「山本希望」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/9

山本希望

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第33回となる今回は、先日発表されたTVアニメ『アブソリュート・デュオ』のユリエ・シグトゥーナ役や、『大図書館の羊飼い』の御園千莉役などを演じる山本希望さんです。

――昨年は「50の質問(声優の輪)」にもご登場、ありがとうございました! 佐倉綾音さんに「本気のデートプランを考えてください(笑)」と宿題を投げていただきましたが、「アニメイト→カラオケ→お肉→我が家」というお返事がありましたね。

山本:そのプラン、いいですよね! すごーく私の心をワシづかみにするプランでした(笑)。

――しかも、行った先々で山本さんを“じっくり眺める”という…。

山本:ハハハ! だから私の心を掴んでいるんですね(笑)。あやねるは、私のことよく分かってますね(笑)。

――最近のTwitterを拝見していると、趣味がますます広がっているようで。

山本:そうなんです〜。最近はとても活動的になっています(笑)。以前は、休日はお家にいてゴロゴロするのが好きだったのですが、最近は外に出るようになりましたね。映画を観に行ったり、プールに行ったり…。以前は泳げなかったのに、クロールが15M泳げるようになったんですよ! 他にも料理はもともと好きだったのですが、お皿や盛りつけにこだわってTwitterに載せたり、豆苗を育て始めたのをきっかけに、トマトとかミントとかブルーベリーの栽培にも挑戦したりしています。


――すごい! ご飯が楽しくなりそうですね。

山本:はい。ベランダなのですが、いろんな植物があるので“のじょ菜園”って呼んでいます(笑)。ミントを使ったカクテルを作るのも好きなんですよ。モヒートとか。

――お酒は強いほうですか?

山本:そんなに強くはないです。普段は1杯飲むくらいだし、多くても3杯くらいです。カクテルを作り始めたのは、周りにいる人たちの影響が大きいですね。打ち上げとか現場の飲み会で、たとえば焼酎を語られている方とか、お酒に詳しい方が多くて。私も、語れるまではいかなくても知識がほしいなって。そんな軽~い気持ちから、カクテルが作れたらカッコいいなと(笑)。カクテルのスターターセットというのを買ったら、シェイカーと計量カップとスプーンが付いてきて、本も買いまして。でも、よく考えてみたらグラスやお酒も必要で…。ジンとラムとカンパリと、あと、ラムにもダークとかホワイトとかあるし…もう! どうしよう! って(笑)。

小さな頃から、25歳から26歳になることに大きな変化を感じていたんです。そのあたりが、大人になる過程というか…。私のなかでは、映画のDVDを観ながらお酒を飲むっていうのが最高にオトナなイメージなんですよ(笑)。で、映画に合うカクテルを本の中から選んで、「じゃあこれ作ろう! あーしまった、このリキュールがない!」って翌日買いに行ったりしていたら、お酒の数がすごいことに(笑)。

――最近はどんなカクテルを?

山本:『ハングオーバー!(映画)』に合わせたカクテルとか。私のイメージだとビールだったんですが、それだとカクテルではないのでミントビアーを作りました! カクテルって色合いや味が全然違って、作るのが本当に楽しいんです。

――バーに行ってグラスを傾けることも?

山本:あります! バーって、「甘いのが飲みたいです」って伝えるとオリジナルカクテルを作ってくれたりするんですよね。どういうアイデアで、何を使ったのかと聞いて、家で再現したりします。私が知っているバーは、お願いするとジャグリングをしてくれるんですよ! マトリョーシカみたいに大きさの違うシェイカーを使って、いちばん大きいシェイカーを回したりして、すごいんですよ。

――“のじょさん”のオリジナルカクテルなんて、いいですね…。

山本:じつは、私が演じたキャラクターに合ったカクテルができたらいいなあって考えているんです。それを、ファンの方に飲んでいただける機会があったら、この趣味を続けて良かったって思えるんじゃないかなって。


――最近は、アメコミ映画にもハマっているそうですね。きっかけは…?

山本:去年の冬ごろ、内田真礼ちゃんの家に遊びに行ったのがきっかけです。真礼ちゃんはもともとアメコミ映画が大好きで、おしゃべりしながらサイレントで流していた映画が『アベンジャーズ』で。サイレントなのに妙に迫力があって、カッコいいアクションに惹かれちゃって。「何の映画?」って聞いたら、「『アベンジャーズ』といって、アイアンマンとキャプテン・アメリカとハルクとマイティ・ソーが集結してるんだよっ」って。「じゃあ、それを全部観てからじゃないと楽しめないってこと?」って聞いたら、「そう!」って言われて。「え、じゃあ流さないで! 私、観るから!」って(笑)。本当に全部観たんですけど、最高に面白くて(笑)。

アメコミって気持ちがスカッとするから、お仕事終わりに気軽に観れるところもいいし、お芝居の勉強にもなるんです。まずは字幕で観て、その表情とセリフのニュアンスを「私だったらどう演じるかな?」って考えて、吹き替えでその答え合わせをしたりとか。

――ちなみに、ヒーローと悪役、どっち派ですか?

山本:私はヒーロー派です! ヒーローの真っすぐさとか、いいことしてるのに人々には悪く思われて苦悩しているところとか、そういうのがカッコいいなあと思って。たとえば、キャプテン・アメリカは、愛国心と正義の心で戦っている真っすぐなヒーローですが、仲間が死んでしまって辛い思いをしているのに体質的に酔えず、ウワーッ!ってなっているところがたまらなく渋くて(笑)! キャプテン・アメリカは、私のなかでは“萌えキャラ”になってます(笑)。

――なんだか生活が一変していますね(笑)。

山本:そうなんです。一日一日を充実させたいなと思ってはいたものの、もっと大変だと思っていたんです。でも、意外にすんなりとできていて。今は、朝起きたら、歯を磨くのと同じように、植物にお水をあげるっていうのが日課で。泳ぐことや映画を観ることも、生活のなかで切り貼りしています。


――では次に、山本さんが今まで演じた役についても伺います! 今でも思い出深いのは、どんな作品ですか?

山本:初レギュラーの『UN-GO』は、今でもタイトルを聞いただけで緊張が走るくらい、印象に残っています。メインキャラクターとして初めてアフレコをした作品なので、もう本当に緊張して、大変でした! 共演の豊崎愛生さんや三木眞一郎さんが優しく見守ってくださって。マイクの使い方とか、やっぱり現場だと養成所で練習したこととは全く違って、皆さんから教わりました。「先輩のマイクの邪魔はできない!」と思いながら(笑)。毎回、細かく指導してくださる音響監督に「はい! わかりました! やってみます!」と答えつつ、私なりに頭をフル回転させながら試行錯誤していました。アフレコを重ねるごとに、だんだん現場の空気感や、自分の役との向き合い方に慣れてきて。緊張はしていたものの、私も作品づくりの一員なんだっていう自覚も芽生えてきて。

――ひとりで悩むこともありましたか?

山本:はい。じつは、自分が情けなくて、涙したこともありました。でも、皆さんに迷惑をかけちゃうから現場では絶対に泣かないぞって決めていたので、帰り道で…。今では、海勝梨江ちゃん(『UN-GO』の登場人物)に出会えたから今の自分があると思っています。この頃から、自分が情けなくなるような演技はしない、誇れる自分になりたいっていうことをポリシーにしているので、私の中で、とても大切なキャラクターです。

――『僕は友達が少ない』の楠幸村役は二期まで演じられましたね。

山本:オーディションで初めて受かった作品です。アニメのほかにも、ゲームやイベント、歌といろんなことに挑戦させていただきました。フィギュアもあって、いろんなところで幸村を見掛けるのは嬉しかったです。ひとりで喋るラジオも初めてでした! 現場の皆さんも優しくて。今でも、伊藤かな恵さんや井上麻里奈さんとは一緒にご飯を食べに行くこともあります。私の勝手な偏見で、先輩ってもっと恐いものだと思っていたのですが(笑)。全然そんなことなくて、先輩だからこそ色々相談できますし、教えてもらえますし、時には厳しくして頂いて、安心できる存在です。

――『げんしけん 二代目』の荻上千佳役も印象的でした!

山本:この作品は、正直プレッシャーもありました。げんしけんの会長役ですし、なにしろ二代目なので(笑)。みんなをまとめようっていう気持ちと、二代目の荻上千佳として認められたいっていう気持ちが渦巻いて。でも、自分自身が『げんしけん』のファンとして、作品を追い掛けてきたからこそ出せるものがある、という気持ちを希望に変えて…。この作品に出られたことが、2013年夏の最高の思い出でした。毎週配信していたニコ生の最終回は、号泣でしたね(笑)。オンエアとニコ生がほぼ同時に最終回を迎えて、ホッとしたのと同時に寂しくて…。本当にいい出会いでしたし、素晴らしい人生のメモリーとして心の中に残っている作品です。


――作品ごとに、どんどん思い出が増えていきますね。

山本:そうなんです。私、いま青春してるなって思うんです。学生時代はあんまり浮いた話がなかったので(笑)、お仕事を始めてから、いろんな作品やキャラクターと共に青春してるなって感じがして。人としても成長している感じがします。学生時代はいろんなものに触れる機会がなかったんです。私自身、鎖国状態だったというか…(笑)。

――どんな状態ですか?

山本:もう、誰も近寄らせなかった感じです(笑)。それだと自分も楽しくなかったはずなのに、私にはアニメがあればいい、あと夢があればいいって変な肩肘を張っていて。今は、そんな過去の自分がかわいらしいなって思います(笑)。今ここに『バック・トゥ・ザ・フフューチャー』のデロリアンがあったら、「どうした、おまえ?」って突っ込みにいきたいくらい(笑)。もっと心を広く持ってもいいんだよって。でも、中学校の頃にはありがちなことかもしれません。そのときに、将来の夢は声優しかないって思っていたから、声優になって、今こうして青春を楽しむことができているんだと思います。

――そんな青春時代を楽しみながら、これからどんな声優を目指したいですか?

山本:私、声優としてはいろんなことをさせて頂いているほうだと思うんです。お芝居はもちろんのこと、歌も踊りもラジオも、あとは動物園に連れて行ってもらったり乗馬をしてみたり。最近だと『みならいディーバ』っていう生放送で、モーションキャプチャーで自分の動きをキャラクターに反映させながら演じるっていうお仕事もしていて、本当に声優の枠を超えていろんな事をしているなって思うんです。これからもこのスタンスを変えずに、もっと挑戦を重ねて、お芝居に還元していきたいなって。


――だから、いろんなことを体験されているのですね。

山本:はい。どんなことがあっても、私がいちばん好きなのは、キャラクターを演じることなんです。日常で体験する楽しい出来事も、巡り巡って、キャラクターに反映されればいいなって。私を媒介にして、吸収した栄養が愛情に変わり、キャラクターへと届けられていく…っていう感じかな(笑)。それが私なりの、キャラクターへの愛ですね。

――では最後に、記事を読んでくれた方にメッセージをお願いします!

山本:最近、自分でもびっくりするくらい「私っていっぱいいるな」って思うんですよ。キャラクターも幅広く演じさせていただいていますし、イベントやラジオでは、ご一緒した方や内容によって出てくるものが違いますし。山本希望っていう人間を、ひとつのエンターテイメントとして皆さんにお届けできるように、もっと視野を広げていきたいです。いろんな味がするよーって(笑)。最終的には、私の演じるキャラクターを観て、私自身を見て、みなさんが笑顔になってくれたらって思います。声優として、それがいちばん嬉しいことだと思っています。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

山本希望

山本希望(ヴィムス)
http://www.vims.co.jp/talentprofile_detail.php?id=12

山本希望 on Twitter
https://twitter.com/nojomiy

山本希望オフィシャルブログ「*のぞみ観察*」
http://ameblo.jp/hopeblog/

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「アブソリュート・デュオ」
http://absoluteduo.com/
ユリエ=シグトゥーナ役

「アンジュ・ヴィエルジュ」
緑の世界 マユカ役
アンジュ・ヴィエルジュを応援するユニット”L.I.N.K.s”としても活動中

「暁のヨナ」
アオ(プッキュー)役
2014年10月より、TOKYO MX他にて放送中

「大図書館の羊飼い」
御園千莉役
2014年10月より、TOKYO MX他にて放送中

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(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀