「小松未可子」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2015/8/25

小松未可子

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第78回となる今回は、テレビアニメ「青春×機関銃(アオハル×きかんじゅう)」の立花蛍役、「だんちがい」では仲野弥生役、「うしおととら」中村麻子役などを演じる小松未可子さんです。

――撮影はいかがでしたか?

小松:多摩川の近くに行きました! 以前、お花見とかバーベキューで来たことがあったな〜と。自然がいっぱいで、野球少年たちを見つめながら、爽やかに撮っていただいたと思います(笑)。私のライブは雨が降ることが多いんですけど、今日はロケということで、ここぞとばかりに晴れてよかったです(笑)。

――小松さんのライブで雨が降るのは、ファンの間では有名ですね(笑)。

小松:過去に台風直撃のときもありましたし、屋外で開催したリリイベでも、歌い終わったとたんに土砂降りになるという。そのときは雷も鳴っていて大変でした(笑)。

――(笑)。そして、今日も服装が素敵です!

小松:最近、モノトーンが多いんですよ。黒い服が多くて、上下どちらかが黒、というローテーションが続いていたので、これはいかんと思って白を買ったりすると、今度はモノトーンになるという(笑)。今日の服を考えるときに、夏っぽく爽やかにしようと思って、麦わら帽子は決定していたんです。でも、下のスカートがどうしても決まらなくて。以前、勢いで買って、まだ一度も履いていなかった青と白のチェックのミニスカートを持ってきたんですけど、また今日も履けなかった(笑)。


――(笑)。現在出演中のテレビアニメについても伺います! 「青春×機関銃(アオハル×きかんじゅう)」の立花蛍役は、女の子なんだけど見た目は男の子、というキャラクターですね。

小松:最初は「本当は女の子」っていう部分を若干入れて演じていたんですけど、「一切女の子のニュアンスを排除してください」と演出を受けまして。今は、誰よりも男っぽい、“漢”として演じています。立花本人も「女なんだけどな…」って言ってるわりには、女っぽさを微塵も感じさせないですよね(笑)。

――小松さんは、実際に銃に触れたことは?

小松:アフレコ現場で、これが立花の銃です、これが松岡(CV:前野智昭)の銃ですって説明の上、手に持ちまして。そのときは、銃の重たさとか反動をリアルに感じましたね。触れてみて初めて、自分との相性がわかるんですよ。アオハルのイベントで、東京マルイというメーカーさんのパンフレットを見たときはワクワクしましたし、自分でも一丁ほしいなって思うくらいかっこよかったです。

――では、同じく放送中のテレビアニメ「だんちがい」では弥生役を演じていますね。キャラクターの紹介をお願いします!

小松:五人兄弟の次女で、お兄ちゃんに対して思いっきりツンデレ感のある女の子ですね。お兄ちゃんのことが大好きなんだけど、全然素直になれないという。プロレス技をかけてバイオレンスになったと思えば、可愛らしくネクタイを直してあげたりして、ギャップがかなり激しい女の子です。

――小松さんは実際にもお兄ちゃんがいると思うのですが、妹の気持ちはよくわかる?

小松:うちの兄とは、大人になってからはご飯を食べに行くこともありますけど、学生のころはこんなに優しくなかったし、一緒に出かけることもなかったですね。「絶対に教室にくるなよ!」っていうタイプだったし。でも、お兄ちゃんのことが好きだったから、用もないのに教室に行って「おーい、妹きたぞ、おーい!」って呼ばれてお兄ちゃんが来てくれるのが、私としては嬉しかったんでしょうね(笑)。

――あらためて「だんちがい」の見どころを教えてください!

小松:兄弟同士バタバタしてるんですけど、なぜか見ていると心がほっとして。ひとりで寂しいときにもぜひ見てほしい作品です!


――そして、「うしおととら」は90年代にコミックスが33巻まで発売された名作。小松さんも原作を読まれたそうですね。

小松:妖怪と人間の絆が生まれる感じとか、何かに立ち向かっていく勇ましい姿にほれぼれとしました。自分がこう生きていきたいという信念をもらえて、人生のバイブルになるような作品だと思いますね。この作品が好きな方にとっては、人生を捧げられるような作品なのかなと。

――今でも人気が続いているコミックスならではの重みがありますね…。

小松:この作品をドンピシャで読んでいたスタッフさんから、「頼んだよ!」と言われました(笑)。この作品から影響を受けてアニメーション制作の道に進んだ、という話もよく聞くんです。そんな方々の心の支えになっている作品だと思うと、身が引き締まりますね。全力で演じます! と。

――そんな名作の中で、麻子はどんな女の子ですか?

小松:主人公・潮(CV:畠中祐)の幼なじみの女の子です。潮とはけんかをするときもあれば、お姉さんのように叱ることもあって。ずっと潮をそばで支えてきた、芯のある強い女の子ですね。最近のアニメ作品では悩みや迷い、葛藤の多い主人公が多いなか、潮はそういう部分もありつつ、一緒にいれば大丈夫だと安心感を与えてくれる主人公。だから、麻子も潮のそばにいるんだと思います。

――アフレコの様子はいかがですか?

小松:畠中さんと、とら役の小山(力也)さんがとにかくパワフルなので、自分も想像していた以上のエネルギーをぶつけないと寄り添えなくて(笑)。みんな、アフレコでかなりエネルギーを消費しています(笑)。スタッフさんも、感情が動いた台詞をピックアップしてくださるので、どうしたら見ている方の感情を動かせるか、その一点に集中しながら演じています。ゲストの方々も、アフレコ後に「いい現場だった!」って満足げに言ってくださるので、光栄なことだなと思いますね。


――今後も楽しみにしています! そして8月26日には、「青春×機関銃」のエンディングテーマとなる7thシングル「群青サバイバル」がリリースされます。作詞も行っていますが、どんな思い入れがある?

小松:出演させていただいている作品のエンディングで作詞をするのは初めての経験で、けっこう苦戦しましたね。主人公の目線であり、第三者的な目線でもあり、どこを切り取ってもアオハルのメッセージにつながるような曲にしたいなと。それから、目の前にアオハルの情景が広がるような臨場感を大事にしました。自分の中で使いたいワードを書きとめて組み合わせたりして、レコーディング当日まで、スタッフさんとディスカッションしながらつくっていきましたね。

――最初のイメージからの変更点もあったんですか?

小松:歌詞はけっこう変わって、結局完成までに1カ月くらいかかりました。自分が響かせたい言葉と、聴いていて気持ちがよくなる言葉って違うんですよね。伝えたい言葉を変えていく作業では、少し辛い想いもしました。でも、そのディスカッションのおかげで素敵な作品に仕上がったと思います。

――最後まで残っているワードも?

小松:2つあります。1つは「誰もかれもスコープ越しの愛だね」、もうひとつは「この瞬間のために重なった背中合わせの影」というフレーズ。原作を読んだときに、主人公たちがフィールドで戦っていることを想像しながら考えた言葉です。じつは、アオハルで前野さんと一緒にイベントに出たとき、銃をもって2人で背中合わせになったことがあったんです。それもあって、どうしても使いたくて、「これだけは!」と残していただきました。


――シングルでチェックしてみますね! では、これまでの転機になった作品とは。

小松:声優デビューという意味では「HEROMAN」ですが、転機でいうと「モーレツ宇宙海賊」ですね。女の子として初の主人公を演じて、初めて歌も歌わせていただいて。テレビアニメの2年後には劇場版もありましたし、加藤茉莉香役とは本当に長いつきあいになったなと思っています。

――茉莉香というキャラクターは、今の自分の中ではどんな存在?

小松:ふと離れた時期があっても、常に心のどこかにいるのを感じていますね。他の女の子のキャラクターを演じるときに、茉莉香のことを思い出したりして。茉莉香がこうだとしたら、こっちの女の子はこうなのかな、とか。ある意味、茉莉香が基準になっているんです。

――次に、最近印象に残っている出来事は?

小松:「リッスン?」の生放送が完了しまして、録音番組に切り替りました。今考えると、毎週月曜日に2年間も、生放送でゲストさんを招いてお話していたのが信じられないというか(笑)。いろんな方から「いつも聴いてるよ!」、「ゲストに呼んでよ!」とか言って頂けたりして、知らないうちに自分自身にも自分の周りにも影響があったラジオ番組だったなって思います。

――「リッスン?」の生放送を2年間つづけてきたコツとは。

小松:辛いことは全くなかったんですよ。むしろそういう生活リズムに慣れていたので、月曜日のこの時間にしゃべっていないと落ち着かないくらい。土日にイベントがあったときは、いちばんにお話できる場所でもあったし。最初は、動画もないし、おしゃべりだけで情報を伝えていくラジオなんて、私にできるのかなって思っていたんですけど、いつの間にか2年。頑張ろう、続けようと思うより、楽しんでいたからこそ、続けられたのかもしれませんね。


――変わっていくこと、変わらないこと、たくさんあると思いますが、これからの声優としての豊富は?

小松:最近、小松といえばこういう役だよね、という軸のようなものが固まってきたのかなと。だから、「こんなこともできるよ」って、軸を崩していくのがこれからの課題です。自分にどこまで振り幅があるのかを探りながら、心を柔らかくして生きていけたらいいなって思いますね。

――挑戦してみたい役はありますか?

小松:挑戦してみたいというより、自分には何ができるんだろうって常に考えています。きっと、できないことのほうが多いと思うので、それをどうやったらできるようにするのか。振り幅を増やして、もっともっとみなさんに求められるようになりたいです。

――最後に、読者にメッセージを!

小松:2010年からアニメに出させていただいて、あっという間に2015年。5年ってこんなに濃密なんだって感じますし、あっという間だな、とも思います。ですが、ひとつずつ積み重ねて、みなさんに支えられながら、ここまで歩んできたんだと思います。

ぜひ、ライブにも来ていただけると嬉しいです! アニメーションとは違う小松を見ていただけると思いますし、まったりとしたライブですので、和みたいな〜というときに来ていただけたら。これからも、楽しいことをご提供できる存在でありたいと思いますので、ぜひ見守っていてください。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

小松未可子

小松未可子(ヒラタオフィス)
http://www.hirata-office.jp/komatsu_mikako/

小松未可子(スターチャイルド)
http://www.starchild.co.jp/artist/komatsumikako/

小松未可子 Twitter
https://twitter.com/mikakokomatsu

◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト」)