これが結婚生活の現実だ! 『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』著者に学ぶ

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更新日:2018/6/5

Yahoo!知恵袋が生んだ名作、変わった妻と冷静な夫の結婚生活に学ぶべきところとは?

 かつて、「朝井さん(=筆者)って結婚しても続かなそー!(キャハハハ)」と知人に無邪気にヒドイことを言い放たれたことがある。曰く、頑固、こだわりが強い、言い負かす癖、いかにも結婚向きでない特徴が揃っていて、たとえ結婚できたとしてもうまくいかなくなりそうだ、と。おっしゃる通り、そういうきらいがあるのは否定できないため、ぐうの音も出なかったのだった。

 このままではいけない。今のうちから夫婦円満のお手本となりそうなものに触れ、結婚後の生活に備えなければ(そもそも結婚できるかは置いておいて)。そこで、あやかりたい作品が『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』(PHP研究所)。2010年に、Yahoo!知恵袋への同タイトルの投稿が話題を呼び、それを見たボカロPがニコニコ動画にてオリジナル動画を制作、翌年にはコミックエッセイ化された。そして今度は、コミックエッセイの第二弾が発売されたのである。(以下で1巻、2巻を試し読みできます)

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1巻はマンガのほかに、コラムやインタビューも充実。
2巻では、1巻よりもバラエティ豊かな日常生活について描かれている

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 この作品はタイトル通り、夫であり、Yahoo!知恵袋の投稿者・K・Kajunsky氏が、帰宅すると、妻が玄関先で血のりや衣装に趣向を凝らして死んだふり(死人コスプレ)をしている件をはじめ、彼ら夫婦の日常が描かれている。マンガ家のichida氏が、K・Kajunsky氏のYahoo!知恵袋投稿やブログ、そして派生して作られたボカロ動画を元にマンガ化した。

 

ほぼ日P氏は、Yahoo!知恵袋の質問を見て奥さんについて、
“ちょっと変わってるけど愛おしい奥さん”だと感じ、
そのキャラクター像をボカロ動画で表現した

まさかの実写バージョンも!
その他、初音ミクバージョンなどの派生作品もあり

 

 このマンガで描かれている妻の“ちえさん”は、相当の不思議ちゃん。死人コスプレをするだけでなく、夫が風邪で寝込んでいるときはカツラと衣装でマイケルジャクソンの格好をして(笑わせて)励ましたり、突如「第一回!夫婦早食い選手権」を始めたり、自由奔放に振る舞っている。マンガ家のichida氏は、もし自分の奥さんがちえさんのようだったら「医療機関の指示を仰ぎます(笑)」と言うくらいである。

 妻・ちえさんの奇行(?)を、夫のK・Kajunsky氏はできる限りスルーするスタンスで、要所要所でツッコミを入れることで、この夫婦は成り立っている。派生して作られたボカロ動画では、“妻は、自分にかまってくれない夫への寂しさから、死んだふりをしているのでは?”というところにフォーカスがあてられている。

 ちえ&K・Kajunsky夫婦について、本作品に関わる面々の見解は以下の通り。
※ほぼ日P氏(楽曲制作)、ichida氏(マンガ家)、伊丹氏(マンガの担当編集)

ほぼ日P:

結婚して一緒に暮らしていても、やっぱり相手が何を考えているのかわからない。でもお互いに大事に思ってるのは伝わってきます。その距離感が心地よいですよね。

ichida:

どういう形にせよ、コミュニケーションを絶やさないから円満でいられるのだと思います。

伊丹:

ちえさんは不思議ちゃんのくせにへんなところでしっかりしているような気がします(たぶん)。一見すると、旦那さんがちえさんをうまく操縦しているように見えますが、実態は「操縦されてる」と思わせてちえさんが操縦しているのではないでしょうか。また、ツッコミの旦那さんがいるから安心して思っていることを言動にだせるのかもしれません。

 では、旦那さんであるK・Kajunsky氏は、実際は夫婦関係をどう捉えているのだろうか。次のページからは、K・Kajunsky氏にインタビューをしてみたい。