ニコニコ動画で人気の「RAB(リアルアキバボーイズ)」は震えるほどに“ガチヲタ”だった!【後編】

アニメ

公開日:2014/9/27

リアルアキバボーイズ

 2014年9月某日、秋葉原のとあるスタジオで行われた「RAB」の独占インタビュー。先日アップした前編では、けいたん、マロン、ムラトミの3名に話を伺った。今回の後半では、あつき、ドラゴンの2名にヲタ遍歴を大いに語ってもらうと共に、「RAB」が見据える未来についても話を聞いた。

涼宮あつき


彼の名前は「涼宮あつき」。名前からも好きな作品がすぐに連想される…。

――ご自身の中で、ヲタになったきっかけはいつ頃だと思いますか?

 アニメを好きになったのは小学生くらいのときだったと思いますね。作品としてはいわゆる王道の『ドラゴンボール』や『るろうに剣心』など、みんなが好きなアニメを観ていました。ヲタっぽい作品を見始めたのはその後、たぶん小学4年生くらいのときだったと思います。

――どういった作品をご覧になっていんですか?

 兄の後ろに四六時中くっついているような子どもだったんですけど、その影響で見始めたのは『セイバーマリオネットJ』ですね。アニメはハマりはじめたのも、その作品がきっかけだったと思います。
 続けて『まもって守護月天!』が好きになり、少年ガンガンも自分で買い始めるようになりました。当時は、『御意見無用っ!!』や『里見☆八犬伝』にもハマっていましたね。

――小学生でハマり始めたあと、中学生になってからはいかがでしたか?

 ちょうどダンスを始めると共に、いったんアニメから離れたんです。そして、高校へ進んでからふたたび、17才くらいのときに『涼宮ハルヒの憂鬱』に出会いました。活動名が「涼宮あつき」なんですが、まさしくその名前から取っています(笑)
 ハマった理由は、主人公・涼宮ハルヒの生き様そのものに惚れました。世の中ってアニメのようなことなんてほとんど起きないし、退屈だと思うんです。でも、その退屈に抗うかのごとく、破天荒に突き進むハルヒを見て、純粋に「カッコいい!」と思うようになりのめり込んでいきましたね。

――ハルヒはある意味、あつきさんの「憧れ」なんですね。

 自分の中で「ハルヒになりたい!」という一心で、当時は破天荒なことがしたいという思いが急激に強くなっていったんです。ちょうどその頃、静岡に住んでいたんですけど、何を思ったか急に秋葉原までヒッチハイクで旅しました(笑)
 さらに秋葉原へ着いてからは都内で一ヶ月ほど、ホームレス生活をしていたときもありました。

――ハルヒになりたい一心で、ホームレスになるという発想がスゴいですね(笑)

 そうですね。また、違った作品に影響を受けたときもありました。『涼宮ハルヒの憂鬱』にハマってからしばらくして、一時期、親のすねかじり生活していた時期があって……。その頃、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』に出会ったんです。そこで感銘を受けたのは、じんたんですね。観ているうちにふと「あ、こいつオレだわ!」って思ったんです(笑)
 同時期にやっていた『電波女と青春男』も、登場人物が社会復帰するみたいな作品だと思うんですけど、それらと出会ったからこそ「働きはじめよう」と思えたんです。今思えば必然というか、運命だったと思いますね。

――人生とアニメがところどころで結びついている気がします。他にハマった作品はありますか?

 ちょっと年代がさかのぼりますけど、2009年頃は『らき☆すた』が好きで、『らき☆すた in 武道館 〜あなたのためだから〜』に参加しました。そのときは、まさか福原香織さんとお仕事をご一緒するなんてまったく考えていませんでした。
 そこでぜひとも伝えておきたいエピソードがあるんですよ。じつは、ライブDVDの28分28秒に、客席で最高潮に盛り上がっている僕がバッチリと映っているのでチェックしてみて下さい(笑)

ドラゴン


ある一人の声優への思いを熱く語ったドラゴン。果たしてその声優とは?

――ご自身の幼少期から伺ってもよろしいですか?

 はい。他のみんなともいっしょですが、小学生のときは『ドラゴンボール』や『スラムダンク』などを観ていました。ただ、中学生になってからは、まわりの友だちがみんなアニメを見なくなっていったんですよ。それでも僕は、『美少女戦士セーラームーン』を観ていたり、ガンダムが好きだったのでプラモデルを作っていたり、ミニ四駆を作ったりもしていましたね。

――その後、ハマった作品はどんなものでしたか?

 ちょうど中学生のときに『ときめきメモリアル』が流行ったんですよ。その影響で、ギャルゲー全盛の流れから『センチメンタルグラフィティ』にハマりました。自分で絵も描いていたのもあってか、ビジュアルがキレイですごく斬新だなと感じていました。
 その作品を好きな友だちと「誰がタイプ?」とか話しているうちに、もっとのめり込むようになって、ラジオも聴くようになりました。それまでまったくラジオを聴くという習慣がなかったんですが、次第に、声優さんの魅力へ気づくようになったんです。
 それからは声優さんの演技や声そのものに注目しながら、アニメもよりいっそう観るようになっていきましたね。

――ドラゴンさんは好きな声優さんはいたんですか?

 今でも憧れているんですが、中原麻衣さんに惹かれはじめました。当時、中原さんのファンクラブができるという情報があったんです。正式にファンクラブがスタートする1ヶ月ほど前、プレエントリーみたいなときに「会員番号1番」を狙うために、即効で申し込みました(笑)
 ただ、結局200番台になってしまったんですけど、ダンスで忙しい中でも、時間の許す限りにファンクラブ限定イベントへ足を運ぶようにもなっていましたね。じつは中原さんと電話したこともあるんです!
 ファンクラブで『中原さんと電話できる権利』みたいなイベントがあって、応募したら当たったんです。そのとき話したことも鮮明に覚えていますよ。じつはちょうどスランプ(ダンス)に陥った時期があったんです。そのとき中原さんのライブへ参加して元気づけられたことがあり、お礼を言ったんです。電話越しに中原さんへ「ありがとうございました」と伝えたのは、今でも忘れられないですね。

――中原さんはまさに人生の恩人でもあるんですね。

 本当に、そうだと思います。また、仕事での移動中に、偶然にも中原さんと遭遇したこともあるんです。今思えば、運命だったんじゃないかと!
 たまたま前の席に中原さんが座ったときがあって、ちょうどその日が自分の誕生日だったんですよ。でも、自分の中でルールがあるんです。「後ろから声をかけてはいけない」というルールですね。中原さんが駅で降りる瞬間を見て、あくまでもそのとき偶然に気付いたフリをしながら、正面から「中原麻衣さんですか?」と声をかけました(笑)

――ちなみに、中原さんのベストキャラは誰だと思いますか?

 うーん、そうですね。よくいわれるのは『CLANNAD』の古河渚であったり、『ひぐらしのなく頃に』の竜宮レナですけど、個人的に、それではさすがに王道過ぎると感じているんですよね。
 だから、僕があえて選ぶとしたら『舞-HiME』の主人公・鴇羽舞衣ですね。ちゃんとした理由もあるんですよ。20話でめちゃくちゃ激怒したシーンがあったんです。「あんたがやったんじゃない!」とキレる瞬間があって、そこだけでも数えきれないほど見直しました。振り返れば、あのセリフがあったからこそ、中原さんがひぐらしの配役を射止めたんじゃないかとも思っています。
 自分がダンスを…(さらに話は続いたが、残念ながらカット)。

 さて、前編と後編の二度に分けて、RABそれぞれのメンバーに潜む熱い思いを伺ってきた。アニメに思いを馳せる仲間同士がダンスを通じて知り合い、現在では「福原香織とRAB」での活動などを通して、アニメ界の一端を担う存在となった。

 インタビューの最後、メンバー同士でRABとしての思いや今後を語り合ってもらったが、「アニメの一部になれているという実感がすごい気持ちいい」というコメントが、強く印象に残った。過去にはアニメを応援する立場であったものの、今、アニソンでブレイクダンスを踊るユニットとして、アニメファンからの人気も高まっている。2年前にメンバー同士で綴った「『JAPAN EXPO』に出たい」という寄せ書きでの思いも、今年、2014年7月に叶えた。

 そして、今後は「アニメのオープニングに関わりたい」という願いもあるようだが、彼らなら必ずや実現することだろう。よりいっそう羽ばたき続けるRABから、今後も目が離せそうにない。

<RAB(リアルアキバボーイズ)>
◎リアルアキバボーイズ
http://abstreem.co.jp/RAB/

◎RAB@リアルアキバボーイズ on Twitter
https://twitter.com/RAB_CREW

◎福原香織とRAB
http://avex.jp/FandRAB/

取材・文・撮影=カネコシュウヘイ