白泉社がおくる、まったく新しいキャラクター時代小説シリーズ「招き猫文庫」創刊!!

ピックアップ

2014/11/6

アンソロジー『てのひら猫語り』で「鈴江藩江戸屋敷見聞帳 にゃん!」を書き下ろしたあさのあつこさん。
本所深川生まれの16歳のお糸が奉公先の藩邸で遭遇する不思議な体験を描いた本作品。
その読みどころと猫にまつわるエピソードについてうかがった。

町娘と奥方様の不思議で楽しい友情物語

あさのあつこ
あさの・あつこ●1954年、岡山県生まれ。「バッテリー」シリーズで野間児童文芸賞をはじめ、数々の賞を受賞。2011年『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞。「弥勒」シリーズ、「燦」シリーズ、『ぬばたま』『もう一枝あれかし』など著作多数。

 あさのさんが「招き猫文庫」シリーズに参画したのには、「面白そう」と思わせるいくつかの理由があった。

「最初、執筆の依頼をいただいたときは正直びっくりしました。私はマンガが好きで白泉社の作品も読んできたので、まさかそこで仕事するとは思わなくて。でも『猫がテーマの、キャラクター中心でエンターテインメントに徹した時代小説を』というお話だったので、今までやったことがなくて面白そうだな、と。猫は小さい頃からずっと飼ってきて興味深い存在だったことも大きかったですね。まず頭に浮かんだのは、ちょっと変わったお姫様と猫を組み合わせるアイデアとタイトルです。“にゃん!”っていう言葉の響きと、自分の書きたいキャラクターが一致した気がしました(笑)」

 主人公のお糸は16歳の少女。豪商の一人娘だが、お嫁に行くことには関心のないところが今っぽくて親近感がわく。

「猫ってあまり物事を深刻に考えずに、そのときの時代なり運命なりを軽々と超えていくように見えるので、そういうイメージにはやはり女性でしかも若いほうが合っているかな、と。結婚に興味がないというのは現代的といえば現代的ですが、当時は階級社会のなかでさまざまな縛りがあった時代なので、そういうものに抗って生きる少女がいてもおかしくないなと思いました。いずれは滅んでいく武家社会や階級社会を、町方の娘の目で見た物語を書いてみたかった」

 お糸には、他の人間に見えないものが「見える」才能がある。そういった現象が「さもありなん」と自然に思えて楽しめるのも時代小説の醍醐味だ。

「人間の度量が大きかったんでしょうね。現代のように科学で証明できないことを切り捨てるのではなく、自分たちと異なるものの存在を受け入れる寛容さが、畏敬の念も含めてあったんじゃないかなと思います」

 お糸が奉公した大名屋敷で出会うのは、年が近くて人なつこいところが魅力の奥方の珠子。そんな珠子の重大な秘密に気がついたお糸は、ある理由から愛するお殿様を守ろうとする珠子の申し出を聞き入れることになる。

「ホームズとワトソンの関係でいうと、お糸はワトソン。珠子を支えたり励ましていったりする役柄ですね。とはいえまだ肝心のお殿様も出てこないので、今回は、主な役者のお披露目まで。これからの二人の友情と、猫と人間の不思議な一族の物語を、楽しみにしていてください」

 

『双燕の空』

子安秀明/著 えりちん/イラスト

640円(税別)

若き男二人と娘(?)が織りなす痛快時代劇
江戸初期の名老中・阿部忠秋に育てられた孤児で優れた剣術をもつ「誇り高き心」の柳之介と、明晰な頭脳で「幽玄なる智」をもつ秋太は、反発し合いながらも強い絆で結ばれていた。しかし二人が謎の美女・百合千代と出会ってから柳之介も知らなかった秋太の秘密が明らかに……。男二人の異なる才が魅力を放つ!痛快時代劇。

「田舎の父に車を出してもらい取材してきました。利根川を越えた先、豊後守が治めた忍藩はあらためて水の多い土地だと実感しました。父と一緒に忍城も見てきました。そんな家族の助けが生かせた話になったと思っています」(子安秀明)
こやす・ひであき● 1978年、群馬県出身。千葉大学文学部史学科卒業。アニメ・マンガの脚本等で主に活動中。このたび、「招き猫文庫」創刊に際して、時代小説にも初挑戦した。引っ越しと孤独と酒をこよなく愛する新鋭作家。

『ぷらっと黄表紙 猫の恋』

深沢美潮/著 わみず/イラスト

640円(税別)

若衆二人のほっこりあたたかい江戸散歩絵巻
派手な着物を着た江戸っ子の貸本屋・虎吉と、虎吉に人気作を書かされている戯作者の九玲彬。そんな二人が読本好きな大店のお嬢様の恋を助ける羽目になる「猫の恋」。弱った金魚に泣く娘をなぐさめる「金魚のため息」……。ちょっとせつなくてちょっと不可思議な、江戸の春夏秋冬をめぐる面白くてほっこりあたたかい連作短編。

「花のお江戸、エンタメ小説やゴシップ記事満載の黄表紙を貸して歩く虎吉。彼を取り巻く人々の面白おかしい連作短編です。日本の歴史の中で一番好きな江戸時代を描くことができて本当にうれしく思っています。お楽しみください!」(深沢美潮)
ふかざわ・みしお●武蔵野美術大学卒業。「フォーチュン・クエスト」「デュアン・サーク」「IQ探偵ムー」など人気シリーズを展開する。『女優の卵は寝坊する。』『サマースクールデイズ』など著書多数。

『源平の姫君たち 紅の章』

藤咲あゆな/著 山田南平/イラスト

640円(税別)

平家の運命に翻弄された女たちの涙の物語
栄華を極めた平家一門の陰にはさまざまな姫君たちの涙があった。平清盛に捨てられた祇王と見初められた仏御前の葛藤、安徳天皇の母として国母となった建礼門院徳子の悲劇、二人の天皇に愛された藤原多子、宮廷一の美女と謳われ夫に殉じて海に消えた小宰相。「紅白」の紅のルーツである赤旗の平家の興亡を女性たちの視点で描く、新「平家物語」。

「平家滅亡……それは姫君たちの運命を過酷なものへと導きました。愛する人を死地に向かわせた彼女たちの想いは涙なしには語れません。歴史の裏で泣いた彼女たちの人生を紐解き、平安末期へと思いを馳せてはいかがでしょうか」(藤咲あゆな)
ふじさき・あゆな●東京都出身。『となりのユーレイ』、小説「ヴァンパイア騎士」シリーズ、「魔天使マテリアル」シリーズ、「戦国姫」シリーズなど数多くのヒット作を持つ。TVアニメやドラマの脚本家としても活躍中。

『猫手長屋事件簿 ふぬけうようよ』

仲野ワタリ/著 すまき俊悟/イラスト

640円(税別)

新感覚、魔物退治ファンタジー
代三郎は「猫手長屋」で日がな三味線を鳴らすばかりのぐうたら大家。しかし彼には故郷、猫手村の氏神・大猫様から授かりし使命があった。それは江戸の町をうろつく魔物を退治すること―。そんな折、不穏な空気漂う江戸の屋敷で次々と人が「腑抜け」になるおかしな病が流行り始め、さっそく代三郎は飼い猫の栗坊と屋敷へ向かうのだった。

「実は誰も見たことのない江戸時代。そこを舞台にイマジネーションを広げるのはとても楽しかったです。代三郎に栗坊に於巻、そして大猫様。キャラクターたちと読者の皆さんの出会いが素敵なものとなりますように!」(仲野ワタリ)
なかの・わたり●東京都出身。趣味は読書に散歩にアニメ鑑賞。時代小説は本作が初めて。代表作に『名探偵!? ニャンロック・ホームズ』(集英社みらい文庫)がある。雑誌や広告などのライターとしても、幅広く活躍中。

近刊情報

『源平の姫君たち 白の章』
藤咲あゆな/著 山田南平/イラスト

『御用絵師一丸』
あかほりさとる/著 鳥野しの/イラスト

『貸物屋・お庸(仮)』
平谷美樹/著 げみ/イラスト

 

第1回 招き猫文庫時代小説新人賞 募集

【選考委員】

あさのあつこ 冲方 丁(50音順 敬称略)
「招き猫文庫」編集長

【応募規定】

《応募対象》

従来の枠にとらわれないエンターテインメント時代小説を求めます。プロ・アマは問いません。自作未発表の作品に限ります。

《原稿枚数》

A4サイズの用紙に38字×32行(縦組み)で印字し、80枚から150枚まで。

《原稿規格》

原稿には表紙を付け、題名、住所、氏名(本名、筆名とも)、年齢、性別、職業、略歴、電話番号、メールアドレスを明記してください。表紙の次のページに『梗概』(800字程度)を付け、本文の1ページ目からナンバリングしてください。原稿の右肩を綴じてください。手書きでの応募は受け付けません。

《締め切り》

2015年7月31日(当日消印有効)

《発表》

2015年12月に白泉社のホームページで発表します。
http://www.hakusensha.co.jp/manekineko

《賞》

大賞/賞金100万円 優秀賞/30万円 佳作/10万円
各賞、複数作品の授賞もあります。
※入賞者には担当編集が付き、大賞作は「招き猫文庫」より刊行いたします。

《原稿宛先》

〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町2-2-2
白泉社 招き猫文庫編集部『招き猫文庫時代小説新人賞』係

《注意事項》

●同一作品による二重投稿は失格です。
●受賞作の出版権、二次的利用権(電子化、映像化、コミック化など)は白泉社に帰属します。
●応募原稿は返却いたしません。選考に対する問い合わせには応じられません。
●応募原稿にご記入いただいた個人情報につきましては作品の選考、連絡目的以外には使用いたしません。