戦慄ふたたび！学園ホラーの傑作『Another』の外伝“episode S”が連載開始

イラスト：いとうのいぢ

　当初は……やはりまず、ストーリー上どうしても必要なキャラクターとして、計算ずくで造形したわけです。それが、書き進めるうちにだんだん独特の存在感を持っていったような感じでしたね。たいへん自分好みの女の子ではあるのだけれど、実際にこんな子が近くにいたらけっこう面倒くさいだろうなあ、とも思ったりしつつ……。

　各メディアにおける活躍は……はい、それはもう頼もしいというか、嬉しいばかりでございます。漫画の鳴ちゃんもアニメの鳴ちゃんも映画の鳴ちゃんも、それぞれにとても魅力的ですね。

　――今回の作品を書かれるにあたり、もう一度彼見崎鳴と向き合って、どんなことをお考えになりましたか？

　うーん。やはりそう、十五歳のこの時点で彼女の時間は凍結させるべきだろうな、とか。

　――『Another episode S』のストーリーを考えつかれたきっかけをお教えください。

　夏休みに鳴が夜見山を離れる「空白の一週間」がたまたまあったので、「あ、ここに何か外伝的な物語が創れそうだな」と思って考えはじめた次第。

　――綾辻さんがこの作品でやろうとされていることを、本当にさしつかえない範囲で、少しだけお教えいただけますか？（前作との違いや、見崎鳴に託したことなど？）

　一九九八年の見崎鳴をもう少し書いておきたくなった、というのがまずありますね。今回は物語の大半が、鳴と同い年の榊原恒一ではなく、賢木晃也という「大人」の視点で語られるので、おのずと『Another』とはかなり違うニュアンスの作品になると思われます。

　――読者へのメッセージをお願いいたします。

　今回はだいぶホラー度の低いお話ですので、怖いのは苦手！　という人でもぜんぜん大丈夫、です。どうぞ気軽にお楽しみください。

　『Another episode S』ほか、藤木稟『バチカン奇跡調査官』や三浦しをん『ののはな通信』など数々の人気作品を連載する『小説屋sari-sari』は、毎月2日に『BOOK☆WALKER』で配信され、『紀伊國屋書店BookWeb』、『Reader™ Store』などで順次配信される予定。バックナンバーは無料で配信されているので、チェックしてみよう！
（※連載作品は号により変更する場合があります）