「ヒットの予感 長嶋 有」Interview Long Version 2004年1月号

インタビューロングバージョン

更新日:2019/4/16


ながしま・ゆう●1972年埼玉県生まれ。東洋大学2部文学部国文学科卒業。会社勤務を経て『サイドカーに犬』で第92回文學界新人賞を受賞。2001年11月に『文學界』に発表した『猛スピードで母は』で第126回芥川賞を受賞。ほかの著書には『ブルボン小林の末端通信
Web生活を楽にする66のヒント 』(ブルボン小林名義)、『タンノイのエジンバラ』などがある。俳人・長嶋肩甲としても作品を発表。
長嶋有公式サイト http://www.n-yu.com/

 

『ジャージの二人』
長嶋 有
集英社 1500円
12月15日発売予定

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仕事が嫌いなフリーカメラマンの父と、会社を辞めたばかりの主人公「僕」が、軽井沢のオンボロ山荘で過ごす1週間を描いた表題作と、その翌年、「僕」の妻と、父の3度目の妻の娘が入れ替わりに僕らに加わる『ジャージの三人』の2編を収録。うまくいっていない夫婦関係、経済的不安、それらを日常的に背負い、社会からの隠遁を求めて山荘に来ている父と「僕」だったが、ここでの二人のやりとりはおかしみがあふれていて、温かい空気を醸し出している。不思議な家族小説の傑作。装画は大島弓子。