『機巧少女は傷つかない』の公式MMDモデル「夜々」で○○○動画を作ってみた!

アニメ

公開日:2013/12/3

 皆さんはMMDという言葉はご存知だろうか?

 樋口M氏が開発した正式名、“MikuMikuDance”は、その名の通り、3D化された初音ミクなどのキャラクターを自分の手で気軽にダンスさせることが出来る無料の3DCGソフトウェアだ。

 2008年2月の配布からすでに4年以上が経ち、制作された動画はニコニコ動画やYouTubeにアップされ、「ゲーム実況」や「歌ってみた」などに並ぶほど、人気のジャンルになっている。


ニコニコ動画での検索結果が約150,000件の人気ぶり!(11月25日時点)

 また、このMMDを使ったアニメが、現在放送中の『てさぐれ!部活もの』であり、フリーソフトの枠を飛び越えて幅広く活用されているのだ。同じくMMDを使用した前作(直球表題ロボットアニメ)や前々作(gdgd妖精s)には、若干のフリーソフトっぽさが残っていたが、本作はほとんど違和感がないほど、高いクオリティーのアニメになっている。

 このように活況を呈し、毎日のように新しいモデルが登場しているMMDだが、ついにアニメ公式のモデルが配布された。それが『機巧少女は傷つかない』のヒロイン、夜々(やや)だ。

 この秋から放送中の『機巧少女は傷つかない』は、自動人形(オートマトン)を操る主人公・赤羽 雷真(あかばね らいしん)が、パートナーの自動人形・夜々を引き連れ、留学先のヴァルプルギス王立機巧学院で人形使いの頂点を目指す「夜会」を戦う、学園バトルエンタテインメント。


公式サイトの左にある赤いバナーからMMDモデルを入手可能。
アニメ放送終了までの期間限定なのでお早めに!

 主人公の雷真が操るのは、稀代の人形師・花柳斎硝子(かりゅうさい しょうこ)の手により作られた最高級人形の夜々。軍艦一隻と釣り合う価値のある花柳斎秘蔵の真作「雪月花三姉妹」の次女で、圧倒的な攻撃力と防御力を発揮する魔術回路・金剛力(こんごうりき)を有する。

 雷真が大好きな夜々は、ことあるごとに猛烈なアプローチをするが、そんな気持ちを知ってか知らでか、あまりつれない雷真。見ているこちらが切なくなるほど、健気で一途な夜々を愛おしく感じる読者も多いのではないだろうか?

 そんな可愛くて報われない夜々を先に紹介したMMDで自由に操るべく、公式サイトで配布されているモデルデータをダウンロードしてみた。

 まずは、樋口M氏のページからMikuMikuDanceの最新版をダウンロードして、展開。次に公式から入手したモデルデータの本体ファイルを起動したMMDにドラッグ&ドロップ。すると、画面の中に愛しの夜々が現れたではないか!!


愛しの夜々が手を広げて、待機中。
さて、何をしてもらおうか(ゲス顔)

 さっそく画面の中の夜々をいじってみたのだが、やはり他の方がアップしているようなカッコいいダンス動画を作りたい! と制作意欲に火がついた筆者はググること1時間。モデルの他にも動きをつける「モーション」や背景の「ステージ」、カメラを動かす「カメラワーク」など、個別もしくはセットとして配布されているようだ。

 これなら初心者MMDer(エムエムダー)の筆者でも何とかなりそうだと安心し、楽曲はこれにしよう、だったらステージはこれがいいかなと選んでいるだけでも何だか楽しい。特に自分が好きなキャラクターを動かすことが出来る!と考えると、フィギュアを愛でるに等しいぐらい喜びがある。

 格闘すること、さらに1時間。なんとか先人の知恵や技術をお借りして、ついに完成した動画がこちらである。


ステージは艦これの提督執務室。なぜか布団とダンボールが中央を占拠しているが……。
楽曲とモーションはお気に入りのHurly Burly(Perfume)を使用した。

 3Dを作る技術も動かす技術もない筆者でもたった数時間でPVのような動画が作れてしまった。これは正直ハマりそうだ。

 しかし、ニコニコ動画で「MMD」や「MikuMikuDance」を検索してみると、他の投稿者は本当に完成度の高い作品を投稿している。  ここまで来たら、さらにカッコいい作品を作ってみたいと考え、MMD界で有名なGたま(ネコ系)さんにこの夜々を使った動画を作ってもらうことにした。完全に他力本願である。

 それが下記の動画だ。楽曲はJunky氏によるメランコリックをユーロビートにアレンジした、MMD動画でよく見かける定番の楽曲のひとつだ。


【夜々】メランコリック EUROBEAT Ver.

 実際に動かしてみたからこそ分かる、完成度の高さに惚れ惚れしてしまう。特にカメラワークに四苦八苦した筆者からすれば、神の領域だ。

 さらにこの動画を制作いただいたGたまさんにMMDの魅力を聞いてみると、

Gたまさん:
「MMDは初心者でも簡単に扱える3Dアニメーションツールですが、と同時に様々な表現も可能なとても奥の深いツールでもあると思います。
 今回お借りした夜々のようなキャラクターモデルや様々なステージモデル、モーションデータやエフェクト等が有志によって配布されていて、PCとやる気さえあれば無料で手軽に3Dアニメが作れてしまうのがMMD最大の魅力だと思います。
 従来は高額なソフトとその使い方を熟知しないと満足に動かす事もままならず途中で挫折してしまった人も多いのではないでしょうか。
 私もそんな挫折組の1人ですがMMDではそんな事はありませんでした。
 とにかく扱いやすい!ネットでモデルデータとモーションデータをダウンロードすればすぐにダンスアニメーションが作れます!そのための情報も沢山公開されていますし書籍もあります。
今まで“MMDは見るだけで十分”と考えていた人も機会があればぜひ使ってみてください。
 最初は使い方覚えるまで少し戸惑うかもしれませんが誰だって最初から何でもうまく扱えるわけではありません。
 まずは自分のお気に入りのキャラクターモデルを眺めて楽しむだけでも十分なので是非体験してみてください」とのことだ。

 今回、MMDを使ってみて、ニコニコ動画が人気の理由の一端を知ることができたような気がする。これだけ完成度の高いソフトを“フリー”で提供し、さらに別のユーザーが楽曲や、背景、モーションを作る。いわゆる“ネットを介しての共同制作”であり、さらにそれに対してコメントがつくことで、投稿者も嬉しく、次なる創作意欲が沸いて、また新しい作品が誕生する好循環が生まれている。

 この新しい形の共同制作を楽しめるMMDを皆さんも始めてみてはいかがだろうか?

文=ぜかましたん

<スペシャルサンクス>
・『機巧少女は傷つかない』公式サイト
http://www.machine-doll.com/

・樋口M氏「VPVP」
http://www.geocities.jp/higuchuu4/

・モーション pikari(キンゴサンガP)氏
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20605729

・ステージ youkan氏
http://www.geocities.jp/teiyosan_hp/mmd/

・Gたま(ネコ系)さん Twitter
https://twitter.com/G_tama