運命に抗うために戦う。2014冬アニメ『魔法戦争』に注目しよう!

アニメ

公開日:2013/12/16

 2014年1月から放送される新アニメ『魔法戦争』。並行世界で繰り広げられる少年少女たちの熱き魔法バトルと人間ドラマが見所の現代・本格魔法アクションだ。


 今回は、MF文庫Jから出版されているその原作小説『魔法戦争』の魅力の一部をご紹介します。

1.魔法戦争とは
 崩壊世界と呼ばれる世界にあるもう一つの東京で繰り広げられる魔法使いたちの争い。それが魔法戦争だ。魔法使いによる魔法使いのための現存世界の再構築を掲げる集団<ゴーストトレイラー>と、普通の人間との共存を訴える<ウィザードブレス>を筆頭とした魔法使いのコミュニティの連合が、日夜、覇権を賭けた争いを繰り広げている。現存世界への戦いの被害を抑えるため、魔法使いは崩壊世界でのみ魔法の戦闘を許されており、現存世界で魔法攻撃を与えると魔力を喪失する制約が課されている。

 そのため普通の人間は魔法使いの存在や戦争の事実を知らず、主人公・七瀬武もまたありふれた日々を送っていた。しかし、<ゴーストトレイラー>の魔法使いに追われる少女・相羽六を助けたことから、彼も戦いに巻き込まれることとなる。平凡な日常が一転して刺激的な非日常に変わっていく展開が心躍らせる。

2.魔法使いの目覚め
 七瀬武は、剣道の有段者である他は、これといって特徴のない普通の男子高校生。<ゴーストトレイラー>の魔法使いに襲われていた相羽六の窮地を救ったことがきっかけとなり、彼も魔法使いとして目覚める。魔法使いとなったことで戦う力を得るが、<ゴーストトレイラー>の魔法使い狩りに狙われてしまう。目的のためなら手段を問わない<ゴーストトレイラー>は、敵対する魔法使いを洗脳し、下僕とする非道な行為を平然と行っていた。相羽六の兄・相羽十も洗脳を受け、記憶を改竄された上で<ゴーストトレイラー>の陣営に加わっていたのだった。

 兄を取り戻すため、たった一人で活動する相羽六の兄妹愛に打たれ、また自身の境遇とも重ね合わせ、七瀬武も手を貸す決意をする。さらには幼馴染の五十島くるみ、友人の伊田一三まで次々と魔法使いとして目覚め、次第に運命を共にするかけがえのない仲間となっていく姿に胸が熱くなる。

3.魔法戦争と恋の戦争
 相羽六と並ぶヒロインが幼馴染の五十島くるみだ。亜麻色の髪の誰もが認める美少女で、幼い頃から周囲の男性にしつこく交際を迫られ続け、ついにはストーカー被害に遭い、男性不信になってしまった可哀想な少女である。やや感情の起伏が激しくキツい性格で、天然で親しみやすい相羽六とは、まさに対照的なツンデレ。

 寄ってくる男を遠ざけるため、七瀬武と偽の恋人関係にあるのだが、密かに執着する七瀬武への依存心は、もはやヤンデレと言っても過言ではない。七瀬武と急激に距離を縮める相羽六に対し、激しく燃え盛る嫉妬の炎は、見ているだけでハラハラせずにはいられない。ある意味、魔法使い達の戦争よりも恐ろしい、この三角関係の修羅場が作品の醍醐味でもある。

4.すばる魔法学院
 魔法使いとなった七瀬武たちは、すばる魔法学院へと入学する。<ウィザードブレス>が運営する教育機関であり、戦争状態の崩壊世界にあって中立を保たれた、唯一の安全地帯である。新米魔法使いである七瀬武たちは、相羽六ともクラスメイトとなって、それぞれの身に宿った固有の系統魔法や魔法使いの杖である化身(アスペクト)の使い方を学んでいくこととなる。

 学生寮での新しい暮らしや、魔法が巻き起こすドタバタな学園生活の風景が微笑ましい。

 しかし、戦争の影響は七瀬武たちに平穏を許さない。相羽十を洗脳から解き放つため、仲間を守るため、安全な学院をみずから飛び出して戦場へと赴いて行く。

 魔法使いとしては未熟な彼らが、戦いの中で自分たちの可能性を見出していく成長ぶりに注目だ。

魔法戦争

『魔法戦争』公式サイト
http://www.tbs.co.jp/anime/mahosen/

MF文庫J『魔法戦争』特設サイト
http://bc.mediafactory.jp/bunkoj/mahousensou/

<おすすめライトノベル>
魔法の使えない落ちこぼれ主人公が巻き込まれる魔法使いのサバイバルバトル→『放課後の魔法戦争』(電撃文庫)


異能を持つ少年少女たちが、それぞれの願いをかけて戦い合う学園異能バトル・ラブコメ→『やがて魔剱のアリスベル』(電撃文庫)


天才魔術師の少年と召喚された最強女子高生が繰り広げる異世界バトルファンタジー→『扉の魔術師の召喚契約<アドヴェント・ゲート>』(HJ文庫)


文:愛咲優詩(ラノベ365日