「金元寿子」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2016/1/12

金元寿子

編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

記念すべき第100回となる今回は、「侵略!?イカ娘」イカ娘役、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」アトラ・ミクスタ役、「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」テュカ・ルナ・マルソー役などを演じている金元寿子さんです。

――たくさんの作品に出演されていますが、まずは、現在出演されているテレビアニメについてお伺いします。昨年10月から放送中の「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のアトラ役は、金元さんにとってどんな女の子ですか?

金元:命のやり取りに関するシーンが多い中で、その空気感を背負いすぎず、ホヤッとしたやわらかい空気感を持っている子です。まだ幼いのに、みんなの支えになれるようにすごく頑張っていて、とても芯の強い子なんです。アフレコをしていると、自分だけテンポ感が違う気がしてドキドキしますけれども(笑)、そこが彼女の良さだと感じています。

――「GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」ではテュカ役を演じられています。いよいよ始まった第2クールのみどころとは?

金元:実は、テュカがある出来事を乗り越える重要なシーンがあるんです。迫力のある場面なので、ぜひ楽しみにしてほしいです。

――様々なタイプの役を演じている金元さんですが、これまでの転機になっている作品は?

金元:いちばん最初に主役を演じさせていただいた「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」(2010年テレビアニメ放送)ですね。カナタ役は、声優としての私のすべての始まりでした。あの作品がなければ何も始まっていないというか。動画の撮影があったり、取材を受けたり。キャラソンを歌ったのも初めてで、自分が考えていた声優像とは違って、声優ってお芝居だけでなくいろんなことができないといけないんだなっていうことに気づいた作品でもありました(笑)。この作品をきっかけにアニメの現場に出させてもらえるようになって、本当にいろんなことが変わっていきました。

――もともと、声優になりたいと思ったのはいつ頃ですか?

金元:高校3年生でそろそろ進路を決めなきゃってときに決めました。他の方々に比べると遅めですよね。アニメや海外ドラマが大好きだったので、声優っていう職業に興味はあったんですけど、しゃべるのが苦手だったんですよ、すごく。

――今はまったくそれを感じさせませんね。

金元:今よりもっと苦手だったんです(笑)。人見知りだし、いつもモジモジして。でも、声優の勉強をしたい気持ちが大きくなって、神戸の専門学校に入りました。お芝居を始めたのは専門学校に入ってからです。

金元寿子

――声優になる前に影響を受けた作品はありますか? 「ヒカルの碁」が好きだったそうですが。

金元:他にも、やっぱり夕方の時間帯にやっていた子供向けのアニメからは影響を受けましたね。ずっと好きな作品は「∀ガンダム」や「名探偵ホームズ」。「∀ガンダム」は、菅野よう子さんが手がけていた音楽もすごく好きで、アニメの音楽を初めて追っかけました(笑)。当時はMDに録音して聴いていましたね。

――そのあたりからアニソンに興味を持ったんですか?

金元:そうです。そこからアニソンってかっこいいな〜と思い始めました。「魔法騎士レイアース」とか、戦う女の子系の主題歌もすごく好きで。そういったものが好きだな好きだなって思っているうちに声優という仕事が気になりだした、というのはありますね。

――そんな経験もありつつ、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」で初めてキャラソンを歌ったときの印象はどうでしたか?

金元:「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」のキャラソンは、割と素のまま歌っていました。歌うことさえ初めてだったので、曲をいただく前にスタッフの方と一緒にカラオケ屋さんに行って、そのときに歌える歌を何曲かみなさんの前で披露したんですよ。めちゃくちゃ緊張しました(笑)。それもあって、自然な感じで歌えるキャラソンを仕上げていただいて。キャラクターを強く意識したのは、「侵略!イカ娘」(2010年テレビアニメ放送)の楽曲ですね。セリフと同じ語尾が入っていたし、合いの手を入れたのも初めてでした。

――「侵略!イカ娘」は、キャラクターボイスの印象も鮮烈でした!

金元:笑ったり怒ったりとテンションの切り替えがとっても早い役だったので、それが当時の課題のひとつでした。1回止めてから演じないと演技を切り替えられなかったりして。でも、先輩たちはそれを全部通して演じられていたので、すごいな〜と思いながら見ていたのを覚えています。イカ娘は、本当に作品の力が大きな作品で、キャラクターにもインパクトがあったので、今でも私の中に定着しているんです。機会があれば、また演じてみたいです(笑)。

――そのときは、ぜひ拝見したいです(笑)! 他にも、面白いアニメにたくさん出演されていますが、お芝居はやはり楽しいですか?

金元:じつは、お芝居って大変だなってずっと思っています(笑)。もちろん、楽しさもありますけど、正解がないので、真摯に取り組もうとすると大変なんです。いちばん楽しいって思えるのは、他の方と掛け合ったりするときですね。でも課題はずっとあって、クリアしたと思ったら、また次の課題が待っているんです。課題がひとつもなくなることは永遠にないのかもしれません(笑)。

金元寿子

――昨年はプライベートアルバム「Fantastic Voyage」をリリースされました。この作品の制作を経て、得たものはありますか?

金元:記念アルバムだったので、自分が歌ってみたい曲や雰囲気を入れられたのは嬉しかったです。私は岡山県出身なので、岡山県の紹介ソングみたいな曲も入れて。この1枚があったから、地元・岡山県での自主イベントができたんです。つながってるな〜と思います。

――2015年12月6日に岡山で開催された自主イベントですね。

金元:岡山県の「おかやま晴れの国大使」を務めさせていただいていることもあって、岡山県で何かやりたいな〜と思っていたんです。それから、地元でネイリストをしている姉と一緒にイベントをしてみたいという気持ちもあって、開催することになりました。

――初めての自主イベントはどんな手応えがありましたか?

金元:プライベートアルバムの楽曲を披露してみたかったし、いつもファンの方に何か恩返しがしたいと思っていたので、このイベントで喜んでくださった方がいたならそれが一番だなと思います。企画から進行まですべて自分で考えたので、それがどれだけ大変なことなのかもわかりました(笑)。

――お姉さんと仲がいいんですね。どんなところが好きなんですか?

金元:仕事力があるところです。志が高くて、ネイリストの資格を東京まで取りに来たり、いろんなお店に自ら研修を受けに行ったりしているところが尊敬できるなと。意見をはっきりと言う人なので、たまに喧嘩になりますけど(笑)。そういうところもいいなと。おととしのお正月に2人で台湾旅行に行ったときも喧嘩したんですよ(笑)。

――どんな理由で喧嘩を(笑)!?

金元:姉が研修を受けているお店が台湾にあるので、一緒に下見に行こうと誘われて。それなのに、行った日にお店がお休みで。台湾まで行くのに下調べもしないなんて!って喧嘩しましたね(笑)。でも、帰るまでには仲直りして、その旅行中に岡山でイベントやりたいねっていう話になったんです。

――なるほど、その流れで。以前からお姉ちゃんとはよく遊んでいた?

金元:昔からいつもお姉ちゃんについていって、お姉ちゃんと、お姉ちゃんの友達と一緒にワイワイしてましたね。お姉ちゃんがやっている習い事を私もやりたいって言い出して、そろばんと水泳と英会話に通いました。でも、結局お姉ちゃんのマネをしてるだけなので、どれも長続きませんでした(笑)。

金元寿子

――金元さんは声優の友達も多いイメージがありますが、最近一緒に遊んだ声優仲間は?

金元:茅野愛衣さんと赤崎千夏さんと田村睦心さんと久しぶりに4人揃って焼肉を食べに行きました。その前の夏は4人でビアガーデンに行ったりして、定期的に集まっていろんなことしゃべってます。

――4人の中では誰がムードメーカー?

金元:赤崎さんと田村さんは賑やかですね。行動力もあって、私たちの予定を率先してあわせてくれたり、行き場所を決めてくれたりしますね。それを茅野さんが上手くまとめてくれます。

――昨年12月16日にお誕生日を迎えられましたが、嬉しいお祝いはありましたか?

金元:友人たちもお祝いしてくれたのですが、自主イベントでもみなさんがサプライズでケーキを用意してくださったんです。自分で進行を組み立てたはずなのに、お姉ちゃんが調整してくれて(笑)。会場のみなさんがバースデイソングを歌ってくれたのがすごく嬉しかったです。

――本当にすばらしいお姉さんです(笑)。最近の失敗談は何かありますか!?

金元:いっぱいありますけど、いちばん多いのは料理をしたときの失敗ですね。普段あんまり家事をしないので、たまにすると失敗するんです。吹きこぼしたり、素材が生だったりして(笑)。ちゃんとレシピを見ればいいのに、感覚で作っちゃうんです。自分の料理を食べるとお腹が痛くなるので、最近は作らないようにしてます(笑)。

――貴重なお話をありがとうございます(笑)。お仕事の幅がますます広がっている金元さんですが、これから挑戦したいことは?

金元:映画の吹き替えをしたことがあまり多くないので、もっと挑戦したいです。もともと海外ドラマにも憧れていたんです。舞台にも出たいですね。1度だけ出演させていただいたときに、画面越しではなく、その場で相手やお客さんの距離感を感じながらお芝居をする感覚がとても面白くて。でも、初めての舞台で、まだできていないことのほうが多かったので、また挑戦してみたいと思います。

金元寿子

――お芝居の面で、最近の課題としていることはありますか?

金元:これまでは無邪気でわかりやすい子供のキャラクターが多かったんですけど、最近、大人の役を演じる機会がありまして。複雑な心情をしっかりとらえられるように、もっと基礎を固めたいなっていうのが最近の課題です。もっと人の感覚について知ることができたら面白いですね。たとえば、同じように街を歩いているお母さんが、こどもに対してまったく違う行動をとっていたりとか。その違いがなんなのか、言葉を発するときの心理がどんなものなのか、探ってみたいです。

――もし声優になりたい人にアドバイスをするとしたら?

金元:私は声優の仕事を始めてから、この仕事の幅の広さに気づいたんですけど、今はネットやメディアで声優という職業についてくわしく知ることができると思うんです。声優を目指すときに、お芝居を重点的にやりたいとか、吹き替えをやりたいとか、自分が進みたい方向性をしっかりと持っているほうが、具体的な道筋につながるのかなと思います。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

金元:声優のお仕事を続けていられるのは、作品があって、キャラクターがいるからだということに、すごく感謝しています。これからもっと、みなさんに楽しんでいただけるように頑張りますので、よろしくお願いします。

【声優図鑑】金元寿子さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

金元寿子

金元寿子

金元寿子(ぷろだくしょんバオバブ)

金元寿子オフィシャルブログ「行き先はいつも気ままに」

◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト