声優・内田真礼「かわいい声優枠」と言われることに抵抗あった。フォトブックで水着カットを披露する自信をつけた、デビューから現在までの心境の変化を語る

エンタメ

公開日:2023/3/8

内田真礼さん

 声優・内田真礼さんの1st photobook 「まあやドキ」が2月8日に発売された。本作はオリコン写真集ランキングで1位を獲得。発売に合わせて週刊ヤングジャンプの表紙を飾ったことも大きな話題になった。

「まあやドキ」はたくさんの衣装をまとったカットはもちろん、長年内田さんのスタイリストを務める柏木作夢さんとの対談や、メイクについての解説ページが収録されるなど、内田さんのルックスの魅力をたっぷりと堪能できる1冊となった。

 本記事は、水着カットを披露した想いなど、普段のアニメ作品やアーティストインタビューではなかなか聞けないお話をたくさん聞くことができた。撮りおろしの写真とともに楽しんでほしい。

(取材・文=金沢俊吾 撮影=金澤正平)

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水着になった理由

――「まあやドキ」の発売おめでとうございます!フォトブックということで、本日は「ルックス」にフォーカスしていろいろお聞きできればと思います。

内田:ありがとうございます! ルックスですか……わかりました(笑)。

――これまでも写真集を出されていて、声優雑誌でグラビアをされることも多いですが、今回はどんな気持ちで撮影に臨まれたのでしょうか?

内田:企画段階から「今までやれなかったことを出し惜しみせずにいろいろやろう」という気持ちがありました。衣装のパターンにしても企画の数にしても「ここまでやったら納得するよね」と思えるものが作りたかったんです。

――「今までやれなかったこと」というのは、例えばどんなことですか?

内田:今回は水着も解禁しましたし、露出をがんばりました。3年前に作った写真集『étoile』はフランスで撮影したのですが、あんまり露出をしなかったんですね。今回はせっかくヤングジャンプさんと一緒にやれるので、今できる最大限の努力をして今しか撮れない私の姿を残したいと思いました。

――週刊ヤングジャンプでは、8年前にも水着で表紙を飾られました。

内田:あの時は、私もまだ事務所に入って3〜4年目で「まあやってみるか」ぐらいの(笑)、軽いノリだったような気がします。

――今回の水着は、その時とはまた違う気持ちだったということでしょうか。

内田:そうですね。今は自信もあるから「ちゃんと形に残るものを作ろう」という気持ちが大きかったです。

内田真礼さん

健やかな、痩せすぎない体づくり

――本作に収録されているスタイリスト・柏木作夢さんとの対談の中で「この撮影を経たことで、そこまで出す必要ある?と思うような衣装も着れるようになった」と話されていました。

内田:撮影でお腹とか出すことに対してメリットというか、それが自分の強みだと感じられない時期がかなり長くあったんです。私には別に露出は要らないかなって。

――そこから、どのような心境の変化があったのでしょうか?

内田:撮影に向けて体づくりのトレーニングをしているうちに「くびれがちゃんとできてるなら、それを見せたほうがスタイルよく見えるな」と気付いたんです。私、本当に運動が続かない人間なんですけど、今回はがんばれたんですよ。

――フォトブックのなかで「この作品のために1日1万歩歩くって決めて、それを達成した」と書かれていました。どんな体づくりを目指されたのですか?

内田:「健やかな体」でしょうか。お母さんに「痩せたい」って言うと「いや、痩せなくていいんだ。」と言うんです。「真礼は痩せすぎるのは似合わない」って(笑)。だから食事を控えたりはせず、運動をして健康的な体を作れるといいなと思ったんです。

上唇のまんなかが好き

――同じく対談のなかで、柏木作夢さんが「こんなに色が似合う人はいない。それは何でですかって聞いたら、単純に美しいから」と仰っていて。

内田:(笑)。うれしいです。

――ちなみに、Q&Aの「好きなパーツは?」の質問に「上唇のまんなか」と答えていました。

内田:昔から自分の唇が好きなんですよね。アヒル口まではいかないけど、何もしてなくてもちょっと反ってるぐらいの。横顔の写真はその形がよく分かるので気に入っています。「まあやドキ」でいうと、このカットとか。

内田真礼さん
©田村与/集英社

――内田さんは新人の頃から「かわいい」といわれてメディアに出ることが多かったように思います。そうした扱いに抵抗があったことはないですか?

内田:それは……少しありました。「かわいい声優さん枠」とくくることはあんまり好きではなかったです。「かわいい顔」「かわいい声」っていうのは、声優としての一面でしかないと思っていました。

――そこから、どのように折り合いをつけて活動してきたのですか?

内田:「私は本当はこういう人間だよ」と伝えていくことが大切だと思っています。今回のフォトブックもそうですが、もう30代になったので、これからはよりたくさん発信できたらいいなと思っています。

内田真礼さん

自撮りとメイク

――以前、テレビ番組で自撮りが好きだと仰っていました。どういった感覚でやられているのでしょうか?

内田:自分の日常を残すことが好きなんですよね。仕事の場でみんなで撮る、みたいなことはあまりせず、スマホのフォルダは自撮りとご飯の写真で埋まっています。

――SNSに載せるわけでもないですよね?

内田:SNSに載せるわけでも、見返すわけでもないですね。なんで自撮りするのか……本当になんでもない日常が好きなので、それを記録として残しておきたいってことなのかもしれないです。あと、メイクが好きなので「今日のメイクいい感じだな」と思ったら意識的に残すようにしています。

――内田さんはメイクやスタイリングに強いこだわりがありますが、そうした探究心はどこから来るのでしょうか。

内田:やっぱり、変化がないと面白くないなって思うんですよ。自分に飽きちゃうというか。だから、自分で自分を楽しむためのメイクであり、スタイリングなんです。数年前はよくエクステをつけていたんですが、あれも同じで、自分で自分のご機嫌を取るような感じでしたね。

内田真礼さん

「まあいっか」と思わない

――今回のように顔を出される仕事の一方で、『あちこちオードリー』『musicる TV』『いい話ee』など、テレビ番組のナレーションなど顔が出ない仕事もたくさんやっています。

内田:ありがたいことに、ナレーションの仕事はお声がけいただくことが多くなったんです。アニメとは求められることが違って、すごく面白いんです。学びもたくさんありますし、仕事の幅が広がってる実感があってうれしいんですよね。

――30代になって自分自身のことをより発信していきたいというお話もありましたが、仕事の幅も広がって、今後はどんな活動をしていきたいですか?

内田:物事に対して好きだと思ったりイヤだと思ったりする自分の気持ちを、もっと大事にしていきたいと思っています。私、あんまり怒れないタイプなんですよ。人と揉めたくないというか、事なかれ主義というか。でも、それではダメだなと最近思っているんです。

――それは仕事もプライベートも両方ですか?

内田:そうですね。「まあいっか」と思わずに、もっと自分の意志を伝えられればいいなと思っています。そうしたら、もっと人生よくなるかなって。

――これからのご活躍も楽しみにしています。ありがとうございました。

内田:こちらこそありがとうございました。楽しかったです!

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