今話題の「中二病」を患うと、日常生活はどう変わるのだろうか?

アニメ

更新日:2013/7/29


今人気の「中二病」を患うと、日常生活はどう変わるのだろうか?

 中二病でも恋がしたい!の第2期も決定し、シュタインズゲートの岡部倫太郎、俺妹の黒猫、俺修羅の季堂鋭太など、中二病をこじらせたキャラが毎クール登場しており、中二病キャラは、もはや萌えアニメにはなくてはならない存在になりつつある。

彼(彼女)らが使っている中二病特有の言い回しには毎度感心させられることが多く、つい先日も中二病全開のノート「架空の歴史ノート」が電子書籍で発売されtwitter上で話題になったばかりだ。


話題になった中二ノート。全編手書きで書かれている。

そこで、我々編集部もあえて中二病を患ってみようと思う。ちなみに、私が今回参考にしたのは、まずはネーミング辞典。中二病患者必須のアイテムだ。

さらにファイナルファンタジーで有名な野村哲也風に文章を変換してくれるノムリッシュ翻訳の二つの神器だ。

これらと少しの変換力と妄想力を用いることで普遍的な日常も波乱万丈なファンタジーへと変わる……かもしれない。

まずは初級編として、身近なところから中二っぽくしてみた。

○おはよう。
100年の時を越え、我は今ここに蘇った!
……ただ寝て起きるという行為が、覚醒レベルに!?

○行ってきます。
クリスタルの意志に導かれ、私は行かなければならない。
……何か逆らえない運命的なものを感じる。

○電車に乗車する。
異世界へのゲートよ、我を導け!
……トンネルがあるとさらに空間移動感が強まるかもしれない。

○学校の生徒たち
エスクエラに囲われしエストゥディアンテの群れ
……ふむ、まるで怪しい組織の被験体のようだ。

○家族から電話がきた
魔道通信機より警告音だと!ゲゼルシャフトからの指令か?
……帰りに豆腐を買ってきてぐらいの指令だろう。

○付き合って下さい。
我がマスターに相応しい。どうか専従契約を。
……ただし、恋人になるか下僕になるかは貴方次第だ。

○鉛筆と消しゴム
漆黒のスペル遣いと改竄せし者

こうやって羅列していくと、中二用語に変換するというのは意外と難易度が高いことが分かる。

単純に外国語に変換したり、言い回しをややこしくすればいいというものでもない。
怪しく、そしてかっこよく、世界が広がるようなものでなければならないのだ。

次に上級編として、長文変換にチャレンジしてみようと思う。しかし、単語や挨拶だけでも非常に難しいこともあり、ここは編集部の異端者ことDFM氏に協力を要請した。変換対象は不朽の名作「我輩は猫である」。

まずは青空文庫より拝借した原文。

「吾輩は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。」

次に翻訳してもらった中二病式「我輩は猫である」。

「神より与えられた聖剣<エクスカリバー>の所有者である我は炬燵(こたつ)と呼ばれる空間世界を占領せしものである。ザンギュラの呪いにより、マスターに名付けられた真名は今だ無い。
我はどこで発現したのだろうか。電脳世界を網羅した全知検索<ゼンティ=ギガガイア>にコネクトしたが円環の導きは得られず。何でも漆黒の闇に包まれた呪われし大地で「ゾルデュオム、ゾルデュオム」と泣いていた事象のみはアカシック・レコードに刻まれている。我はこの地でエトロの血より生まれし、剣帝アルムスドの右腕の男を初めて観測した。しかもあとで訊くに仮初の姿を保つそれは「書生」と囁かれ、エトロの末裔の中でも絶対的無比なる存在かつ獰悪な暗黒世界を統べるナンバーズのひとりであった。」

長!そして回りくどっ!

先述のノムリッシュ翻訳を参考にしたそうだが、すらすらと中二式に変換していく彼は、むしろ現世に顕在した特殊能力の持ち主なのではないかとさえ感じた。

こうやって実際に中二病を患ってみたわけだが、変換力と妄想力だけでなく、やはり語彙力と文章力を多分に必要とすることが分かった。

試しに親や友人相手にこの中二病用語を使ってみたが、物凄く困惑され、心配された。そう、それが答えであり、現実(リアル)だ。

決して脳内で起こっている出来事を行動に出したり、人に話してはならない。
リアルでは、脳内もしくは架空の歴史ノートのように自分だけに留めておこう。

(文=月乃雫)

<参考>
青空文庫
http://www.aozora.gr.jp/

ノムリッシュ翻訳
http://racing-lagoon.info/nomu/translate.php

(ダ・ヴィンチ電子ナビ アニメ部)