厚切りジェイソン「日本のお笑いは、人を傷つけることがありませんね」

あの人と本の話 and more

2015/7/6

毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある1冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、6月にファーストDVD『WHY JAPANESE PEOPLE!?』を発売したばかりの大人気アメリカ人お笑い芸人・厚切りジェイソンさん。日本のお笑いにかける思いとは?

 ジェイソンさんが日本に初めてやってきたのは2005年のこと。1年間の滞在中に日本のお笑いにハマった。アメリカに帰国するも11年に再来日し、IT企業の役員を務める傍ら、お笑い芸人を志す。

「日本のお笑いは、人を傷つけることがありませんね。アメリカの笑いはたいてい社会問題を取り上げています。人種差別や貧困問題、政治的メッセージ。日本ではそういうものはほとんどなくて、誰もが純粋に面白く感じられる。芸人を目指したのは、ただ楽しそうという単純な理由(笑)。難しい道かもしれないけど、やらないで後悔するのは嫌だったんです」

 ジェイソンさんの代名詞といえば“漢字ネタ”。ファーストDVD『WHY JAPANESE PEOPLE!?』にもたっぷり5本が収録されている。ご存知のように、外国人にとって不可解な漢字の謎にツッコミを入れるのだが、ジェイソンさんがすごいのは、それが日本人にとっても「確かに!」と納得できるツッコミである点だ。日本人が何を面白いと思うのか。ジェイソンさんは、その笑いの構造を完璧に把握している。彼はいかにして会得したのか。

「今所属しているワタナベエンターテインメントの養成所・ワタナベコメディスクールに1年間通いました。勉強はそれだけ。あ、あと、元祖爆笑王さんの『爆笑コント入門』と『漫才入門』という本も参考にしました。養成所ではネタ見せをするんですけど、そのときはウケなかったこともいっぱいあるんですよ。それでだんだん、ウケるものウケないものを覚えていきました。今でもその繰り返しです」

 最後に名前の話。厚切りジェイソンさんの“厚切り”は、神奈川県の厚木に住んでいることに由来する。忙しくなった今も在住、通勤電車に乗っている。

「電車での時間は貴重です。ネタを考えたりツイッターに返信したり。最近は、『Why Japanese People!?』の人ですよね?って声をかけていただくこともあります(笑)」

(取材・文=松井美緒 写真=山口宏之)

厚切りジェイソン

あつぎり・じぇいそん●1986年、アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳でミシガン州立大学に飛び級入学。その後イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の大学院を卒業。2005年、1年間日本に滞在し、11年に再来日してお笑い芸人を志す。今年、芸歴4カ月でR-1ぐらんぷり2015の決勝に進出し大ブレイク。IT企業の役員でもある。

 

『モンテ・クリスト伯』書影

紙『モンテ・クリスト伯』(全7冊)

アレクサンドル・デュマ/著 山内義雄/訳 岩波文庫 760~940円(税別)

フランス革命後の激動期、青年航海士のエドモン・ダンテスは無実の罪で14年間、孤島のイフ城に投獄されてしまう。脱獄を成功させた彼はモンテ・クリスト伯爵を名乗り、彼を陥れたフェルナン、ダングラール、カドルッス、ヴィルフォールに復讐を果たすが……。『巌窟王』の名でも親しまれる不朽のベストセラー。

※厚切りジェイソンさんの本にまつわる詳しいエピソードはダ・ヴィンチ8月号の巻頭記事『あの人と本の話』を要チェック!

 

DVD『WHY JAPANESE PEOPLE!?』

『絶対音感のドレミちゃん』書影

出演/厚切りジェイソン Contents League 3000円(税別)
厚切りジェイソンが、デビュー8カ月という驚異のスピードでファーストDVDをリリース! 「R-1ぐらんぷり2015」でも爆笑を巻き起こした“漢字ネタ”も、たっぷりの5本収録。さらに、「KOKOROBOSOI」「和菓子のこころ」「ケントくんの憂鬱」など、今回初めて挑戦した完全新ネタの一人コントは絶対に見逃せない。DVDだからできたジェイソン渾身の笑い!