Cover Model 松本 潤 2013年10月号

Cover Model 紹介

更新日:2013/9/30

Cover Model 松本 潤 2013年10月号

Cover Model 松本 潤
今は「泣ける」より「心が軽くなる」映画に

俳優・松本潤の最新映画が完成した。『陽だまりの彼女』。
脚本を読んでぜひ演じてみたいと思ったという。

「ラブストーリーに大事な要素としてのあたたかさみたいなものは
もちろん感じたんですけど、それだけじゃなくて。
読み終わった時、気持ちが軽くなる感覚があった。
自分がこの作品を映画館に観に行くとしたらと想像してみたんです。
エンドロールを観て、客席が明るくなって、劇場を出る。
その時に、心が、いや心だけじゃなくて体も、少し軽くなっている……
そんなイメージができた。
泣けるラブストーリーもいいと思うんですけど、
今このタイミングで僕がやりたいのは、こういう作品でした」

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平凡でちょっぴり冴えないサラリーマン・浩介(松本 潤)は、
仕事相手として10年ぶりに初恋の相手・真緒(上野樹里)と再会した。
聡明で美しい女性に変貌した真緒に急速に惹かれていく浩介。
だが彼女には誰にも言えない不思議な秘密があった――。
自由奔放な真緒と、やさしい浩介。二人の穏やかで愛あふれる日々がまぶしい。

「でも二人とも愛してるとかストレートな言葉は、
実は言っていないんですよ。
どこかで相手に〝ゆだねる〞という感覚なのかなとも思う。
真緒はドキッとするようなことを言ったり、大胆に行動する女の子だけど、
基本的には男の人に支えてほしいとか、
大事なところは言ってほしい、という古風なところがあって。
逆に、すごく受け身に見える浩介は、ただの優男ではないんですよ。
ある程度の方向性みたいなものを決めているのは実は浩介だったりする。
『陽だまりの彼女』っていうタイトルの通り、
彼女を照らして、彼女が居心地のいい陽だまりを作っているのは浩介なんです」

「秘密」も明かされた後の、物語終盤。
会社の同僚たちとの新年会のシーンで、表情を変えぬままに、
ポロリと涙を流す松本さんの姿が、いつまでも印象に残る。

「秘密と関係するので詳しくは言えないんですけど。
あれは感情的な涙ではなくて、浩介のなかの、ひとつの〝細胞〞だけが
反応して流れる……そんな涙でした」

そんな松本潤さんが選んだ本は——
『デヴィッド・ボウイ・イズ』
デヴィッド・ボウイ・イズ
ヴィクトリア・ブロークス、ジェフリー・マーシュ/著 野中モモ/訳
スペースシャワーブックス/発行 スペースシャワーネットワーク/発売 
6900円

日本でもその美しさと音楽性、『戦場のメリークリスマス』での演技で人気を獲得したデヴィッド・ボウイ。今年ロンドンで行われた大回顧展『デヴィッド・ボウイ・イズ』の図録の日本語版が登場(※松本さんは英語版を所持)。松本さんも「ぜひ見たかった」という山本寛斎デザインの衣装や世界初公開となる私物も必見。
「デヴィッド・ボウイのラフを見て、そこからちゃんと形になっていくことのすごさを感じたし、直感的に思ったことを書き留めておくのはすごく大事だな、と。ものを作ることのおもしろさを改めて感じました」(松本潤 談)