【日本と中国の三国志のイメージの違い】呂布は美形枠? シャア・アズナブル?

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更新日:2015/6/26

重要度の違い

 最後にコンテンツの「重要度」の違いについても少々書かせていただきます。日本では中国という国のイメージに関して「三国志の国」というのがあると思いますが、中国では三国志はそこまで絶対的に重要なモノではない、言ってしまえば日本で考えられている程真っ先に来るものではありません。もちろん中国でも4大名著の一つとされ自国文化の誇りの一つとされているのは間違いありませんが、日本におけるイメージと比べると重要度に関してはかなり落ちるそうです。

 これは日本の様々なオタク系コンテンツにおける三国志ネタや三国志の武将をモデルにしたキャラ等を受け入れている中国のオタク界隈でも同じです。日本の三国志に対する偏愛っぷりが話題になったりしていますし、「三国志以外にも様々な時代やそれぞれの時代を舞台にした作品もあるのに、なぜ日本では三国志ばかりなんだ!?」といった疑問も常にある模様です。

 そんな訳で、中国に行って日本の感覚で三国志について語る、あるいは語れる人を求めてもなかなか上手くいかないかと思われます。

 中国では三国志の映像化作品や翻案作品、ハードルの高い伝統芸能から民間レベルまで、昔から三国演義を題材にしたものは少なくありません。しかし現代語になった三国志コンテンツ、翻案小説や翻案作品の多い日本と違い、中国では「原作」をきっちり把握するとなると「原著」に当たらなければなりませんから、現在の中国の感覚では古典、学問の部類に入るような所もあるそうです。

 こういった背景があるので、日本の三国志ファンが中国人に対して三国志について語ろうとするのは、日本で例えれば外国人から「日本の古典について語ろう」「源氏物語ってどう思う?」などと言われるようなものなのかもしれません。

 また例えば中国のオタクな人が「日本人とアニメや漫画、ラノベについて語りたいのに、なかなか分かる人に出会えない」と言うのもこれと似たところがあるような気もしますね。

 いくら日本がオタク系コンテンツ発祥の地であっても、海外の積極的に語りたがる人を満足させられるレベルの人と巡り合うのはなかなかに難しい所もありますから。

文=百元籠羊