在京アニメファンを支えるTOKYO MXに、気になること全部聞いてみた!

アニメ部

2014/6/7

東京に住むアニメ好きの多くがお世話になっているであろうテレビチャンネル・TOKYO MX。筆者もそのうちのひとりなのですが、東京に住んでいないアニメ好きにその魅力をひとことで説明すると、「とにかく放送しているアニメが多い!」に尽きます。
例えば、以下の番組表を観て頂けるとわかりますが、無料放送にもかかわらず、平日休日問わず夕方から夜中までアニメを放送しているのです。
 

▲ピンク色部分がアニメ。アニメ以外にも、アニメ情報番組なども充実しています。

なぜこんなアニメファン歓喜の極端な編成なのか、気になった編集部はTOKYO MXに取材を行い、TOKYO MXに開局時から関わり、現在はアニメ事業部長である尾山仁康さんに、気になることを聞いてみました!


◆キー局のアニメ編成を見合わせてアニメにさらに注力

――まずTOKYO MXがアニメに本格的に取り組み始めた経緯を教えてください。

尾山:TOKYO MXは1995年11月1日に開局したのですが、2006年ごろに東京在キー局のアニメ番組が少なくなった時期がありました。ただ弊社はそれまで『アルプスの少女ハイジ』や『タッチ』など名作を放送していて、そうした作品はコストのわりに視聴率を比較的に取りやすいということがわかってました。それで2006年10月から会社に提案し、アニメ編成に注力し始めました。

――具体的には?

尾山:まず平日の夕方、その時間に在宅している人達向けに『プリキュア』シリーズの放送を始めました。さらに『5時に夢中』(TOKYO MXの看板的な情報バラエティ)を挟んで、子供がチャンネル権を持っているであろう20時まで、アニメ番組を放送しています。こうした編成を長く続けたことで、徐々に「夕方は9チャンネルで名作アニメを観る」という視聴習慣ができてきたと思います。

――夜に関してはいかがでしょう?

尾山:新作を含め、アニメ番組はみんなが起きている時間に生で観てほしいので、特に22時から25時くらいまで集中して放送しています。SNSやTwitterなどを見ているとアニメの実況が凄まじいです。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

――実況もアニメの文化としてすっかり定着した感もあります。また、みんなが起きている時間ということに加えて、TOKYO MXが全国で最速放送している作品が多いという理由もありそうです。

尾山:以前はキー局が先に放送する、というのもありました。しかしアニメに限らずバラエティなどでも、テレビ界では「東京で流行らないと地方でも流行らない」という定説があります。それでアニメ作品の場合は東京ではTOKYO MX、そして関西の地上波、名古屋地上波、さらに全国向けにBS局というスキームが定着してきているのではと思います。それで東京では、弊社が優先的に最初に放送するという風に協力体制を頂いていますね。


◆練られた番組編成が生み出した『進撃の巨人』のヒット

――ただ関西が先行する例外もありますね。

尾山:たとえば『進撃の巨人』は関西が先でした。ただ弊社は日曜の23時30分から放送して、アニメ番組を観る人以外にも観てもらうという狙いでした。在宅率が高く、セットインユースが上昇比例している時間帯ですので、日ごろアニメ番組を見ないかたにも見てもらった層が増えたことで成功したと思います。
 

――そうした編成はいつごろから決めているのでしょうか。

尾山:新作アニメについては1年前から打ち合わせをしています。そして、いつどの時間帯で放送すればひとりでも多くのかたがたに観てもらうことができるのか。編成部と一緒にじっくり考え、プログラムを組んでいます。

――夕方には『ニルスのふしぎな旅』や『破裏拳ポリマー』など意外な古いアニメも再放送されています。放送するアニメはどのように検討されているのでしょうか。

尾山:まず弊社としては、再放送というニュアンスではなく、子供も大人もいつ観ても楽しめる、素晴らしい名作と位置づけています。子供のころに夢中で観た作品を、改めて大人も子供と一緒にテレビの前で観る姿を想定しています。このようなことを、社内で定期的にアニメ委員会を開催し、議論の場を設けて検討しています。

――そのアニメ委員会とはどんなものでしょう?

尾山:2006年に作られた社内の勉強会です。細野邦彦取締役のもと、MBSの丸山博雄さんや、現在活躍されているテレビ局の著名なかた、出版社のかた、スポンサーのかたを講師として招聘し、おもにアニメ作品と営業、視聴率について勉強しています。

――今期、好調な作品は?

尾山:『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』や『ラブライブ!』、『ブレクブレイド』、『メカクシティアクターズ』です。アニメ情報番組『月刊ブシロードTV』も面白いですね。また、長く続けているア『ドラゴンボール』と『ガンダム』の時間帯も強いです。
 

――アニメの神様枠ですね。

尾山:名作中の名作『ドラゴンボール』と『ガンダム』シリーズを次世代にも伝えていきたいという思いがここにあります。


◆アニメ事業部を中心に、TOKYO MXがアニメを作る……?

――4月に新設されたアニメ事業部について教えてください。

尾山:1クールに新作が20以上もあるなかで、スポンサー、出版社や制作会社、広告会社とより密にコミュニケーションをとれるよう、アニメに特化した部署を新設しました。またこれまでTOKYO MXはアニメから恩恵を受けてきたので、その恩返しをしたいという思いもあります。

――これまではほかの業務をしつつ携わっていた人員が、アニメに特化するということですか。

尾山:そうです。私はこれまで営業部長でしたが、これからはアニメに集中して取り組めるよう頑張っていきます。1日1冊は、アニメの原作や関連図書を読むよう心がけていますし、ゲームに夢中になっている子供の顔を覗き込むなど、毎日が勉強です。

――アニメ事業部の目標は?

尾山:将来的にはTOKYO MXでも『ドラえもん』のような、誰にでも愛される作品を作ってみたいです。

――アニメ制作以外に何か取り組みたいことはありますか?

尾山:「TOKYO MXアニメ祭り」をやりたいです。弊社で放送しているアニメ番組と、そしてそこで活躍している声優のかたがた、監督やスタッフを招聘し、アニメファンに満足していただけるようなイベントを実施したいです。

――最後に読者にひとことお願いします。

尾山:TOKYO MXのホームページや番組表を観ていただければ、たくさんのアニメがどんどん放送されているのがわかると思います。何かアニメを観たければ、ぜひ9チャンネルに合わせてください。

話を聞く限り、TOKYO MXは会社をあげてこれまで以上にアニメに注力していく模様。いちアニメファンとしては「今でも追い切れないくらいの作品が放送されているのに」とうれしい悲鳴をあげてしまうほど!? 何はともあれ、今後も東京都民のアニメライフを幅広く支えてくれるよう、期待です!

取材・文=はるのおと

<取材協力>
・TOKYO MX アニメポータル!
http://s.mxtv.jp/anime_portal/

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