待望の第4弾は本にまつわるミステリーがじっくり楽しめる初の長編!

新刊著者インタビュー

2013/3/6

 シリーズ累計で470万部という驚異の数字を弾きだし、コミカライズやテレビドラマ化と、その人気ぶりはまさに飛ぶ鳥を落とす勢いの『ビブリア古書堂の事件手帖』。その最新刊は初の長編とあって、物語にどっぷり浸れること必至。読み応えのあるボリュームは読者にとっては歓喜の極みだが、送り手側の作者は、果たしてどんな想いで物語を紡ぎ出したのだろうか──。

俎上に上がるのはミステリー界の大御所

三上 延

みかみ・えん●1971年、神奈川県生まれ。古書店勤務を経て、第8回電撃小説大賞に応募の『ダーク・バイオレッツ』で2002年にデビュー。電撃文庫にてホラーやファンタジーと幅広いジャンルで活躍。著作は『シャドウテイカー』『天空のアルカミレス』『偽りのドラグーン』(すべて電撃文庫)など。
 

『ビブリア古書堂の事件手帖』の舞台は、北鎌倉の駅前で営業する古書店。その店主である若くて美人の篠川栞子は、本に関わることなら饒舌で頭の回転も早いのだが、普段はおっとりとした極度の人見知り。そんな彼女に想いを寄せる主人公・五浦大輔は、ひょんなことから店で働き始め、本を巡る騒動に巻き込まれていく──。毎回古書にまつわるエピソードや謎からミステリー劇が展開するのだが、事件の発端となる古書は著者も違えば本も異なり、既刊ではそうしたいくつかのエピソードでまとめられてきた。

 今回はシリーズ初の長編ということもあり、一人の作家にスポットを当ててテーマとするなど、今までの趣向とは若干異なっている。この変化は、一体どのような理由によるのだろう。

「今まで取り上げた作家は純文学が多かったので、それ以外の作家で取り上げるとしたら、江戸川乱歩かなと早くから思ってはいたんです。本当は3巻で取り上げるつもりだったんですけど、調べると面白いことが多すぎて、短編におさまりそうもなかった。

 そもそもシリーズ化を意識した2巻目あたりから、4巻目で長編を書こうと決めていたんですね。だったら4巻は丸ごと乱歩で行こうと。ただ、長編はいいんですが、構成をどうするかについては、かなり悩みましたね。例えば、乱歩の本一冊だけで物語全体を埋めるというのは、非常に困難に思えたんです。いろいろ方法を試した結果、乱歩の著書を複数取り上げて、一つの物語にするのがいいだろうと。一冊まるまる使えるからこそ、一人の作家をきちんと描けるという気持ちもありましたしね」
 

紙『ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜』

三上 延 メディアワークス文庫 599円

ビブリア古書堂の店員としてすっかり馴染んできた主人公。店主の栞子との距離も幾分縮まっていくなか、今度は江戸川乱歩の作品を巡る謎解きに巻き込まれる。その背後には、謎の失踪を遂げた栞子の母親の影が見え隠れするのだった。江戸川乱歩という一人の作家をテーマに、シリーズ初の長編物語が展開する。

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ

  • 『ビブリア古書堂の
    事件手帖 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜』

    メディアワークス文庫 620円

    北鎌倉に店を構えるビブリア古書堂の店主・栞子は、美人だが極度の人見知り。そんな店主のもとで、大輔の五浦大輔は祖母の形見の本がきっかけで働くことに。だが、栞子の店に持ちこまれる本は、不思議と事件を呼び、否応なく大輔も巻き込まれていく。

  • 『ビブリア古書堂の
    事件手帖2 〜栞子さんと謎めく日常〜』

    メディアワークス文庫 557円

    古書によってビブリア古書堂は再び謎と秘密に包まれる。中学生の読書感想文に込められた謎、遺産相続で託された本の秘密──。本が絡むと探偵並みの推理を働かす栞子に、またもや翻弄される大輔。シリーズ第2弾では謎めいた栞子の家族のことが徐々に明らかに。

  • 『ビブリア古書堂の
    事件手帖3 〜栞子さんと消えない絆〜』

    メディアワークス文庫 578円

    同業者とのトラブルを起こす絶版文庫、離れていた家族を繋ぎ合わせた絵本、そして古書堂の古くからの常連宅で盗まれた稀覯本。大輔が来てからのビブリア古書堂には、そんな謎めいた本の相談事ばかり。そんな事件を絡めつつ、第3弾では栞子と大輔の恋の進展が?