「潘めぐみ」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2014/11/21

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第40回となる今回は、TVアニメ『HUNTER×HUNTER』のゴン=フリークス役、『ハピネスチャージプリキュア!』の白雪ひめ/キュアプリンセス役などを演じる潘めぐみさんです。


――声優を目指したきっかけは?

潘:声優である母の影響で、4歳や5歳のころから“声優”というお仕事があることは知っていましたが、自分の気持ちが動いて声優に憧れるようになったのは、小学校低学年のときに読んだ『HUNTER×HUNTER』がきっかけでした。友だちの家に遊びにいったときに『週刊少年ジャンプ』を見つけて、偶然開いたページが『HUNTER×HUNTER』の連載スタート第一話のカラーページだったんです。少年漫画を読むのは初めてで、本当にドキドキワクワクしたし、少女漫画より男の子たちがカッコいいなとか(笑)、憧れがいっぱい詰まっていて。しばらくしてアニメ化されたので、それを毎週チェックして、当時出演されていた声優さんたちにまず憧れました。

――どんなところに憧れましたか?

潘:大人の女性が少年役を演じていたりして、なってみたいと望むものに本当になれてしまう職業なんだなって感動しました。それから、その声優さんたちが出ているラジオを聴いたり、キャラクターソングやドラマCDをチェックしたり、ミュージカルを観たりして。アニメだけでなく、吹き替えとかナレーションとか、いろいろな声の表現があることは知っていましたけど、こんなに幅広く活動しているんだっていうことを知って、ますます憧れましたね。

――これまでに、実写や舞台など幅広く出演されていますね!

潘:大学1年生のとき、お芝居の勉強をしていきたいなと思って、ある雑誌で一般公募していたオーディションを受けたのがきっかけでした。映画のオーディションだったんですけど、それも本当にたまたま受かって。ご縁とタイミングが折り重なって映画や舞台など、いろいろな経験をさせていただきました。


――3年前から、声の仕事をスタートしましたね。

潘:声優への想いが15年の時を経て、『HUNTER×HUNTER』のオーディションの話をいただいたときは本当に嬉しくて。最初は、ゴン=フリークス役のオーディションではあるけれど、違う役に割り当てられるためのものであって、最初は、ゴを演じられるとは思っていなかったんですよ。だけど、オーディションを受ける瞬間だけは、ゴンになろうと思って。作品への思い入れが強すぎて、ゴン役をいただいたときは、嬉しさとともに、寂しさと悲しさがありました。

――寂しさと悲しさ?

潘:自分たちが観てきたゴンが他の誰かになってしまうことに対して、複雑な心境でしたね。しかも、続きのストーリーではなく、もう一度最初から演じるということだったので。好きだったからこそ、当時の『HUNTER×HUNTER』の思い出を壊したくないという想いと、自分でも演じてみたいという気持ちの両方がありました。

――その複雑な想いは、自分のなかで消化できましたか?

潘:以前の『HUNTER×HUNTER』があったから、今があるんだと思うようになりました。自分に決まったからには全力でやらなきゃ失礼だなという気持ちのほうが強くなって。リスペクトの念もこめて、16年前があったから、今こうして私の演じるゴンが生きているんです! って、胸を張って言いたいと思いました。

――実写や舞台のお芝居と違うな、と感じたことは?

潘:最初は、自分の体も表情も出せなくて、キャラクターを通してすべてを表現していくことがすごく難しくて。どんなに自分が笑っても泣いても怒っても、表情を声に乗っていなければ伝えることができないだなと。だから、役者として大切なことって、ふだんの生活のなかに常にあるんだなってことを、あらためて学びました。美味しかったもの、楽しかったこと、キレイだと感じたこと、その全部がお芝居の糧になる職業だなってすごく思って、それ以来、日々の感覚や感情を大切にするようになりました。


――声の演技にハマる瞬間など、感じたことはありますか?

潘:喜怒哀楽が激しいゴンは、叫ぶシーンとか、笑うシーンが多くて。だけど、はじめは笑うことがなかなか難しくて。日常でも普通にしていることなのに、演技で笑い続けると、腹筋も体力も使うし、動いたりして声以外の無駄な音を出しちゃいけないし。でも、現場で吸収できることを全部吸収しようと思っていたから、演じていくうちに、こんな風かなって腑に落ちた瞬間があって、そのときは、すごくしっくりきました。

――その後、声優としてターニングポイントになった作品は?

潘:『ハピネスチャージプリキュア!』は外せませんね。『HUNTER×HUNTER』は、私の人生でいうと声の仕事で初めてのオーディションでしたけど、『プリキュア』のキュアプリンセス役は、今までもオーディションを受けたいと思っていたのになかなか受けられなくて、ようやく受けたオーディションで初めていただいた役でした。そのときは、「思い続けていれば願いが叶う。プリキュアになれる!」って思いました。プリキュアに変身する前の白雪ひめちゃんって、私たちと何ら変わりない日常生活を送っている女の子なんですよね。でも、その女の子がプリキュアになるところに、観てくれる女の子たちが共感してくれるんじゃないかと思っていて。自分自身の気持ちを重ねてしまいました。

――最近の作品で、印象に残っているものは?

潘:先日まで放送されていた『残響のテロル』です。3ヶ月という短い間でしたし、全11話で、どうやってこの壮大なストーリーが展開していくんだろう…と常に緊張感を持ちながら収録していたんです。ナイン役の石川界人さんと、ツエルブ役の斉藤壮馬さん、リサ役の種﨑敦美さんとご一緒させていただくのは初めてだったのですが、歳も近くて、ずっとみんなでいるようなメンバーというか…。プライベートのこととか、作品のこととか、お芝居のこととか、いつまでも話せるような面子だったんですよ。それが、すごく幸せな時間で。作品はシリアスで考えさせられる内容でしたけど、現場はあったかくて楽しくって。柴崎役の咲野俊介さんが、私が初めて踏んだ舞台で共演させていただいた方だったことも、心強かったです。

――ハイヴ役は、今までの潘さんが演じた役とは、ちょっと違ったタイプでしたね。

潘:はい。ハイヴは、正義か悪かと大きく2つに分けると、ストーリー上は悪役にもとらえらる。彼女のなかにはいろんな想いがありますが、立場的には。今まで演じた役とは違ったので、演じていてすごく楽しかったです。


――吹き替えで印象に残っている作品は?

潘:『キャリー』という映画のキャリー・ホワイト役です。スティーヴン・キングの原作で、約30年前に初代キャリーを母が演じていたものを、リバイバルで私が演じさせていただきました。リバイバルでは、母がキャリーのお母さん役を演じていました。クロエ・グレース・モレッツという女優さんの声を、以前『モールス』という映画でも吹き替えさせていただいていて、そのご縁もありました。それから、クロエちゃんが来日したときに、親子で対談させていただいたんですよ! すごくいい思い出ですし、母に親孝行ができているとしたら、すごく幸せなことだなって。ストーリー自体はホラーなんですけど、ホラーのなかに、人間の隠れ持つ怖さが描かれていて…。特別な作品です。…特別な作品ばっかりですね(笑)。

――ゲームでも、人気作品がいくつもありますね。いちばんの思い出は?

潘:『ラスト オブ アス』という、ノーティードッグという有名なゲーム会社が作ったゲームで、もともと海外での期待がすごく高かった作品です。いざその世界に飛び込んでみると、期待以上の世界観がありました。退廃した世界にウイルスが放たれて、ゾンビを撃ち倒していくアクションゲーム的な要素もありますが、どちらかというと人間ドラマが印象的なんです。山寺宏一さんが演じるジョエルと、私が演じるエリーという女の子は、他人なんですけど親子のような関係性で、親子以上の絆があって。まるで映画のように絵も音楽も美しくて、ぜひみなさんにもプレイして頂きたい作品です。

――では、最近プライベートでいちばん楽しかったことは?

潘:楽しかったこと…いっぱいあるなぁ。プライベートといっても結局仕事につながるんですけれども、プリキュアのミュージカルショーを観に行ったことです。客席で、子どもたちと一緒にステージを観て、子どもたちが全身でプリキュアを応援している姿とか、親御さんたちも一緒になって拳を握りしめている姿を見て、テレビの前でもこんな風に応援してくれているのかなって。子ども達がまっすぐに叫んでいる姿にグッときてしまいました。


――これから、どんな声優を目指したいですか?

潘:いろんな役を演じさせていただいていますが、極悪非道人を演じてみたいっていうひとつの目標があります! ふだんも、悪役に感情移入してしまうことが多くて。でも、感情移入することができないくらい、本当に憎い、あいつを倒したい! って感じるくらいの悪役をやってみたいです! そのなかで、主人公も演じたい…って欲張りなんですけど(笑)。

あとは、もっとお芝居のなかで遊べるようになりたいです。最近、“遊ぶ”のと“ふざける”のは違うんだなと思っていて。ただ騒ぐのではなく、共演しているみなさんがフフッて笑っちゃうような遊びができるといいなって。例えば、テレビの画面を観ずにキッチンで料理を作っていたら、たまたまテレビから聴こえた声にハッと振り返ってもらえるような、そんなお芝居ができる役者さんになりたいです。

――最後に、記事を読んでくれた方にメッセージをお願いします!

潘:私は、毎日の生活をちゃんと生きることを大切にしています。楽しいこともあれば、そうじゃないこともあって、両面があるからこそ毎日が楽しく、幸せだって感じられるんだよって、そんなことを作品を通じて伝えていけたらなと思っています。「はじめまして」の方も、そうでない方も、「潘めぐみ、こんな作品に出ているんだ」と興味を持っていただけたら。一度でも、お目にかかれる機会があれば嬉しいなと思います。これからもよろしくお願いいたします!


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

潘めぐみ

・潘めぐみ(アトミックモンキー)
http://www.atomicmonkey.jp/jp/amprofile/han.html

・潘めぐみ on Twitter
https://twitter.com/han_meg_han

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀