累計2000万部に迫る大ヒットシリーズ『居眠り磐音 江戸双紙』ついに完結! 佐伯泰英スペシャルインタビュー

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公開日:2016/1/6

『居眠り磐音 江戸双紙』ここまでの物語

 江戸の深川六間堀の金兵衛長屋に暮らす浪人・坂崎磐音は直心影流の遣い手。その剣法は、殺気がなく、春先の縁側の日溜まりで居眠りをする老猫のようにおだやかなことから「居眠り剣法」と呼ばれていた。長屋の大家の娘で、江戸一番の両替商(金融業)今津屋に奉公するおこんは彼に思いを寄せるのだが、磐音の胸には生き別れとなった許婚・小林奈緒の姿が焼きついていた。

 江戸の平和な暮らしを脅かす悪人を愛刀・備前包平で成敗する居眠り磐音。事件を通じて磐音と出会った人々は、惹きつけられるように彼を慕い、援助の手を差しのべる。長屋の住人たちはもちろん、幕府の要人や各藩の重臣、大商人……高僧でさえ例外ではない。

 やがて政治の暗闘に巻き込まれていく磐音。天下を揺るがす巨悪・田沼意次がつぎつぎに送り出す刺客たちを倒し、意次の野望を打ち破ることはできるのか? “剣あり、恋あり、涙あり”の痛快時代小説シリーズ。

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坂崎磐音とは?

切り絵

豊後関前藩の青年武士。江戸勤めの際、幼馴染みの河出慎之輔、小林琴平とともに直心影流を学ぶ。磐音ら三人は藩政改革を夢見て国許に戻るが、陰謀によって河出と小林が命を落とす。その悲劇を背負い、故郷を離れ江戸で浪人暮らしをはじめた磐音は、いつも腹を空かせながらも、下町人情溢れる深川で穏やかな日々をおくる。細かいことにこだわらないその性格から、ついつい損な役回りを演じることもしばしば。どこかぼんやりとした磐音だが、ひとたび剣を抜けば直心影流の達人。普段ののんびりした雰囲気とのギャップが坂崎磐音最大の魅力だ。亡き友の無念を胸に秘め、周囲に優しく礼儀正しい磐音の姿に多くの読者が魅了されている。
切り絵=小宮山逢邦

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