アニメ&アニソン好きに人気のタワレコアニメアカウント担当者に直撃!

アニメ

公開日:2014/1/2

 硬軟さまざまある企業の公式Twitterアカウント。その中でもアニメやアニソンに関する情報の早さ、充実度で人気が高く、6万近いフォロワーを集めるのがタワーレコード アニメアカウント (@TOWER_Anime)です。

 そのツイート内容を見ると、タワーレコードらしいアニソンのリリース情報だけでなく、まったくCDに関係ないオタク情報もチラホラ……はたしてどんな人が呟いているのか? 気になった筆者が本社に伺ってみました。


▲こちらがタワーレコード アニメアカウントの“中の人”古波藏誠さん

――まずタワーレコードさんとTwitterアカウントについて伺いします。あのアカウントはどういった経緯で始まったのでしょうか?

古波藏:開設は確か2011年の2月ですね。その前にビジュアル系やアイドルといった、弊社で特化ジャンルと呼ばれているもののアカウントを運用するという話が出てて。一番最初にK-POPが始まり、それにクラシックやアニメが続きました。そのころの僕はアニメ担当ではなく、グッズの制作や入荷数を決める部署にいたのですが、アニメ好きというのは社内で認知されていて。そこでアニメのアカウントを始める段階で、「ちょっと古波藏くんも参加してよ」と誘われました。元々のアニメ好きに加え、個人的にTwitterもやっていたので、結局は僕がメインでつぶやいていましたね。

――アニメが好きなTwitter利用者のツボは心得ていたんですね。

古波藏:タワーレコードってアニメファンに対しての取り組みをずっとしているんですけど、どうしてもアニメ専門店さんに比べるとその取り組みや熱量が伝わりづらくって。そこで社内的にまずくない範囲で、アニメの実況をしたり聖地巡礼をしたりとかやってアプローチしてみよう、と。元々自分が個人のTwitterでやっていたことですけどね(笑)

――タワレコさんもアニメファン向けに色々されていますよね。

広報:2009年に新宿店がショップインショップの形でアニメコーナーを拡大したのが始まりです。当時はまだ、近隣にアニメ商材を扱うお店がなかったということもあり、タワーレコードらしく、音楽的な視点でレコメンドしたCDがほかのジャンルの新譜などと一緒に並べたところ、アニメファンの方だけでなく幅広い層のお客様が試聴してくださったり、店内放送で流れているのを聴いて「これいいね」と買っていってくださったりといった反応が出始めて。昨年のリニューアルのタイミングで10Fから7Fにコーナーを移し、タワーレコードでも最大規模のアニメコーナーを展開しています。規模感は異なりますが、今では全店でアニメコーナーを作っています。そうした流れもあり、10月末に「TOWERanime(タワーアニメ)」というアニメやアニソンの専門店を、TOWERminiの併設店舗として茨城県つくば市にオープンしました。


▲タワーアニメの1号店はつくばにオープン。アニソンのCDはもちろん、同人CDや映像作品、書籍といったアニメファン向けのアイテムがギッシリ

古波藏:元々タワーレコードは商品のレコメンドに力を入れていて、それをアニソンにも流用しているのは強みでしょうね。今、流行っているものよりは、ちゃんと音楽を聴いて、推したいものを推しています。

――ツイートする内容に基準はあるのでしょうか?

古波藏:新譜リリース情報や弊社のオリジナル特典に関する情報がメインではありますが、それだけだと味気ないのでキャストやアニメ化決定の情報もツイートしています。あとはリアルタイムでアニメの実況をしたりとか。

――ちなみに今はどれくらいツイートしていますか?

古波藏:最近は忙しかったので頻度が落ちていますが、一週間で100~200くらいはツイートしていますね。

――公式アカウントとしては多いですよね。

古波藏:そうですね。ツイート数だけで言ったら弊社の公式アカウントでも断トツなのは間違いないですね。

――これは平日でしたが、先日の佐藤聡美さんのデビューイベントに行かれていました。

古波藏:趣味丸出し感があるのは否めないですね。今だと伊瀬茉莉也さんとかも好きなんですが、佐藤聡美さんは大好きでイベントも何回か普通に参加させていただいてます。


▲タワレコのこれからのプッシュ作品は、2014年1月8日発売される上坂すみれさんのデビューアルバム『革命的ブロードウェイ主義者同盟』。このブロマイドやクリアファイルといったオリジナル特典や、インストアイベントも開催される予定だ

――Twitterではユーザーと直接やりとりすることもあると思いますが、今まで2年半やってきて思い出深いことはありますか?

古波藏:面白かったことだと、新宿店の明和電気さんの話ですね。新宿店で明和電気というアーティストの商品に付けた手描きコメントカードに、竹内電気さんという別のバンドの名前を間違えて書いてしまったんです。それをファンが「誤字があります」とTwitterで報告してきてくださって。それがなぜか新宿店のアカウントではなく、タワーアニメアカウントに報告が来て(笑)。たぶん一番アクティブにツイートしていたからなんでしょうけど。もちろんすぐにコメントの修正をしたのですが、そこから明和電気さんや竹内電気さん自身もTwitterで絡んできて、最終的に「なんか一緒にやりましょう!」となり、明和電機さんと竹内電気さんが新宿店でジョイントイベントをやったんです。最初はクレームから始まったのに、最終的には大団円でした。

――アニメ関連では?

古波藏:あとは、アニメ関連だと勝手に聖地巡礼をしてアップした写真に、アニメ公式のスタッフが絡んでくださったこともありました。『つり球』で江ノ島に行って呟いていたら、『つり球』公式アカウントが「今タワレコさんが回っています」と呟かれたり、複製原画展に寄ったら作画監督の方が解説されたりとか。

――続いて中の人である古波藏さんについて伺います。タワーレコードに入社してどれくらいでしょうか?

古波藏:2000年入社なので13年目ですね。元々は店舗にいたのですが、数年前にアクセサリー(グッズ)担当として本社に移動してきて。

――今はアニメ担当一本ですか?

古波藏:基本的にはそうですね。弊社の場合、受注権限を持っている店とそうでない店舗があるのですが、後者でアニメ関係の商品の受注数はすべて私が決めています。

――なるほど。そういう鼻を利くようにするために普段からアニメを追いかけていると思うのですが、どんな作品が好きですか?

古波藏:自分は39歳で、もちろん年齢的には『エヴァ』は通っていますが、僕はそんなにハマってはいなくて。’90年代だと『ナデシコ』とか、ゲーム、アニメ含めて『サクラ大戦』とか。

――その年代の男性だとロボットものとか好きそうですが。

古波藏:『ガンダム』は普通に観ていました。でも僕は『ダグラム』が一番好きなんです。ほかにも『マクロス』より『オーガス』が好きで、曲線系のロボットが好きなんですよね。最初にハマったのは、ニュータイプの『ファイブスター物語』や福袋目当てで買っていた(笑)コンプティークの『ロードス島戦記』で。あとは女性向け作品も好きで、『うたプリ』は最初のゲームからプレイしていました。

――かなり幅広く楽しんでいるんですね。アニメなら何でもお好きですか?

古波藏:そうです。テレビアニメも大作映画も、アニメ特撮問わずひと通り観ます。ただ出身が地方で、いわゆるテレビ東京系列が映らない地域だったんですよ。

 Twitterプロフィールに「アニメマニアのタワレコ・スタッフ」とある通り、本当に年季の入ったオタクだった古波藏さん。次回はそんな彼のオタク歴、そしてタワレコスタッフらしく2013年のアニソンについて伺ってみます!

(文=はるのおと)