女の子同士のキスが満載！甘く切ない秘密を描いたゆるふわ百合系漫画！

公開日：2013/11/13

　アニメ化が決定した作品の原作を紹介する「アニメ化原作レビュー」。今回は、2014年1月から冬アニメとして放送が予定されている『桜Trick』を紹介しよう。

　本作は、芳文社の『まんがタイムきらら』で連載中の漫画が原作となっており、単行本は現在、3巻まで刊行されている。可愛い女の子で埋め尽くされている各表紙には、その巻ごとのキャラクター達の距離や想いが詰め込まれており、読んだ後に再び表紙をみると、妙に納得してしまう。

＜ストーリー＞
　3年後に廃校になることが決定している女子高「美里西高校」に入学した、親友同士の「高山春香」と「園田優」。優のことが大好きな春香は、入学して早々、優が他の子たちと仲良くしていることに嫉妬してしまう。そんな春香に気付いた優は、ある提案をする。それは、「私たちは、他の娘たちとは絶対しないことをしようよ」というものだった。そんな優の提案に、春香は考えた末、「き、キス？」というとんでもない提案をする。最初は驚いていた優だったが、相思相愛だった2人はそこでキスをし、クラスメイトには“絶対にバレてはいけない秘密”を共有する特別な関係となった。

　そこから、この2人を中心とした、ほんわか女子高百合ライフが始まる――。

＜見どころ＞
　本作の見どころは、何といっても全編に表現された「百合」という危うい関係と「キスシーン」、この二つに尽きる。同性同士という、背徳感のある恋愛の形。そこには、秘密という甘さと切なさが付きまとう。過去に百合っぽさや百合要素を表現した日常系アニメは数多くあるが、これはその最終形にも近いかもしれない。

　春香と優だけでなく、その友人である「野田コトネ」と「南しずく」も、後々にキスを交わすことになる。コトネとしずくは幼馴染で、現在コトネはしずくの家に居候している。また、優の姉である「園田美月」も、妹と春香のキスシーンを見て以来、春香のことを妙に意識している。登場人物内で、これでもかと繰り広げられる女性だらけの絡み合う恋模様。「好き」という気持ちや「キス」したいという思春期的な欲求に戸惑いながらも、学生生活を謳歌するキャラクター達に癒される作品。

　そしてもう1つの見どころは、“まんがタイムきらら”らしい「ゆるさ」。『きんいろモザイク』や『ゆゆ式』など、数々の大ヒットアニメを生み出してきている“きららコミックス”。今回の桜Trickもまた、これら同様にふんわりとした日常系の内容となっている。特にこれといった大事件が起こるわけではないが、青春を謳歌する女子高生達の、誰にでもありそうで、やっぱりなさそうな日常風景を切り取った本作品。だからこそ入りやすく、安心して見られる。

　アニメでは、この『桜Trick』のふわふわとした淡い恋がどう描かれるのだろうか。原作を読んでいると、初っ端からにやにやしてしまいそうだ。百合好きな人はもちろんのこと、ゆるふわ系やラブコメが好きな人にもおすすめの作品。アニメ開始前に、ぜひとも読んでみよう！

　2014年冬の癒しアニメの大本命は、この『桜Trick』で間違いない！！

（文＝月乃雫）