山田孝之「まさかの2次元の女性に恋してしまいました」

あの人と本の話 and more

2013/8/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。主演作の映画『凶悪』が9月21日(土)に公開される山田孝之さんは、読書で体験した、ある秘めたる恋(!?)を告白してくれました。

 中学時代に『行け! 稲中卓球部』に出会って以来、ずっと古谷実作品を追い続けてきたという山田孝之さん。そんな中でも、とくにお気に入りなのが『シガテラ』だ。作品の面白さはいわずもがな、キャラクターへの愛も強いよう。

「古谷さんは女性の描き方がうまいですが、『シガテラ』に登場するヒロイン・南雲ゆみさんは……完成形ですよ。南雲さん、結構ダメな人なんですけど、すごく愛すべきキャラクターです」

 実は山田さん、20代前半のころは、ゲームやマンガ好きの“オタク”属性の友人が多かったのだとか。

「それで、『ドラゴンボール』の劇場版を3本くらい借りてきて8人くらいで上映会をやったり(笑)。そのときの友人たちは、マジで2Dに恋してたんです。僕は“さすがにそこまでは~”と冷ややかに見てたんですけど……『シガテラ』を読んで、南雲さんに恋しちゃった(笑)」

 まさかの2次元への恋の告白! さて、南雲さんのどこがツボだったのか?

「それを話し始めると、気持ち悪い話になっちゃうんですが、いいですか? まず、南雲さんが主人公の荻野の家に遊びに来るシーンがあるんです。荻野はものすごく緊張してるんだけど、南雲さんがふとしたときに荻野の言葉にズッコケて“ドタリ”と横たわる。そのあと、荻野に『…手を』と言って、起き上がるために助けを求めるんですね。その一言で、一気にやられてしまいました」

 微笑ましく、南雲さんの包容力が溢れるシーン。こちらは講談社漫画文庫版の2巻におさめられているので、胸キュンを体験したい人は必読だ。山田さんいわく、
「もう、古谷実め!」
 とつぶやきたくなる名シーンだそうです。

(取材・文=岡田芳枝 写真=川口宗道)
 

山田孝之

やまだ・たかゆき●1983年、鹿児島県生まれ。99年に俳優としてデビュー。昨年は『闇金ウシジマくん』『のぼうの城』『その夜の侍』『ミロクローゼ』などの映画に出演、第34回ヨコハマ映画祭助演男優賞をはじめ多くの賞に輝いた。今後、映画『土竜の唄』『MONSTER(仮)』が公開待機中。来年1月31日から初舞台『フル・モンティ』が上演予定。
ヘアメイク=灯(ROOSTER) スタイリング=窪田佳代子 衣装協力=トップス4万2000円、パンツ2万8350円(McQ Alexander McQueen/M inc TEL03-3498-6633)、ネックレス1万6800円(ハイドランジア マクロフィラ/ブルックワークス TEL042-593-0108)

 

シガテラ書影

紙『シガテラ』(全4巻)

古谷 実 講談社漫画文庫 各704円

冴えない高校生の荻野優介が、教習所で出会った美少女・南雲ゆみ。二人のラブコメ的な甘酸っぱい恋愛模様に、日常に潜む“毒”が絡まって……。『行け!稲中卓球部』でギャグマンガの可能性を広げ、さらに『ヒミズ』で新たな地平を拓いた奇才・古谷実が作り上げた、これまでにない異質の青春物語。

※山田孝之さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ9月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『凶悪』

原作/『凶悪 ─ある死刑囚の告発─』(新潮文庫) 監督/白石和彌 出演/山田孝之、ピエール瀧、池脇千鶴、リリー・フランキー 配給/日活 9月21日(土)全国ロードショー
●獄中の死刑囚・須藤(ピエール瀧)が告発した、ある殺人事件。真相を追う雑誌記者・藤井(山田孝之)が突きとめた、「先生」と呼ばれる首謀者・木村(リリー・フランキー)による“凶悪”な事件の全貌とは─。日本を震撼させたノンフィクションを原作に、現代社会と人間が抱える“闇”を明らかにする。
(c)2013「凶悪」製作委員会