郷 ひろみ「60代がきっと僕のピークになる。大器晩成型なんですよ」
更新日:2014/5/2
「僕は、大器晩成型なんですよ(笑)」
との発言に、まず驚かされた。
しかも、
「ピークは60代だと思ってます。だからこれからですよ、僕が一番輝くのは」
とのこと。
この言葉は、今回30年ぶりに写真集を出そうと思った理由を聞いたあとに放たれたものだ。
「その60歳を2年後に控え、そろそろ新しい動きを始めようと思っていた頃だったんですね。
写真集はそのタイミングでいただいたお話だったので、これもきっかけになるな、って」
彼が、60年代にピークを迎えると断言するのには根拠がある。
それは、常日頃から未来を見据えた思考だ。
「絶えず、自分のキャパシティを越えていきたいという思いがあるんです。
活動の幅を広げることは変化していくということですよね。
なかにはそれを億劫だと感じる人もいるかもしれない。
けれど、面倒くささを乗り越えて変化し続けて行くと、いずれその人にとって変化が進化になるんです。
僕は、進化さえし続ければ、その結果、自分がどんな道を歩もうとも、素晴らしい未来が来ると信じている。
60代、70代を迎えることに不安を覚える方もたくさんいるでしょうけど、生き方の目線を変えるだけで、40代、50代の毎日がものすごくポジティブになり、歳を取るのが楽しみになるんですよね」
もちろん、自身が進化したと実感できるようになるまでには、何年もの時間がかかる。
しかし、「その時間こそが、努力と呼ばれるものだと僕は思うんです」と話す。
「結果をすぐに求めるのではなく、
自分がどういう生き方をしたいか、そのためには何をすればいいのか。
そのプロセスこそが大切だと思いますからね」
(取材・文=倉田モトキ 写真=Jimmy Ming Shum)
郷 ひろみ
ごう・ひろみ●1955年福岡県生まれ。歌手、俳優。72年にシングル『男の子女の子』で歌手デビュー。日本レコード大賞・新人賞を受賞するなど一躍トップスターに。その後も『2億4千万の瞳』『言えないよ』『GOLDFINGER ’99』など、長年にわたってヒット曲を生み出す。現在、ニューシングル『Bang Bang』が発売中。
『緋色の記憶』
ニューイングランドの小さな町のチャタム校に赴任してきた、若く美しい美術教師・チャニング。ところが数カ月後、同僚のリードと許されぬ恋に落ちたことで、のちに“チャタム校事件”として語り継がれる悲劇が彼女を待ち受ける。老弁護士・ヘンリーの回想で描かれた、過去と現在が去来するミステリー。
『G 郷ひろみ』
撮影/ジミー・ミン・シュン ギャンビット/発行 学研/発売 2000円
●15歳でデビューして以来、42年にわたってトップアイドルとして君臨してきた郷ひろみが、57歳の今を閉じ込めた写真集を発売。台湾で48時間完全密着撮影を敢行し、テレビやステージでは決して見ることのできない素顔を披露している。カメラマンに世界で活躍するジミー・ミン・シュンを起用するなど、アジアンテイスト満載の一冊になっている。