待望の第4弾は本にまつわるミステリーがじっくり楽しめる初の長編!

新刊著者インタビュー

2013/3/6

電子書籍を巡る話題が、今後の作品に生かされる可能性

 昨今は書籍もデジタル化の時代。そんな世の中であえて古書をテーマとした作品を世に送り出した三上さんは、デジタル化の波をどのように捉えているのだろう。

「僕自身、紙の本は大好きなんですけど、電子書籍の良さもあると思っています。例えば絶版本。従来の出版システムですと、昔あったものが読めない事態が、どうしても出てきてしまう。でも、デジタル化されていれば、絶版っていうのはかなり減りますし、そういう意味では非常に便利だと思っているんです。
 ただ、紙の本の場合、デジタルだと味わえない、所有する喜びがあると思うんですよね。本を単純に情報の塊と捉えると、利点はデジタルの方にあるんでしょうけど、装丁などを含めた“モノ”として考えると、紙の本ならではの良さがある。
 それから、単純にデジタル化されただけでは、作品が時系列でどのように扱われてきたのかが、分かりづらくなるという欠点もあります。まさに今回のために、乱歩の少年探偵シリーズを戦前からのものを含めて10冊ほど買ったんですけど、同じ作品でも時代や人気の度合いでその扱われ方が違うんです。そういうのは紙の本じゃないと分からないですね。
 これまでデジタル化にあまり意識は向きませんでしたけど、この作品を書き進めているうちにデジタル書籍も一般に浸透してきましたし、今後はその分野の展開も、作品に反映されていくかもしれません」

 我々と同じ時間軸の世界が舞台の物語だけに、電子書籍の話題も避けては通れないということなのかもしれない。
 ともあれ、三上さんによれば、今作は物語全体の折り返し点になるとのことで、作中ではさまざまなことが明るみになっている。主人公の恋路の行方も気になるが、それは読んでのお楽しみとしておこう。
 

取材・文=村上健司 写真=市川貴浩

「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズ
ヒットの推移

2011年
3月 1巻発売
7月 各書店の月間ランキング 1位を獲得 10万部突破
8月 20万部突破
10月 2巻発売 シリーズ累計45万部に
12月 本の雑誌が選ぶ2011年度文庫ベストテン 第1位!!


2012年
1月 発行部数100万部突破 本屋大賞に文庫作品で初のノミネート
2月 『アルティマエース』でマンガ連載開始 累計200万部突破
5月 日本推理作家協会賞短編部門にノミネート
6月 3巻発売 累計300万部突破
   オリコン2012年上半期“本”ランキング 文庫部門1位(1巻)
7月 『good! アフタヌーン』でマンガ連載開始
12月 オリコン2012年年間“本”ランキング 文庫部門1位(1巻)
   トーハン年間ベストセラー 文庫総合1位(1〜3巻) 累計340万部突破


2013年
1月 フジテレビ月9枠にてドラマ化 累計380万部
2月 1〜3巻 電子書籍販売開始 4巻発売 累計470万部に


紙『ビブリア古書堂の事件手帖4 〜栞子さんと二つの顔〜』

三上 延 メディアワークス文庫 599円

ビブリア古書堂の店員としてすっかり馴染んできた主人公。店主の栞子との距離も幾分縮まっていくなか、今度は江戸川乱歩の作品を巡る謎解きに巻き込まれる。その背後には、謎の失踪を遂げた栞子の母親の影が見え隠れするのだった。江戸川乱歩という一人の作家をテーマに、シリーズ初の長編物語が展開する。

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