「高橋英則」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ

公開日:2016/1/15

高橋英則

編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第101回となる今回は、「刀剣乱舞」石切丸役、「AMNESIA」のワカ役などを演じる高橋英則さんです。

――では、声優を目指したきっかけを教えてください!

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高橋:もともと声優に興味はあったんです。小学校の時、教科書を読む時に声色を変えたりとか、おもしろおかしく読む男子がいたじゃないですか、自分もそのうちの一人だったので(笑)。友達から「声優になれば?」と言われることもあったんですけど、その時は人前に出るなんて出来ないと思っていて。

――その気持ちがなぜ変わったのですか?

高橋:地元が青森で、家にお金を入れなきゃいけなかったので、地元の就職を経て、夜行バスに乗って東京に来て就職したんです。でも、21歳くらいの時、アルバイトでも夢を追いかけているストリートミュージシャンとかの姿を見て、刺激をもらって。自分も、その頃憧れていたクリス・ペプラーさんの影響でラジオのDJになりたいと思って入った先が、声優の養成所だったんです。

――“声”という意味では近いですが(笑)。

高橋:なりたい、とか言っている割には全然調べられてなくて(笑)。時期も3月くらいだったし、調べたら声優の養成所ばかりで。でも、台本を読んでみたら楽しくて。人の繫がりも増えたし、じゃあこのままやってみようと。それで、子供の頃から見ていた映画の役者さんをたどっていったら、マウスプロモーション所属の方が多くて。ありがたいことに、自分のことも受け入れてくださって、本当に幸運でした。

――なるほど。そんな高橋さんは、休日はどんな風に過ごしていますか?

高橋:性格が極端なので、インドアの時はひたすらこもってますし、アウトドアの時はとことん外にでます。たとえば、休みが取れて、ぶっ続けで映画を見ようと思った時は、朝から晩まで、時間が許す限り、映画を見ます。

――多くて何本くらい?

高橋:1本2時間として…6本は見られますね。ミステリーだったら何を見ようかと考えて、その次はアクションを見て、次にホラーを見て、ちょっと気分が沈んだところでコメディを見る…とか、組み合わせを考えるのがすごく好きです。学生の時も本当に映画にはまっていて、学校から帰ったら必ず映画を3〜4本見るっていう生活をしていました。

高橋英則

――最近見た中でおもしろかった映画は?

高橋:「ザ・コール 緊急通報指令室」です。ハル・ベリー主演の。緊急通報用の電話の話なんです。誘拐された女の子を助けるという。最近見た中ではいちばんおもしろかったです。あ、見る時は吹き替えをおすすめします! すごくテンポがいいので、字幕を追いかけていると見逃すところが多くなると思うので。

――映画はいつも吹き替えで見るほうですか?

高橋:場合によります。今みたいにテンポの早い作品は吹き替え、そうでないものは字幕で見たりもしますし、一緒に仕事をした方が出演されていたりすると、マイク前の姿が思い浮かんじゃうので(笑)。集中するためにも、あえて字幕に。

――アウトドアで過ごす場合は、どんな風に?

高橋:仕事帰りは一人で行動することも多いんですけど、最近家にこもってるな〜という時は、まず、友達を呼び出します(笑)。それで、そのメンバーで普段は絶対に出かけないようなところに行くんです。

――まず、携わったコンシューマゲーム作品について伺います! 昨年7月にリリースされたゲーム「絶対迎撃ウォーズ」(PS3/PS Vita用ソフト)のガーンズバックはどんなキャラクターですか?

高橋:髭もじゃで、自分よりも年上のキャラクターです。司令官として人の上に立つ立場なので、そこに注目して演じました。自分より上の年齢の役をいただく時はいつも、最初に考えるのが「言葉の重み」なんですよね。たとえばガーンズバックはオペレーターなので、指示を出す台詞にどれだけ重みを乗せられるのかと。

――では、スマホゲーム「ヴァリアントナイツ」のガルム=ヴァルカン役は?

高橋:すごく勢いがあって、普段は頼りないんだけど、ここぞという時に頼りになるキャラクターですね。攻撃的で、言葉づかいは荒いんだけど、決してワルいやつではない。叫ぶ台詞が多かったので、バーッと気持ちよく声を出して、汗をかきながら収録してました(笑)。

高橋英則

――「刀剣乱舞」で演じられている石切丸役は、人気のキャラクターですね!

高橋:普段は渋めの役をいただくことが多いので、石切丸役をいただいたときは、どう演じようかと悩みました。台本を読んだ時に優しい印象を受けたので。戦闘に臨む時は迫力も必要なので役の内面を上手く表現できればと考えて演じてみました。

――特に悩んだというか、苦労した台詞はありますか?

高橋:出陣する時の台詞は、自分なりのこだわりを入れました。いつもの神事をしなければならないという気持ちと、戦いに向かう気持ちと、石切丸の中での葛藤を表現しました。

――石切丸は、パパ的なあったかいところも人気の理由の一つで。

高橋:そう、石切丸がパパで、三日月宗近がじいじと言われているのを聞いて、おもしろいな〜と。どんなところがパパっぽいのか聞いてみたいですね(笑)。

――ちなみに、日本刀に興味はありますか?

高橋:興味がありますね。男の憧れのようなもので、舞台の殺陣に憧れていて。今はお休みしていますけど、個人的に居合いのお稽古ゴトをしていたこともあるので、模造刀も持っていますし。小さい頃から時代劇も好きでした。

――時代劇ですか。例えばどんな作品が?

高橋:連続ドラマでいうと「三匹が斬る!」がいちばん好きで、時代劇にはまったきっかけになった作品でもあります。映画では、黒澤明監督の作品とか、「十三人の刺客」とか。刀はもちろん、古風な表現が好きなんです。たとえば、死を覚悟した侍が、「いつ戻るの?」と聞かれて、「帰りが遅ければ、迎え火焚いて待っててくれ」と返したりとか、台詞回しが粋ですよね。

高橋英則

――そして、「AMNESIA」のワカ役も、攻略キャラではないものの、男性キャラとして人気でした。

高橋:ワカ役は、同一人物のまま、各世界ごとにキャラクターが変わるというところに、惹かれた役でした。役者ですから、いろんなキャラクターを演じられることは幸せなことでした。続編が出た時は、キャラクターが増えた分、変化をつける大変さはありましたけど、そんな悩みさえも楽しく感じていました。

――ワカの中で、特に気に入っていたキャラクターは?

高橋:そうですね、オネェキャラが気に入っています(笑)。やっぱり自分のリアルの世界と比べると、いちばんかけ離れたところにいる役だと思うので(笑)。演じれば演じるほど、自分とは別の人物になりきることができました。

――「AMNESIA」ではミュージカルにも挑戦されていましたが、それまでに舞台の経験は…?

高橋:舞台は2度目で、ミュージカルは初めてでした。最初は経験がないのに、作品を楽しむ方たちの前に立っちゃいけないんじゃないかって考えたりもしたんですが、スタッフの方々が話をしてくださって今できることを精一杯やろうと、納得できるまで練習をして。結果的に、ワカというキャラクターを楽しんでいただいた方がいたとしたら、出演させていただいてよかったと思います。スタッフの方々にはとても感謝しています。

――歌もダンスも素晴らしくて、とても初めてとは思えなかったです…。

高橋:そうですか!? 嬉しいです。「AMNESIA」は、CDドラマ、ゲーム、アニメ、ミュージカルと、初めてのことがたくさん詰まっていて、自分の中でフルコンプできたような作品でした。中の人として、それから2,5次元で演じるキャラクターとして、ワカ役をやりきったなと。

高橋英則

――モテ福へ新従業員として出演が決まりましたが、感想と意気込みをお聞かせください。

高橋:参加回数はまだまだ少ないですが番組独特な雰囲気を感じましたし、早くも洗礼を受けたように思います。回を増す毎にハートが強くなってくれる事を願います(笑)

――イベントにも出演されましたが、いかがでしたか?

高橋:皆さんのリアクションがとても優しくて心強く思いました。そして、拍手に代わる桶拍手には圧倒されましたし、癖にもなりました。また早く聞きたいです。

――それでは、これから声優として、挑戦してみたいことはありますか?

高橋:自分がやってみたいだけではダメだなと思っているので、ご依頼をいただくことに対しては、何でも挑戦させていただきたいです。まだまだ経験していないことが多いので、何にでも挑戦したいです。

――最後に、この記事を読んでくれた方にメッセージをお願いします!

高橋:最近ありがたいことに、人前に出させてもらう機会が増えて、自分を認識してもらえることも多くなりました。本当にみなさんのおかげだな、と思います。自分が出演した作品を見て影響を受けたという言葉を伝えていただくことも、すごく嬉しいです。これからも、もっともっとみなさんにお届けする作品が増えるように頑張りたいです。あとはもう、自分は楽しみながら仕事することをいちばん大切にしているので、その楽しみが作品を通してみなさんに伝われば嬉しいです。

【声優図鑑】高橋英則さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

高橋英則

高橋英則(マウスプロモーション)

高橋英則 Twitter

◆撮影協力
magic tone studio(マジックトーンスタジオ)

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト