『攻殻機動隊 ARISE border:2 Ghost Wispers』先行上映会レポート!

アニメ部

2013/11/28


 いよいよ11月30日から劇場公開となる『攻殻機動隊 ARISE border:2 Ghost Wispers』。4部構成の第2話、お馴染み公安9課のメンバーも揃って、佳境に入ってきた『攻殻 ARISE』の見どころを、先日TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて行われた完成披露上映会でお聞きした、スタッフ&キャストのコメントも交えてお伝えしよう!

【ここが見どころ:その1 アクションがすげ~~~!】
 いやもう、とにかく序盤からアクションに次ぐアクションのつるべ撃ち。カーチェイス(バイク・車&ヘリ)、肉弾戦、銃撃戦、VSロボット戦車にロジコマ大活躍と、観たいもの全部観せますと言わんばかりの大盤振る舞い。舞台挨拶に同席した、今作の製作総指揮であり、Production I.G 社長の石川光久氏自ら「I.G史上ベストアクション!」と豪語するほど。

 思えば、押井守監督がI.Gで手がけた『機動警察パトレイバー 2 the Movie』がジェームズ・キャメロン&シュワちゃんの『トゥルーライズ』に多大な影響を与えたり(オマージュとも言う)、同じく押井作品である初代『攻殻』が『マトリックス』以降のサイバーパンク映画史に消えない刻印を押した様に、明らかにI.G作品は当時の世界水準…というか最先端だった。その後、日本のアニメと海外の映像作品は相互に影響を与え合ってきたが、今回の『border:2』で、再びトップに立った、世界を引き離しにかかったという手応えを、今回の石川社長の強気のコメントから感じる事が出来た!

【ここが見どころ:その2 次世代I.Gを担うスタッフに注目!】
 その原動力となったのが、黄瀬和哉総監督の元『border:2』各話監督を任された、竹内敦志氏。メカデザイナーを目指しアニメーションの世界に入るも、メカ&作画にとどまらない多彩な才能を発揮。『パトレイバー2』以降の押井作品ではレイアウト(場面設計)も担当。08年、アニメ版『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』のテレビシリーズに監督として参加した際には、ジョージ・ルーカスもその才能に惚れ込んだという。

 今回、竹内監督がこだわったのは、ロジコマがビルからビルへとワイヤーアクションで飛び回る「立体機動」。石川社長によると「みなさん、これは『スパイダーマン』のパクリではないんです(笑)」と。実は、このロジコマがワイヤーで立体機動するギミック、竹内監督が95年公開の押井監督版『GHOST IN THE SHELL』にメカデザイナーとして参加した際に、原作に登場する多脚戦車フチコマの機能として(押井監督から頼まれてもいないのに!)組み込んでいたのだそう。ご存知の通り、実際に完成した『GHOST IN THE SHELL』ではフチコマは影も形も見えず、当時の竹内監督の「くやし~!」という思いが今回の大活躍に結実したとの事! これはぜひとも劇場でチェックして欲しい。

【ここが見どころ:その3 ついに実現、9課対9課!】
 さらに、『border:2』で「攻殻」ファン一番の見どころと言えるのが、ついに実現する「9課対9課」! 荒巻課長から与えられたミッションを果たすべく、素子は陸軍警察の近接戦闘の達人・パズと、海兵隊所属でギャンブル狂いのエーススナイパー・サイトーをリクルート。対するは、かつての上司ソガ大佐の汚名を晴らすべく政府に牙をむく一味。そのメンバーは、「眠らない眼」を持つ元レンジャーのバトー。同じく元レンジャーのボーマ、そして元陸軍情報部の凄腕ハッカー・イシカワ。9課対9課のガチンコ勝負、正にこれは夢のカードだ!

 バトー役の松田健一郎さんは、この作品に参加する以前から「攻殻」シリーズの大ファン。あまりに思い入れがありすぎて「本当にこれでいいのか」と、マイクの前に立つまで役作りに悩んだのだそう。そんな苦悩っぷりも、またバトーらしい? 今回も、超人素子に翻弄される律儀なバトーの魅力が全開なので、そこのところもファンにとっては萌えポイントだ。
 逆に、サイトー役の中國卓郎さんは「難しい電脳用語は、素子役の坂本真綾さん他みなさんにまかせて、僕は条件次第でどっちにもつく調子のいいサイトーを楽しんで演じました」と伸び伸びトーク。各キャラのイメージにぴったりなキャスト陣に、3話以降の期待もふくらみます!

【ここが見どころ:その4 原点に帰ったストーリーライン】
 そして、そもそも今回なぜ「9課対9課」というスーパーカードが実現したのかと言えば、黄瀬総監督が放った「とりあえず2話で9課のメンツを集めなきゃ!」というムチャ振りから。それに見事応え、緊迫感のあるドラマを構築したのが、シリーズ構成・脚本の冲方丁氏。本業は、ご存知の通りベストセラーを連発する小説家だが、出世作となったSF小説『マルドゥック・スクランブル』をアニメ化した劇場版3部作では自ら脚本も担当。今回の『攻殻機動隊 ARISE』でも、電脳戦&現実世界でのバトルを見事に融合する事に成功した。

 そうして出来上がったのが、これぞ「攻殻!」というサイバーパンク作品。「偽造された記憶」や「自ら意思を持ったAI」など、劇場版1作目を思わせるモチーフがそこかしこに登場するところも、原点に立ち戻ったイメージだ。また、今回の敵であるソガ大佐が犯罪にいたる動機が「海外派兵された元軍人の日本という国に対する復讐」であるところも、押井監督の『パトレイバー2』を思わせる。サイバーパンクでありながら、ポリティカル・フィクション。『攻殻』のみならずI.G作品の集大成とも言えるのが、この第2話だ。

【3話はさらにすごい……らしいぞ!】
 と、見どころ満載の『border:2』だが、石川社長によると『border:3』は、さらに凄いものになるという。一般のお客さんは『2』もこれからだというのに、このフライング発言。居合わせたスタッフ&キャストも苦笑しながら、それでも手応え満点な様子。次は、いよいよトグザも合流か!? いやいや焦っても仕方がない。まずは、今週末から公開の『攻殻機動隊 ARISE border:2 Ghost Wispers』を、しっかり観てくれたまえ!

『攻殻機動隊 ARISE border:2 Ghost Wispers』

・スタッフ
原作:士郎正宗
総監督・キャラクターデザイン :黄瀬和哉
監督:竹内敦志
シリーズ構成・脚本:冲方丁
音楽:コーネリアス
メカニックデザイン:柳瀬敬之
3DCGI:オレンジ
3DCG監督:井野元英二
美術 – Banboo
美術監督:竹田悠介、益城貴昌
アニメーション制作: Production I.G
製作:「攻殻機動隊ARISE」製作委員会
配給:東宝映像事業部

・キャスト
草薙素子:坂本真綾
荒巻大輔:塾一久
バトー:松田健一郎
イシカワ:檀臣幸
サイトー:中國卓郎
パズ:上田燿司
ボーマ:中井和哉
ロジコマ:沢城みゆき

公式HP:http://www.kokaku-a.jp/

(c)士郎正宗・Production I.G / 講談社・「攻殻機動隊ARISE」製作委員

(文=柳井洋二)