「荒川美穂」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

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更新日:2015/7/9





――幾原監督作品で2作連続ヒロインを演じられている荒川さんから見た、その世界観の特徴とは?

荒川:幾原監督にしか作れない世界だと思いますね。たとえば、フツウには思いつかないような発想の音や色づかいがあったりとか。登場するキャラクターたちも、最初は感情移入できる感じではないかもしれないけど、なぜかその世界観、画面に引き込まれるというか、圧倒されるというか。

――画面に引き込まれる…といえば、場面が切り替わる前のセリフでいかに印象づけるか、という演出もされていると聞きました。 

荒川:大事な言葉は「耳に残るように」とディレクションされています。続きを観たくなるような引きを作るようにしていらっしゃると思います。1話1話の終わらせ方についても同じです。「ユリ熊」については基本的に予告がないのでなおさら、“映像の終わりで魅せる”ことを意識していらっしゃるようです。

――音や色づかいで印象的だったのは。

荒川:まず、SE(サウンド・エフェクト=音響効果)がおもしろいと思うんです。「ユリ熊」で言うと「クマショック」とか「ユリダーク」とか。なかなか思いつかない発想で、声をあてている私たちも、いつも驚かされます。音楽にもこだわっていらっしゃるので、アフレコの段階で「このタイミングでこの音を」ってすでに音楽が入っていることもあって。ここで流れるんだ…と思うと情感が湧くんですよね。キャラクターたちの心情をイメージしやすくなって、その音楽を聴いているだけで切なくて泣けてくることもあります。





――では、これからクライマックスに向けて、どんなことを楽しみにすればいいのか教えていただければと。

荒川:銀子はどうやら紅羽にすごく好意をもっていて執着しているのですが、その気持ちに対して紅羽の感情がどう変化していくのか、注目していただきたいです。銀子の相棒のるる(CV:生田善子)ちゃんの魅力もどんどん引き出されていきますし。物語のパズルがどんどん埋まって謎が解けていくと思いますので、ぜひ最後までぜひご覧いただきたいなと思います。

――それでは、荒川さんご自身にもクローズアップしていきたいなと。これまで転機になった作品とは?

荒川:やっぱり、デビュー作の「輪るピングドラム」(ヒロイン・高倉陽毬役)ですね。初めてのオーディションでまさか受かるとは思わなくてびっくりしたんですけど。共演のみなさんにいろんなことを教えてもらいながらの収録でした。演技だけでなく、歌を歌ったりイベントに参加させていただいたことも、今の基盤になっていると思いますし、かけがえのない存在です。

――初めてのキャラクターソングはいかがでしたか。

荒川:キャラクターとして歌わせていただけるのは嬉しかったですね。幼少時から音楽を続けてきたので歌も好きなんです。実は歌のレッスンも受けていました。楽曲がARB(80年代を中心に活躍したバンド、ボーカルは石橋凌)のカバーだったので、私たちはどう歌ったらいいんだろうっていう不安はありましたけど。でも、女の子が歌っているというギャップがいいから、無理してカッコよく歌うことはないというディレクションもあったので、女の子らしく自然体で歌うことができました。

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