『魔法戦争』 佐藤雄三監督インタビュー!【オタクの社会科見学】

アニメ部

2014/4/2

これまでアニメに関する色々な会社を訪ねてきた当連載。しかし肝心のアニメを作っている制作会社には行っていなかった!

この重大な事実に気づいてしまった編集部は、これまで『ちはやふる』や『サマーウォーズ』を制作し、現在『魔法戦争』や『ダイヤのA』などを手がけているアニメ制作会社のマッドハウスさんに伺ってみました。


▲『魔法戦争』監督の佐藤雄三さん。これまで『劇場版HUNTER×HUNTER~緋色の幻影~』や『逆境無頼カイジ』の監督も務めています。


▲今回メインでインタビューに答えてくれた宣伝担当の武井風太さん。彼とアシスタントの三田朋美さんが、ふたりでマッドハウスさんの宣伝を行っています。

――まず、現在放送されている『魔法戦争』について伺います。佐藤監督がこの作品を手がけることになった経緯を教えてください。

佐藤:ご依頼を受けて、お引き受けすることになりました。ラノベ作品をやったことがなかったので、そこに興味がありましたね。


▲現在8巻まで刊行されている『魔法戦争』。コミック版も3巻まで発売されています。

――ちなみにこうしたアニメのスタッフというのはどうやって決まるのでしょうか?

武井:メインスタッフはプロデューサーなどが候補を出して、メーカーと協議を重ねます。逆にメーカーさんから候補が出る場合もありますけどね。

――ではプロデューサーは、アニメ制作においてかなり重要なポジションですね。

武井:アニメって監督で判断されることも多いですが、プロデューサーやその下で働くデスクによっても相当作品の色が変わると思います。弊社の場合、プロデューサーは若い人が多いほうだと思うのですが……『魔法戦争』のプロデューサーも若いですね。

――佐藤監督を起用した意図は?

武井:佐藤監督に関しては、弊社のブランドを作ってきた方のひとりで本当に信頼を置いています。そこで今後色々なジャンルに挑戦してほしいという思いもあって、お名前を挙げたと聞いています。

――原作を読んでの印象はどうでしたか?

佐藤:依頼された時点では、魔法少女ものと説明を受けていました。でも原作を読むとイメージと全然違ってドアクションものでしたね。

――『魔法戦争』制作にあたって、大切にされていることは?

佐藤:原作には非常に多くの要素が散りばめられており、1クールのアニメで表現できる情報量とのバランスを取るのが難しかったですね。アニメなりにまとめる案もありましたが、「できるだけ原作の流れに忠実に」というオーダーもあったので、そこは意識しました。

――『魔法戦争』の見どころを教えてください。

佐藤:魔法アクションバトルを中心に色んな要素が盛りだくさんです。興味をもたれた方は、原作も合わせて楽しんでくださいませ。

武井:かなり動き回っている作品ですので、アクションは特に観てほしいです。






――では『魔法戦争』で好きなキャラクターは?

佐藤:主人公達はややこしいのも含めてみんな好きですが……伊田の妹の双葉は一押しですかね。伊田が鼻の下伸ばすのがわかるくらいかわいいですよ。

武井:私は伊田で。あの間が抜けた感じがいいですね。ああいうムードメーカーは好きです。では、この後すぐに作業があるそうなので、佐藤監督はこの辺りで。

――はい、ありがとうございました。『魔法戦争』と言えば次回予告も評判ですね。

武井:ありがとうございます(笑)。

――なぜ、ああいう内容になったのでしょうか?

武井:あれは設定制作の三浦彗さんが自由に作っています。本編にあれだけ力を入れてるのに映像が観えていないという(笑)。作品によってはこうして予告で遊ぶこともありますし、提供バックで遊んだりしていますね。

――では、そんな御社が作られた経緯を教えてください。

武井:1972年設立で、42年目を迎えた老舗ですね。元々虫プロダクションで『あしたのジョー』や『国松さまのお通りだい』を作っていた班の人間が集まって作った会社です。創設メンバーには丸山正雄や出崎統、杉野昭夫、波多正美、おおだ靖夫、森 柾(真崎守)といった人がいます。ちなみにりんたろう監督が創設メンバーと書かれていることがありますが、これは間違いです。

――わかりました。

武井:そういったクリエイティブ系の人が多い会社だったので、商売が下手で(笑)。全然、自社ライツのアニメがなかったんです。そのころからの流れもあって、今もアクションを描くのが強いと言われることがありますね。


▲社内に掲示されていたレジェンドな人々。マッドハウスは数多くの有名監督やアニメーターを輩出しています。

――確かにマッドハウスというとアクションアニメが多い印象はあります。

武井:女の子よりは男の子を描くのが多いと思われがちですけど、『カードキャプターさくら』を作っていますし、テレビシリーズ、OVA、劇場版、何でもやっていますよ。『魔法戦争』でもライトノベル原作を手がけていますしね。

――なるほど。では御社の事業内容を教えてください。

武井:アニメーションを制作しています。もちろんアフレコは音響スタジオなどでやっていますがそれ以外の作業、下の工程表で言う薄緑と青の箇所は社内でやっています。弊社の4階にあるマッドボックスという子会社で仕上げから撮影、編集までできるので、この2社で多くの作業をこなせます。もちろん作品によって、作業を外部の会社にお願いすることはありますね。


――アニメを観ていると“○○製作委員会”という部分に制作会社が名を連ねている場合もあります。あれはどういった意味なのでしょうか?

武井:作品に出資していると、製作委員会に入ることになります。ただ関わり方はケースバイケースです。

――アニメ制作以外の事業は?

武井:3月29日に阿佐ヶ谷MADHOUSEというお店を出すことになりました。これは阿佐ヶ谷アニメストリートというプロジェクトの一環なのですが、このお店ではグッズ販売と特別展示をする予定です。最初は『ダイヤのA』や、オリジナル作品というところでいうと『獣兵衛忍風帖』の新作といった、作品を前面に出す予定です。弊社はライツ事業に力を入れていきたいので、特に後者のような作品をプッシュしていくのは大きなチャレンジです。


今回のお話はここまで! 次回はアニメ制作で大きな役割を担うアニメーターさんに関することを中心に、より深い話を聞いてみます。アニメ制作会社で働くことを志望する人は必見ですよ!

取材・文=はるのおと

魔法戦争


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