大東駿介「この映画に出たことで、あらためて故郷の良さを感じることができました」

あの人と本の話 and more

更新日:2014/5/2

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、間もなく公開される映画『ねこにみかん』に出演している大東駿介さん。撮影を通じて感じた故郷の良さ、そして子どもの頃に衝撃を受けたある一冊のマンガについて話してくれました。

 映画『ねこにみかん』の舞台となっているのは、みかんで有名な和歌山県有田川町だ。一面に広がる自然に囲まれて撮影をしているうちに、大東さんも自分にも故郷があることを改めて幸せに感じたという。

「僕は完全に故郷と距離を置こうと思った人間なんです。というのも、あまりにも地元愛が強すぎて(笑)。上京するまで旅行で地元を離れることすらほとんどなかったほどでした。でも、一方で役者になりたいという強い夢もあったから、いつかはここを離れなくちゃいけないという想いもあって。10代の頃はずっとその葛藤ばかりでしたね」

 そして19歳の時に一大決心して上京。それからは、けじめとしてあえて地元に足を運ばないようにしていたそうだ。

「でも、この映画に出てから考え方が変わったんです。久々に同窓会にも出席しましたし。そうしたらいろんな発見がありました。昔は地元の仲間と同じ学校に通って、同じレールの上を走っていたのに、大人になるにつれて、それぞれの行き先がバラバラになっていくでしょ。でも、久しぶりに再会してみると、やっぱりずっと同じ空気感を持っている仲間たちなんだなっていうのが分かって。それが嬉しかったですね」

 ちなみに、そんな彼が子どもの頃に大好きだったのがマンガ。なかでも小3の時に読んだ『うしおととら』では大きな衝撃を受けたという。

「『うしおととら』は初めてどハマりしたマンガでした。週刊少年サンデーで連載をしていて、一見すると子ども受けするアクションヒーローモノなんですけど、描いていることは人間の愚かさだったり、社会批判だったりして。そうした内容が怖くって泣きながら読んでた記憶がありますね」

「僕が好きなマンガって、ちょっと裏を感じちゃう作品が多いんですよ(笑)」と大東さん。「描写はカワイイくせに、描いてることはドロドロだったりするものが多い。『惡の華』も『うしおととら』もそうですよね。こうした作品に出会うたびに、“マンガって侮れねぇなぁ……”って、しみじみ思うんですよね(笑)」

(取材・文=倉田モトキ 写真=山口宏之)

大東駿介

だいとう・しゅんすけ●1986年大阪府生まれ。俳優。2005年ドラマ『野ブタ。をプロデュース』で俳優デビュー後、数々のドラマ、映画、舞台にて活躍。09年には連続テレビ小説『ウェルかめ』でヒロインの夫役を務めた。今後の出演作に映画『白ゆき姫殺人事件』、『俺たちの明日』、『女子ーズ』など公開待機作多数。
ヘアメイク=佐藤健行 スタイリスト=石橋修一 衣装協力=シャツ3万7800円、パンツ5万6700円(すべてヨウジヤマモト/ヨウジヤマモト プレスルーム☎03-5463-1500)

 

『惡の華』書影

紙『惡の華』(1〜10巻)

押見修造 講談社週マガKC 各429円(税別)

ボードレールを愛し、自分の殻に閉じこもっていた中学生の春日高男は、ある日、後ろの席の仲村佐和に弱みを握られ、彼女の意のままに動かされることで、やがて自我を解放させていく。最新10巻では、仲村さんと連絡を絶ち、再び平穏な生活を送ってきた高男が、過去の自分と向き合うために彼女に会いに行く決意をする。

大東駿介さんの本にまつわる詳しいエピソードは
ダ・ヴィンチ4月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

映画『ねこにみかん』

監督・脚本/戸田彬弘 脚本/上原三由紀 出演/黒川芽以、大東駿介、竹下かおり、隆 大介ほか 配給/ユナイテッド エンタテインメント 3月22日(土)より全国ロードショー
●婚約者を紹介するため、実家に帰省した智弘。しかし父1人に対し、3人の母と3人の弟妹が一緒に暮らす家庭環境に恋人の真知子は驚愕する。彼らの生活は均衡を保っていたように見えた。が、よそ者である真知子が異を唱えたことで少しずつ綻び始めていく。
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