綾辻行人が京極夏彦を追う! ありえない面白さの超絶エンタメ

新刊著者インタビュー

公開日:2016/2/5

綾辻&京極ファンも納得 圧巻のどんでん返し

 そして物語のクライマックス。綾辻と京極は断崖上で対峙する。確実に犯人を事故死させられる綾辻と、負けることはないと豪語する京極。果たして勝利の女神が微笑むのはどちらか? どんでん返しの連続の果てに、想像も付かないラストが待ち受けている。

「お二人のファンは小説の読者としても目が肥えています。そういう方に『やっぱりこの感じだよね』と満足してもらうには、一度や二度のどんでん返しじゃ駄目だと思ったんですよ。僕自身、どんでん返しが幾つもある作品は大好き。次々にひっくり返るうちに、次第にフラフラしてきて『もう何でも作者の言うことを聞きます』という状態になってしまう(笑)。あの感覚が好きなんです」

 綾辻と京極のどちらが勝利を収めるかは、作品を読んでのお楽しみ。「vsもの」のラストとして非常に満足のいく結末であることは断言しておこう。新米エージェント辻村の成長譚としても、読み応えは十分だ。

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「そう言ってもらって安心しました。マンガ本編のファンにも、綾辻先生、京極先生、辻村先生のファンにも喜んでもらえるように書いた作品です。キャラクター名など、随所でニヤッとしてもらえるはず。いつになるかは分かりませんが、綾辻と京極の物語をもっと書いてみたい気持ちですね。この先どうやって続けるんだ、というラストですけど、そこは未来の自分にがんばってもらいます(笑)」

 ヒットメイカーが持てるすべてを注ぎ込んだ、クールで知的でスタイリッシュな最先端エンターテインメント。マンガを読んでない人にも全力でオススメしたい、稀に見る快作なのだ。

取材・文=朝宮運河 写真=首藤幹夫

 

紙『文豪ストレイドッグス外伝 綾辻行人VS.京極夏彦』

KADOKAWA 朝霧カフカ/著 春河35/イラスト 
1000円(税別)

危険な異能力のため、政府の監視下に置かれている“殺人探偵”綾辻行人は、監視役であるエージェント辻村深月とともに、ある殺人事件を解決する。しかしその背後には“妖術師”と呼ばれるあの男の存在があった──。現役作家3名がキャラクターとなって登場する、人気コミック『文豪ストレイドッグス』の異色外伝小説!