パンクでエレガント、水原希子の魅力に潜むもの

芸能

更新日:2012/12/7

“今年最も読み応えがあった本”を決める「BOOK OF THE YEAR 2012」が発表された『ダ・ヴィンチ』1月号。1年でもっとも注目される同号の表紙を飾るのは、モデル・女優として幅広く活躍する水原希子だ。女優デビュー作『ノルウェイの森』はもちろん、蜷川実花監督『ヘルタースケルター』、豊田利晃監督『I’M FLASH!』に出演したことでも話題を呼び、来年は大河ドラマ『八重の桜』や大友啓史監督『プラチナデータ』での出演が決定している。

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 ――自分が今、人生の特別な時期にいることを、たぶん彼女自身がよくわかっているのに違いない。
「写真集をたくさん持ってるんですけど、1カ月に1回くらい読み返す日があるんです。最近心に残ったのは川島小鳥さんの『未来ちゃん』。あれも子どもの頃の本当にいい時期、はかない時期を撮ってる。『青い春』もそう。俳優と撮る人のタイミングがピタッと合ってる感じがしますよね。カッコいいことをやりたいなら、まず有名にならないとムリだって言う人もいるけど、我慢しないとカッコいいことができないなんて、そんなのおかしい。生意気かもしれないけど、今しか感じられないものってきっとあるから。仕事ももちろん人生だけど、自分の人生はそれだけじゃない。今だからこそ感じられるものをどんどん吸収することは、どこで何をしようと絶対無駄にはならないと思ってるんです」

 エネルギーをチャージするためによく旅に出る。今回選んだ一冊、『ユリゴコロ』を読んだのも旅の途上だった。
「飛行機に乗る時に友達に勧められて、主人公が謎めいたノートを発見したところから一気に惹きこまれました。連続殺人の告白なんだけど一体これは誰が書いたんだろうって。終わり方も大胆。その結末は想像していなかった。小説を読むのは正直億劫な気持ちがあったのを変えてくれた本なんです」
 来年は大河ドラマ『八重の桜』でドラマにも初挑戦する。
「私が演じる大山捨松は、日本で初めてアメリカに留学して、その時代に許されていなかったことを行った女性。ある意味、パンクなんですよ。でもエレガントさを失わない」
 パンクでエレガントだなんて、まさに水原希子の魅力そのもの。
「だといいな(笑)。役を演じるために自分が一番見たくない感情を無理やりこじあけなきゃいけないこともあるから、女優って大変だなって。ある意味、傷つく仕事ですよね。だからこそ人は感動するのかも。捨松を演じることで彼女の前向きな姿勢を吸収したいですね。それこそ憑依するくらいに」――取材・文=瀧 晴巳

 同誌インタビューではほかにも、転機となった17歳の時の海外経験、『ノルウェイの森』オーディションでのエピソードなどを語っている。

ダ・ヴィンチ1月号「スタジオインタビュー」より)