Cover Model 西島秀俊 2013年2月号

Cover Model 紹介

2013/1/5

Cover Model西島秀俊

役柄とゆっくり向き合い、人物を深化させる醍醐味


1月26日(土)公開の映画『ストロベリーナイト』で
警視庁捜査一課の一員として、姫川玲子という
個性の強い女性上司に献身的に仕える実直な男を好演し、
原作者をして「西島版菊田がかっこよすぎるせいで、
読者からなぜもっと菊田を活躍させないのかと責められて困る」
と言わしめた俳優・西島秀俊。

「それは役者としてはうれしいですね(笑)。
菊田はチームをまとめあげる接着剤的な役目の男なんです。
組織人を全うする姿が同じような立場の方々の
共感を呼ぶのかもしれません」

だが、そんな菊田も、映画版では一刑事として、そして男として
自分の心と向き合うことを余儀なくされる。

「僕は『ストロベリーナイト』という作品を、
一生癒えることのない傷を抱えた人々が、
それでも生きていく姿を描く作品だと捉えていて。
深い闇を覗き込んでしまった人々が事件を起こし、
姫川はそんな彼らに共鳴しながらも捕まえていく。
だけど、今後もよほどのことがない限り、菊田は傷を負わないんじゃないかな。
でも、それはそれでいいのかなと思っていて。
みんながみんな同じようなパーソナリティの持ち主というのもなんですし、
対比として、傷を持てない、わからない残酷さというのを出せればいいのかな、と」

こうした役柄への深い理解も、3年という年月があってこそ。
そして、今年はさらに大河ドラマ『八重の桜』で
主人公の兄・山本覚馬を1年間通じて演じることになった。

「覚馬について考えていて、ある時ふと気づいたんです。
幕末、自分よりも優れた友人が次々と死んでいくなか、
彼らの死を背負おうとしたから、
ああいう生き方ができたんじゃないだろうか、って。
こういう人物理解の仕方は、一人の人間の人生を時間をかけて
演じ続けなければできない。
菊田も覚馬も、この先もっともっと掘り下げていけるかなと
思うと楽しみですね」
そんな西島秀俊さんが選んだ本は——
『映画秘宝EX 映画の必修科目01 仰天カルト・ムービー100』
『映画秘宝EX 映画の必修科目01 仰天カルト・ムービー100』
洋泉社 1260円  

1920年代から2000年代まで、世界中でカルトな人気を得た名画・珍画の数々を紹介する映画評論本。取り上げられるのは、サブカル好きはぜひ観ておきたいいびつなパワーに溢れた100本。一本一本の解説はもちろんのこと、カルト映画の歴史や海外で絶賛される日本映画を語るエッセイなど、知ると楽しい知識もいっぱい。
「80年代に青春を送った人間なら、ここにあるようなカルト・ムービーは結構見ていると思います。映画鑑賞の本道として、映画を映画たらしめている名作を見る楽しみがある一方、なんとなく見たらおもしろかったというのもありで、僕にとってはむしろそっちのほうが『映画』だったりします」(西島秀俊 談)