オタクの誇りをかけたアニソンダンスバトル『アキバ×ストリート』予選大会レポ

アニメ

更新日:2015/6/26

のんのんびより

 音とオタクのリアルなせめぎ合いが繰り広げられる、ダンスバトルイベント『アキバ×ストリート』。今年1月17日の東京予選を皮切りにスタートした同イベントだが、世界初のアニソンダンスバトル全国大会の決勝に向けて、日本全国の大都市で行われた歴戦を制したファイナリストたちが決定した。

 幼女も学生も社会人も関係ない。年齢や性別、日頃の立場や身分も忘れて、ほとばしる汗とオタクの誇りを胸に数々のダンサーが渾身のパフォーマンスをみせた、予選大会をレポートしていく。

「俺の嫁」すーぱーそに子への愛が猛者たちを打ち砕いた東京予選

 記念すべき『アキバ×ストリート』予選大会の初日。天気は快晴で、まるで地球すらもこの日をまちわびていたかのような晴れ間が広がっていた。この日の会場は秋葉原駅から徒歩10分弱のmoe farre モエファーレ。イベント開始前から、出番を待ちわびる80人弱のパフォーマーたちが早くも火花を散らしていた。

 そのうち予選を勝ち残れるのはわずか16名。オーディション形式で繰り広げられたダンスバトルに、審査員の面々も圧倒されたのかひどく頭を悩ませる表情をみせていた。実際に通過したのは14名のダンサーたち。いや、2名足りない……。そこでまさかの「筆記試験を行います」というアナウンスが流された。

 ダンサーとしてはもちろん、ヲタとしての造詣も一人ひとりの重要なアイデンティティとなる本大会。みんな一様に「まさか」という表情を浮かべる中、同日に行われていた大学入試センター試験よろしく、惜しくも予選を敗退してしまった参加者たちは「最後の助け船」にと真剣なまざしで解答用紙と向き合っていた。

 そして、光栄にも選ばれたベスト16の面々はトーナメント戦へと進んだ。先ほどよりも会場全体のボルテージが高まる中、惜しくも予選敗退したオーディエンスたちに囲まれた熱戦は、さらに激しさを増した。

 決勝戦は、jun-G vs 超妖怪弾頭ネオたん。ブレイクダンス対ブレイクダンス、力強いパフォーマンスを魅せる超妖怪弾頭ネオたんに、みずから「俺の嫁」と宣言するすーぱーそに子グッズを駆使したjun-Gも対抗する。たがいに一歩も引かない攻防を制したのは、最後まで肌身離さず、すーぱーそに子を大事に抱えていたjun-Gだった。

 パフォーマンス終了後、「優勝できたのは僕ひとりのおかげじゃない、そに子のおかげ。東京ファイナルではそに子の魅力を伝えに行きます」とまさしくヲタダンサーにふさわしいコメントを残してくれた。

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