性も、同シリーズの人気を牽引している。そして何より素晴らしいのが、ミステリーとしての完成度。医学部教授や骨のスペシャリストに取材し、解剖学に基づいて構築された謎の数々は、ミステリー好きの書店員も唸るほどの奥深さだ。ライトな見た目に反し、読みごたえはしっかり重厚。まさに、骨のあるミステリーを堪能できる。

登場人物


既刊紹介

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』

角川文庫 580円

北海道旭川に暮らす九条櫻子は、美人で聡明なお嬢様。だが実は彼女、骨を愛してやまない重度の骨フェチだった……! 骨や死体の状態から様々なメッセージを読み解く櫻子と彼女に振り回される正太郎、二人が出会った3つの事件。

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み』

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている
 骨と石榴と夏休み』

角川文庫 580円

崖の中腹で発見された白骨死体。未明の街をさまよう幼児。名家の集いで起きた変死事件。骨マニアである櫻子の周囲で、またも怪事件が続発! 正太郎の同級生・鴻上、大泉洋風の巡査など新キャラが加わり、謎解きはさらににぎやかに。

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘』

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている
 雨と九月と君の嘘』

角川文庫 580円

「自分は近いうちに死ぬ」——短命の家系に生まれた男が、死に囚われた理由とは? 衝撃の真実を暴く「呪われた男」をはじめ、3つの短篇を収録。骨や死体から亡き者の思いを読み解く、切なくほろ苦いミステリーシリーズ第3弾。


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