Cover Model 瑛太 2011年11月号

Cover Model 紹介

更新日:2013/10/11

Cover Model 瑛太

切腹シーンは感情の赴くままに

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10月15日公開の映画『一命』で、瑛太さんは江戸の浪人「千々岩求女」を演じた。
すべては家族を守るために、求女は避けられない運命の流れで、切腹する。
日本初の3D時代劇となった本作は、サプライズが出現するミステリー劇であると同時に
日本映画の伝統ジャンル「切腹映画」としても、見事な達成を果たしている。
なぜなら、観ているこちらの腹がよじれるほど猛烈に、痛い。

「台本を読んでいた時は、求女という人物には雑念がないから、
純粋さを一番大事にしたいと思いました。でも、実際に撮影現場に立ってみたら、
瞬間瞬間に起きてくる憤りがすごく強かった。
切腹するシーンでは、痛みを周りに知らしめるというか、死んでやるよ、
お前らに痛みを見せつけてやるという、そういう気持ちになってきて……。
正直、あの現場にいる間中、ずっと辛かった。
この役のためにダイエットをしていたので、体力的にも辛かったし、
精神的にも今まで一度も味わったことのないような辛さでした」
台本のト書きにあった“求女は血迷った”という言葉が、
僕の中ではしっくりきたんですよ。
求女はずっと錯乱状態だったんじゃないかって。
撮影中はその状態に僕自身もなってましたね」

そんな瑛太さんが選んだ本は——

『サバイバル登山家』
『サバイバル登山家』
服部文祥
みすず書房 2520円

表紙カバー写真は、著者が釣った魚の皮を剥ぎ、干物にする準備をしている姿。大げさな登山道具を捨て、身ひとつで山に分け入り自給自足生活を行う異色の登山家は、自らのスタイルを「サバイバル登山」を名付けた。そのスタイル誕生秘話と、数々の山岳アタックの様子を、五感(特に味覚!)を研ぎすませた文章で綴ったノンフィクション。
「幼い頃から山に興味があって、登山家のことを調べた時期もありました。山に登る人って、みなさん、変わったところがありますよね(笑)。ものの見方が普通と違うというか。山に行くと、自分は何を感じるんだろう。いつか登ってみたいとずっと思っていたんですが、今年はじめにその機会が訪れて。ある映画の撮影で雪山に登り、数日滞在することになったんです。撮影前に監督から渡されたのがこの本でした。“面白い人がいるから読んでみて”と」。(瑛太 談)