約40分の動画には伝えたい思いがたくさんつまってる

新刊著者インタビュー

更新日:2013/8/9

「整理収納ノウハウ本」の枠を超えた、生き方を見直すきっかけを与える作品

――電子書籍ならではの機能と言えば、「マーカー」です。読みながらマーカーを引くと、自動的にそのテキストが格納されて一覧でき、これを読み返すと、こんまりさん独自の心に刺さる言葉を簡単に振り返ることができます。たとえば、「適正量のカチっとポイント」というのもそうでした。これがわからないと、本当に大切なもの、ときめくものは残せませんものね。

こんまり: 「適正量のカチっとポイント」は、「乙女の整理収納レッスン」でよくお伝えしている言葉で、私自身も好きな言葉です。そして、実際に本人がやってみないとつかめないポイントでもあるんです。「こんまり流ときめき整理収納法」は、本に書いてある内容をご自身で、一気に正しく、その順番でやってみて、初めてリバウンドしない片づけができ、人生がキラキラと輝かせられるのです。

気になる文章にマーカーをひくと、それが一覧となって表示。読み返すと、自分が何にときめき、どんな問題を抱えているかが、自然と浮かび上がってくる

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――いじわるな質問をひとつ。片づけで、人生を変えたい人がそんなにいるのでしょうか?

こんまり: 私の本や電子書籍を手に取ってくださる方は、「変わりたい、自分を変えたい」と思われている方がほとんどでしょう。「今のままで変わらなくてもいい」という人は、やらなくてもいいと思います。なぜかというと、片づけはやらなくても命に別状はありませんから(笑)。でも、片づけによって、身の回りにあるモノ、自分の持っているモノは、今すぐ、しかも簡単に変えられます。それを変えることで、自分自身であったり、決断であったり、これから何を大切にしていくのかがはっきり見えてきます。だから、自分自身の手で人生をときめかせることができるようになるのではないでしょうか。

――それ、わかります。というのも、自分がひいたマーカー一覧を読み返すと、こんまりさんの書いた文章なのに、「自分自身が何者であるか」「どんな問題を抱えているか」が浮かび上がってくるんですよね…。これはもう、「整理収納ノウハウ本」を超えています。

こんまり: そういう使い方をしていただけるのは、うれしいですね。片づけは、これまでの自分を見つめ直す作業ですから、時間と体力、そして、「絶対にやり遂げる!」という覚悟がないとできません。お客様の現場レッスンにうかがって、その方のお部屋を見回すと、「だいぶ昔に役割を終えているのに、まだここにいたんだね…」と思えるモノとたくさん出会います。そういうモノには必ず、「ありがとうございました」と感謝の声をかけて、捨てていただいています。けれど、こうした「片づけ祭り」を経験すると、自分と自分を取り巻く風景が必ず変わってきます。

――なるほど。片づけは、過去の自分を整理する方法でもあるんですね。なぜ「こんまり流ときめき整理収納法」が、人生そのものを変えることになるか、その本質がわかってきました。