「山谷祥生」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2015/2/5


これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第49回となる今回は、TVアニメ「一週間フレンズ。」の長谷祐樹役や「暗殺教室」の杉野友人役、「みりたり!」の矢野宗平役などを演じる山谷祥生さんです。

――大学生の時、一念発起して声優を目指す道へ進んだのですよね。そのときの決意ってどんなものでしたか?

山谷:僕は宮城県仙台の出身なんですが、大学1年生の冬休みに震災があって。大学でも地割れなどがあって通えなくなり、しばらく考える時間があった時に、自分が本当に目指したいものを見つめ直すことができたんです。自分がそれまでの人生で強く執着していたものは声優なんじゃないかと。

――それまでにも、声優になりたい気持ちはあったと。

山谷:憧れはあったんですが、声優の道は険しいって聞いていたので勝手にあきらめていたんです。声優になることも、その道で食べていくのも難しく、それこそ人気声優になれる人は限られた数で。でも、一度きりの人生だから一回は本気で目指してみようと。その後1週間のうちに学校を決めて、家を決めて、上京していました。

――すごい行動力ですね。その後、声優2年目で主演に抜擢されるのもすごいことで(TVアニメ「一週間フレンズ。」の長谷祐樹役)。それまでに相当な努力があったんでしょうね。

山谷:やっぱり強い決意で進んだ道だったので、学校に通っている2年間は濃密に過ごしましたね。同じ声優でも、その中でどんなジャンルに重点を置くのか悩んだこともありました。僕の声に対して、「ナレーション向きだね」と言ってくださる方と、「アニメに向いている」という方がいらして。どちらにも興味はありましたけど、気持ちを切り替え時に戸惑ってしまって。

――それまで、アニメに興味を持ったことは?

山谷:兄と姉の影響で、幼稚園の頃は「ドラえもん」とか「アンパンマン」を当たり前に観てましたけど、その後は外で遊んでばかりの時期もあって。中学生以降は、深夜アニメを観るようになりました。

――深夜アニメを観るようになったきっかけは。

山谷:中学校のとき、僕の周りで、あるアニメがちょっとしたブームになったんですよ。それをきっかけに、その後の3年間くらいはものすごい数のアニメを観ていたと思います。


――ブームになったアニメ……?

山谷:中3のときに「涼宮ハルヒの憂鬱」が流行ったんですよね。女の子たちを中心に。それまで、ラノベにも触れたことがなかったし、アニメってこんな作品もあるんだなって。ドラマや映画よりおもしろいと思えたし、グッと引き込まれました。

――では、初主演作「一週間フレンズ」についても聞かせてください。演じられた長谷祐樹くんは、とにかく真っすぐな性格の主人公でしたね。

山谷:スタッフさんの話によると、長谷くんは高校生なのに中身は小学生、らしいです(笑)。中身はのび太くんだよって話していて(笑)。オーディションで、誰よりも長谷くんに近いのが僕だったそうで。あ、僕はのび太なんだなって思ったんですけど(笑)。

――オーディションはどんな風に演じたんですか?

山谷:それが、本当にスムーズだったんです。いつもはマンガ原作の吹き出しを読んでキャラクターになりきったり、オーディション原稿を読んで違和感があったら工夫したりして試行錯誤するんですけど、長谷くんの場合は最初からズレを感じなくて。録音して聞いてみたとき、長谷くんが自分のなかでしゃべっているイメージを感じられたんです。

――まさに一心同体という感じですね。演じている最中に長谷くんとシンクロすることも?

山谷:シンクロしっぱなしでした(笑)。むしろ、演じていたっていう感じがないんですよ。長谷くんについては、自分の内から出る感覚を大切に演じていたので。あえていうと、ヒロインの香織に投げる「僕と友達になってください」っていうセリフですかね。

――初レギュラーで初主演となると、アフレコ現場では緊張も…?

山谷:収録スタジオの中ってメイン席やゲスト席が分かれてるんですけど、メイン席の真ん中に座るのが本当に恐れ多くて(笑)。でも、共演の細谷(佳正)さんや浅沼(晋太郎)さんが、僕らが演じやすい雰囲気作りをしてくださって、すっかり助けていただきました。


――声をかけてくれたりとか?

山谷:そうですね。僕はいつも40分くらい前にスタジオに入っていたんですけど、香織役の雨宮(天)さんも早く入られていて。お互いガチガチに緊張しながら黙々と台本を見てたんですよ。お互いに何をしゃべったらいいのかもわからなくて。そしたら、細谷さんが入ってきて「お通夜じゃん!」ってツッコんでくださったりとか(笑)。

――一気に肩の力が抜けそうですね(笑)。では、今放送中の「暗殺教室」で杉野友人役を演じていますが、こちらのアフレコ現場はどんな感じですか?

山谷:主人公の殺せんせー役を福山潤さんが演じられているんですが、生徒役には僕みたいな新人も多くて。毎回20〜30人という大人数の現場ですけど、みんなが居やすいような空間を福山さんが作ってくださっているのをすごく感じます。すごく優しくて温かい現場ですね。新人の僕としては、いろんな意味で勉強させていただいてます。

――杉野友人くんは最初のほうの話数でクローズアップされてましたね。杉野くんは野球好きの設定ですけど、ご自身もすごいスポーツの経験者で。

山谷:遡ると、水泳、剣道、小学校では野球もやっていたし、中学校でサッカー、高校でハンドボールをやってました。だから、野球が大好きな杉野くんの気持ちはわかりますね(笑)。休み時間になったら校庭へ行く! みたいな(笑)。

――そこまで豊富なスポーツ経験がある方は多くないと思うのですが、どのような経緯が?

山谷:熱しやすく冷めやすいというのもありますけど、もともとぜんそくを患っていて病弱だったんですよ。体力をつけるために、いろんなスポーツに挑戦して。以前は、自由に体が動かせる友達を見てうらやましいと思っていたから、自分ができるようになったら、人よりたくさんのことに触れたいと思えてきて。いろんな場所に行ってみるとか。浅くてもいいから、やったことがないことをどんどん埋めていきたいと思ったんです。

――そうでしたか。ちなみにインドアの趣味なども? 「みりたり!」で演じている矢野宗平役はゲーム好きだったりしますが。

山谷:もちろん、体を動かすのは好きですけど、いろんなことに挑戦したいのでゲームもしますよ。宗平くんも、好きなものがたまたまゲームだっただけで、いわゆる普通の子なんですよね。周りに中尉とか少尉とか強い女の子たちがいるんですけど、けっこう振り回されています(笑)。じつは、優しいところもある男の子です。


――今後「たくさんのことに触れていきたい」ということで、これから挑戦したいことは?

山谷:ずっといろんなところで言っているのはスカイダイビングですね! 全然行けてないんですけど。一度飛ぶと人生観が変わるって聞いたことがあるので。あとはロッククライミングとか。ほかにも、人があまり挑戦しないデンジャラススポーツをやってみたいですね〜。

――デンジャラス…恐縮ながらバンジージャンプくらいしか思い浮かびません。

山谷:バンジーはやったことありますけど、場所はいろいろあって、マカオタワーから飛べたりするらしいですよ!(注:マカオタワーはマカオにある338メートルのタワー。233メートル地点からバンジージャンプを楽しむことができる)

――そういったものに駆り出される気持ちの源って…?

山谷:自分の中の世界を広げたいんですよね。なかなか自分の感覚って変えられないじゃないですか。だったら、普通じゃないことをしてみようと。何も変わらないかもしれませんけどね(笑)。

――そんな哲学が仕事にも生かされそうですね。

山谷:そうですね。先輩方からも「役者はいろんなことを経験しろ。人生経験が肥やしになる」って言われます。いろいろ経験して、自分っていう確固たるアイデンティティーを持つようになりたいです。

――演じる上で、経験してみたい役はありますか?

山谷:今は長谷くんみたいな溌剌とした明るい子とか、中学生や高校生を演じる機会が多いのですが、クールな役とか悪い役とか、ライバル役とか敵役とか、今まで触れてきていないイメージのキャラクターを演じたいですね。もともと、中尾隆聖さんとか千葉繁さんに憧れていたこともあって。僕もいずれは、声優として唯一無二の存在になることが目標です。


――最後に、読者へのメッセージを!

山谷:すぐには難しいかもしれませんが、徐々に芝居の力を上げていきたいと思いますので、これからも応援を宜しくお願いします!

それから、声優を目指していて、僕にファンレターを送ってくださる方に…。難しいことやツラいことがたくさんあると思いますが、あきらめないで、何か行動を起こすときにそれがすべて明確なビジョンにつながっていれば、少しずつ前に進めると思います。時には誰かの言葉を素直に聞き入れることも必要で、そのことの大切さにも気づくかもしれません。自分の中に芯を持つことを大切にして、柔軟に前のめりに、頑張ってほしいなと思います。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

山谷祥生

・山谷祥生(WITH LINE)
http://www.withline.jp/talent/yamaya-yoshitaka/

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀