解剖学を駆使して謎を解く博覧強記の美女探偵が人気急上昇中!「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」シリーズ

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2014/2/6

著者・太田紫織氏インタビュー「内海巡査は大泉洋さんがモデル」

太田紫織
おおた・しおり●北海道札幌市生まれ。2012年まで旭川市在住。小説・コミック投稿サイト「E★エブリスタ」で作品を発表し、『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』で電子書籍大賞ミステリー部門優秀賞受賞。同作でデビューを飾る。

──「骨」をテーマにしたミステリーとは、非常にユニークです。着想を得たきっかけは?

「友達に骨格標本を作る人がいるんです。フライドチキンを買ってきて骨格を再現していると聞き、興味をそそられました。ちなみにチキンを20ピース買うと、鶏1匹分の骨がそろうそうです(笑)。その後、盛口満先生の骨格標本に関する著作を読み、さらに骨への関心が深まることに。そして誕生したのが、骨を切り口にしたミステリーです。“骨ミス”と称されることもありますが、私としては法医学ミステリーのつもりで書いています」

──櫻子さんや正太郎の人物造形も魅力的です。

「キャラクターの配置は、『シャーロック・ホームズ』をテンプレートにしています。櫻子はホームズ、正太郎はワトソン、櫻子の面倒を見ているばあやさんはハドソン夫人。櫻子が圧倒的な天才なのはホームズに倣っているからですし、彼女の口調も延原謙さんによる翻訳を意識しています。また、準レギュラーの内海巡査は、大泉洋さんがモデル。キャラクターを描く際には、モデルを設定してイメージを膨らませるようにしています」

──執筆にあたり、心がけていることは?

「殺人事件を扱うわけですから、命の重さ、遺族の痛みが伝わるよう意識しています。後味が苦いと言われることもありますが、人が亡くなっているのですからハッピーエンドにならないのは当然ですよね。たとえ犯人が逮捕されようと、遺族は一生遺族のまま。そんな遺族の痛みを和らげるために、普通の人には聞こえない死者の声を聞きとるのが櫻子なのだと思っています」

──書店を中心に人気が広がったことについて、どう思いますか?

「私自身、書店なしでは生きられないほど本が大好きです。作家になり、一冊の本が編集者、営業、書店員、読者など多くの方々に支えられていると改めて気づきました。ポッと出の新人作家にもかかわらず、各地の書店が大きく取り扱ってくださるのはうれしい限り。北海道在住の方には、この土地の奥深い魅力を再発見してほしい。道外の方には、ぜひこのシリーズで北海道で暮らす気分を味わっていただきたいですね」

大森望

大森望さんも推薦!「骨の名探偵日本代表、櫻子さん」

 骨を専門とする名探偵といえば、アーロン・エルキンズ描く“スケルトン探偵”とか、米国ドラマ「BONES」のヒロイン、法人類学者のテンペランスとか、海外には強力なライバルがごろごろいるわけですが、キャラ立ちと推理力にかけては、われらが日本代表、櫻子さんも負けていない。旭川のお屋敷にばあやと暮らす深窓の令嬢なのに、骨が大好き。食べ終えた黒ガレイで作った骨格標本を高校生の“僕”にプレゼントする冒頭から、読者のハートを鷲掴みにする。ホームズばりの博覧強記と快刀乱麻の名推理、さらには、「少年、こっちだ」とワトソン役の“僕”を引きずり回す行動力を見よ。ギャップ萌えのツボを押しまくる“無駄美人”名探偵に注目。

おおもり・のぞみ●書評家・SF翻訳家。編著に『NOVA』、著書に『21世紀SF1000』『新編 SF翻訳講座』「文学賞メッタ斬り!」シリーズ等。
(写真=首藤幹夫)

作品の舞台・北海道から火がつき大ヒット!

未来屋書店旭川西店

未来屋書店旭川西店
■店頭のもっとも目立つ場所でフェアを展開。太田紫織さんも同店を訪れ、色紙やサイン本を残していかれたとか。
 

コーチャンフォー旭川店

コーチャンフォー旭川店
■A4サイズのパネルと作品紹介映像で、シリーズを応援。1作目ではコミック売り場でも大きく展開した。
 

TSUTAYA BOOK STORE 有楽町マルイ

TSUTAYA BOOK STORE 有楽町マルイ
■目の肥えた女性客が多い店舗。黒地に赤い血を散らしたような、立体感ある大型POPで訪れる人々にアピール。

 人気に火がついたのは、旭川市内の本屋さんから。新人作家のデビュー作ではあるが、「ご当地ミステリー」として大々的にフェアを開催する書店も少なくなかった。

「地元が舞台なので、親近感が湧きますし、感情移入も深まります。特に食べ物の描写は生唾もの。旭川を舞台にした小説は他にもありますが、若い人向けの作品は貴重。全力で応援しています」(未来屋書店 旭川西店店長 今川みのりさん)

「旭川という限定した地域に特化しており、ミステリーの中に道内の地名、食べ物が違和感なく溶け込んでいます。知らない人が読んでも、旭川にいるように感じるのではないでしょうか。この作品がきっかけで、北海道や旭川に興味を持ち、訪れる方が増えると嬉しいです。」(コーチャンフォー 旭川店マネージャー 林隆治さん)

 一方、東京の書店では、骨太ミステリーとしてコーナーを展開。

「ライトに見えて、実はしっかりした本格ミステリー。なおかつ日常系も踏み外していません。語り口やキャラクターからは『シャーロック・ホームズ』も感じられます。当店ではキャラミスを大きく扱うことは少ないのですが、この作品は別格です」(TSUTAYA BOOK STORE 有楽町マルイ 栗俣力也さん)

 まもなく発売される第4弾も、さらなるヒットの予感。この勢いはまだまだ止まらない!

(取材・文=野本由起)

太田紫織『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』公式PV

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている
雨と九月と君の嘘』太田詩織 公式PV


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