“監督とは千早群像” 劇場版「アルペジオ」岸誠二監督が語る作品づくりの流儀

アニメ部

2015/2/11

 絶賛公開中の映画『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−  DC』、放送中のTVアニメ『暗殺教室』。『ハマトラ』『Persona4 the ANIMATION』シリーズ、『ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 THE ANIMATION』などなど…。そうそうたるタイトルを手がけ、近年注目を浴びる岸誠二監督。

 毎年多くのタイトルが制作される時代、なぜ岸監督はヒットを生み出し続けられるのか。その秘密を探るべく監督の作品作りへの思いを聞いてみた。

『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−  DC』は全国67館にまで上映規模を拡大!

ヒットが生み出した「アルペジオ」劇場版制作

 世界中の海洋に現れた謎の艦隊により、海を閉鎖された世界。圧倒的武力を持つ「霧の艦隊」に打ち勝つ手立てはなく、人類は衰退の一途をたどっていた。2013年秋に放送されたテレビアニメ『蒼き鋼のアルペジオ −アルス・ノヴァ−』は、近未来の海洋アクションを描いた作品だ。

▲岸誠二監督。2014年、第19回アニメーション神戸・個人賞に輝いた

劇場版制作に至るエピソードも、岸監督の近年の活躍ぶりをうかがわせる。

「当初はテレビシリーズで完結の予定でした。しかし放映後、めでたく一定の評価をいただけたので続編を、とのお話しをいただきました。当初から劇場版と決まっていたわけではなく、どのような形の続編がよいかスタッフで検討し、テレビシリーズの再構成を含む劇場映画を2本作ることに決まりました。劇場版に決まった理由のひとつは制作期間の問題で、せっかくお客さんにテレビシリーズを観て喜んでいただけたので、その熱が冷めないうちに応えたいと思ったからです。テレビシリーズをもう1クール作るとなると、こんな制作期間ではお届けできませんから」(岸監督、以下略)

 劇場版第1作『アルペジオDC』は先日、封切りされるやいなや、上映館が36カ所も増加した。2月15日には、ヒット御礼の舞台あいさつが急遽予定されている。

『アルペジオDC』では、テレビシリーズで活躍したキャラたちのさらなる成長が描かれている。潜水艦イ401こと、イオナはじめ、各戦艦のメンタルモデル(霧の艦艇の人体化モデル)たちももちろん登場する。

「テレビシリーズでは、メンタルモデルたちが、生まれたての子どもから始まって意思を持ったところまでを描きました。劇場版では、彼女たちが思春期へと成長し、アイデンティティーを確立します。思春期の女の子の姿が見どころのひとつです。また映画全体のテーマを言葉にするなら“幸せ”でしょうか。それぞれのキャラの幸せはどこにたどり着くのか、ぜひ見てみてください。テレビシリーズの再構成パートと新作パートで構成されていますが、当初の予定より新作パートのボリュームが増えてしまいました。『アルペジオ』を初めてご覧になる方も、テレビシリーズからのファンの方も、どちらもご満足いただけると思います」

▲イオナは思春期になりどのように変化する?

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