オレの嫁は枕のような抱き心地!”Dakimakura”はもはや世界共通だ!

アニメ

公開日:2013/10/2

 Otaku、Anime、Moe……。グローバル化したヲタ用語はいくつかあるが、今回我々は、新しい用語を発見した。

 それは、「Dakimakura」こと抱き枕! なんと英語版のWikipediaにも掲載されているほど、ポピュラー言葉として世界的に普及しているのである!

 抱き枕といえば、ヲタにとって単なる寝具の域を越えているアイテムだ。以前、こちらの記事(https://ddnavi.com/serial/141089/)でも紹介したように、抱き枕とは、三次元の女性にも勝る嫁なのである。


以前紹介したあるヲタと抱く枕とのデート風景。”嫁”なのだから、お外でご飯も当然

 ベッドで一緒に寝たり、ごはんを食べたりなんていう光景は、日本でしか見られないものと思っていないだろうか。そんなことはないのだ!
「Dakimakura」で検索をかけると、世界中の抱き枕を抱えた幸せそうな画像が見て取れるだろう。さらに、抱き枕専門の通販サイトがいくつも上がってくる。日本、香港、ドイツ、アメリカ……多くの国のサイトで抱き枕が販売されているのである。

 恐るべしクールジャパン! 恐るべし萌えの伝播力、恐るべし抱き枕の”嫁力”!! 抱き枕の魅力に国境はないのだ。

 そこで、グローバルな我々編集部は海外における抱き枕事情を調査することに! まずはその道の賢者、ヲタ用品を海外に輸出販売している、秋山聡さん(仮名)に、海外の抱き枕を事情を聞いてみた。


世界最大級の通販サイト、eBayで「Dakimakua」と検索するとこんなにたくさんのヒットが!

——いつごろから抱き枕を販売されているのですか?
秋山「2010年からです。ヲタ用品が売れているので、抱き枕もヒットするのではないかと思い取り扱ってみました」

——どこの地域から注文がくるのですか?
秋山「検索エンジンからのアクセスで、アメリカからの注文が一番多いのですが、アジアやオセアニア、ヨーロッパからもまんべんなく注文をいただいていますね。面白いことに、フィンランドからは少しだけ注文が多いのです。どうしてでしょうね」

——夏は白夜だが、逆に冬の夜はとても長いフィンランド。夜長のおともには……やはり嫁ですか!やはり男性が購入することが多い?
秋山「これもきちんと確認をとったわけではないのですが、名前から判断するとですね。男女半々で、若干男性が多いくらいですね」


Smudgebrowsさんには、9月上旬リヴァイ兵長がご到着

——なんと、海外の腐女子は二次元の婿を取ることに積極的であるという。では、どんなキャラが多いのだろうか?
秋山「そうですね、『NARUTO』なども売れていますが、注文のほとんどが、カスタム印刷(好きな画像を印刷できるセミオーダーのこと)です。
 日本のアニメキャラのなかでも古い作品が多いです。ほかにも海外のキャラ、自作のオリジナルキャラのこともあります」

——やはり嫁というからには、こだわりのポーズや衣装が多いのだろうか。
秋山「そうですね。抱くからには人型のキャラがいいようで、ロボット型などは、ありませんね」


アメリカ在住のAlexanderさん。乃木坂春香と一緒にホラー映画を鑑賞中

——それで、気になるのが、嫁や婿の露出具合なのだが……?
秋山「それは、日本と同じくらいか、それ以上かもしれません」

——日本以上とは!? そのあたりをもっと詳しくお願いします!!
秋山「ほぼ全裸の画像もありますね。あとおもしろいことに、男性キャラの裸姿もたまに注文がきます」

——生まれたままの嫁が拝めるとは! 世界の同志たちは恐るべし! しかも 海外には裸にうるさい国もあるという。それをワザワザ注文がする輩がいるとは、尋常ではないですね。
秋山「本当にそう思います。商品はそんなに安くはありませんし、第一海外への発送はそれなりに送料がかかります。でも、そこまでして手に入れたいものなのですよ、抱き枕を……いえ、嫁を」


ハンガリー在住のtheoさん。『黒子のバスケ』をテツと一緒に鑑賞中

——しかし、海外でも同じような二次元プリント抱き枕を販売しているサイトもあるようですが、わざわざ 日本のサイトで買う意味とはなんでしょうね。
秋山「品質がすごくいいと感想が来ます。プリントのクオリティーもそうですが、特に肌触りがいいそうです」

——確かに、ほおをスリスリすると、得も言われぬ幸福感に包まれるが、それは日本製だからなのか!
秋山「メイドインジャパンへの信頼はいただいておりますね」

——さすがメイドインジャパン! 海外からは、どれくらい注文がはいるのだろうか?
秋山「シーズンにもよりますが、クリスマス前が多いようです。多いときは、月に20本もの注文が入りました」

——クリスマスシーズンってことは、ギフト用ってことですか?
秋山「用途までは詳しく調べたわけではないのですが、買われた方の8割は、自分用に購入するようですよ」


アメリカヴァージニア州在住のMelissaさん。『Free!』の遙を手にご満悦

——なんと、海外のヲタもボッチなホリデーシーズンを過ごしているというのか!!
秋山「いや違うと思います。だって”嫁”が手元に届くのですから。ひとりではないと思っているのではないですか」

 いやまったくそのとおり! ホリデーシーズンだからこそ”嫁”こと家族で過ごそうと思うのはしごく当然のこと。  フィギア、コスプレ衣装、おっぱいマウスパット……。それにしても日本はなんてステキな発明品の多い国だろう。そしてそれらが世界へ普及していく様を見ると、どうやら二次元の嫁に、国境は関係ないのである!

 これからも我々は、世界の抱き枕をはじめ様々なヲタの生態を生温かく見守るつもりである。ボッチのキミも寂しくないぞ! 世界に同士がいるのだから!

 クールジャパンの関係者さん、輸出すべきアイテムや戦略を間違っていませんか?世界が望んでいるのは、二次元のお嫁さんですよ!

■そのほかの幸せそうな人々


Edさんのご友人に『デュラララ!!』の折原臨也をお貸し出し中。


フロリダ在住のBrandonさん。エヴァも大好きだそう。こう見えてもまだハイスクールに通っているらしい。


MaCaulayさんの嫁と。ラノベも書いているとのこと! 

(取材・文=武藤徉子)