ニッポン放送・吉田尚記アナが「まとめサイト」より「dマガジン」を読む理由とは?

更新日:2016/4/1

 2014年6月のサービス開始以来、注目を集めているドコモの「dマガジン」。ドコモユーザーでなくても月額400円(税抜)で人気雑誌の最新号160誌以上、最大1年分のバックナンバーも含めると1,000冊以上が読み放題のこのサービス、契約者は早くも309万人を突破(2016年3月18日現在)したという。なぜ、こんなに人気があるのか。愛用者のひとりニッポン放送の吉田尚記アナに、「dマガジン」の魅力を聞いてみた。

まとめサイトみるなら「dマガジン」がおすすめ

――吉田さんは「dマガジン」を愛用されているそうですね。どんな時に使われるんですか?

 エレベーターを待っている時とか、少しでも時間があると使いますね。短時間にぱーっと見ることができるのはめちゃめちゃありがたいですよね。僕は大きめの画面のスマホを使っているので普段はこれで、家では大小のタブレット、仕事中はPCでも見ます(※)。ラジオ局という仕事柄か会社の同僚も結構使っています。

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※「dマガジン」では、1つのアカウントでスマホやタブレットを5台、さらに1台のPCまで登録可能。

――ネットで面白いことを探してきた吉田さんが、再び「dマガジン」で雑誌というカルチャーに戻ってきたわけですよね。面白さをどこに感じていますか?

 以前、ネットではRSSやニュースサイトを読んでいたんですが、その代わりが「dマガジン」だったんですね。今、まとめサイトを読む人がいると思うんですが、あれってちょっとした暇な時間、たとえば電車を待っている時とかなんですよ。ただ、冷静に考えてみると、コンテンツを作る側のクオリティーには食品衛生法以前の屋台みたいなヤバさがあった(笑)。それに対して、雑誌はプロが仕事として作ってるもので、「dマガジン」はその集大成なわけですよ。つまり、ネットと「dマガジン」ではどっちを摂取したほうが身体にいいかってことで、それなら絶対「dマガジン」のほうかな、と。

――「dマガジン」はネットというメディアは使っているけれど、そもそも情報の質が違うと?

 ネットの情報は「本当か?」ということよりも「面白い感じがするか」が重要で、そこに引っ張られていきやすい。だから「それを信じると後でまずいぞ」ということも沢山あるんですよね。中には、すっごく良い記事もありますが、ヒドい記事も多い。それに対して雑誌のレベルは真ん中より上がボリュームゾーンなんじゃないかな。雑誌やネットは目的なしに見ているんだとしても、どうせならクオリティーの高いコンテンツにあたる確率をあげたほうがいいし、だったら雑誌を選ぼうかなと思ったわけです。ただ、僕は雑誌で育ってきた世代だから本質的なことをわかっているけれど、今の若い世代は雑誌の力にまだ気がついてないかもしれないですね。いってみれば雑誌って「ちゃんとした管理人のまとめサイト」みたいなものなんですけどね。

偶然出会った読みたい記事だけ読めるのって贅沢ですよ

――必ずチェックする雑誌はありますか?

 むしろ見るつもりのない雑誌もバンバン目に入ってくるので、そこがいいんですよね。一度も買ったことない雑誌でも見たい気がしてくるし、ネットなら読みそうもない記事でも読んじゃうこともある。あと、売り切れた『週刊文春』が読めちゃうのもありがたいですよね(笑)。

 個人的には、昔読んでたけど離れてしまった『週刊ファミ通』と『週刊アスキー』を再び読むようになりました。実は『週刊ファミ通』は長い間近所の書店に取り寄せてもらって、定期購読していたんですが、1年に4冊位しか読んでないのに毎週部屋に積み上げていくのがイヤになってやめたんです。それが「dマガジン」にドサッとあるというのは素晴らしい。

――ハンディで読みやすくなったことで、毎週、ちゃんと消化している感じですか?

 そこは実は発想が変わったんですよ。「1冊読み切る」という意識が、「時間アタリでどのくらい読むか」になったんです。1日にせいぜい15分位しか読めなかったとして、「dマガジン」は本当に興味のある記事だけを読むことができる。一方、雑誌を買っていた時代は、とにかく1冊まるごとを15分より時間をかけて読んでいたわけです。読みたい記事だけ読めるって贅沢ですよね。しかもいくら読んでも料金は同じというのがいい。

――確かに「dマガジン」は定額(月額400円・税抜)で読み放題というのはうれしいですよね。

 パッケージにすることに意味がすごくあるサービスですよね。だって、たとえば「スカパーの150チャンネルパック」では複数のチャンネルを同時には見られない。雑誌には時間軸がないので自在にアクセスできるし、まとめてしまうことにすごく優位性があるサービスだと思います。空き時間なんていつできるかわからないですしね。

意味のある情報、質の高い情報にはお金を払わざるを得ないもの

――雑誌『ダ・ヴィンチ』も「dマガジン」にあるので読めますが、吉田さんは今、宇野常寛さんと「新しい地図の見つけ方」を連載されていますよね。

 次号(4/6発売号)が最終回となるんですが、対談のきっかけは、宇野さんも僕も「世の中に文句がありげだ」ということでした。今の時代について、宇野さんは「そもそもがおかしい」という立場で発言することが多いんですが、僕は「結構いろんなものが揃っているのに、みんな有効活用してないよね」という感じで発言していました。

――連載の中で、吉田さんが「インターネットはインデックス」っておっしゃっていたのが印象的でした。単にパラパラ見るだけで、終わっていいのか、その先の行動を起こすかが大事だと。その意味では「dマガジン」は「雑誌」なので、ネット的なインデックスで終わりにくいのかなと。

 ネットの情報の「そこまで感」ってすごくあるんですよね。そこでおしまいという感じはすごくする。雑誌だと「その先感」があるか…、うーん、ちょっとありそうな気がするんですよね。情報を無視できるかできないかが問題なのかもしれない。なんというか雑誌とネットの情報では距離感が違うんですよね。

――雑誌は基本的に書店で流通させる物として作られているから、作るのには人も時間もお金もかかる。そういう雑誌がWEB上で横並びに見られるというのは過渡期的な状況でもあるのかも。

 僕は「dマガジン」って次のメディアサービスのあり方なんだと思います。簡単にいうと「情報はタダじゃねえぞ」って話なんですが、今までは適正価格ではなかったのかもしれません。だって、たとえば『週刊文春』でベッキーの記事だけ読みたいという人もいれば、「考えるヒット」だけ読みたい人もいるのに、今まではその人たちに一律で雑誌を買ってもらうしかなかったわけで。それが情報流通スタイルの発達で、ちょうどいい価格になったんじゃないのかな。「意味のある情報にはお金を払わざるを得ないよ」という前提もはっきりしているし、その分クオリティーは高いという、メディアサービスだと思います。

 確かに吉田さんのいうように「dマガジン」は「信頼できる新しい情報サービス」といえるのかもしれない。インタビューでは触れていないが、雑誌をジャンルごとに選べるだけでなく、「芸能・エンタメ」「経済・ビジネス」「グルメ」など記事のジャンル別に読み比べできる機能などは、リアルの雑誌でやろうとするとハードルが高すぎること。それがネットのニュースサイトを読むのと同じように、指先ひとつで、雑誌横断で読めるとは画期的だ。

 ほかにも好きな雑誌をお気に入りに登録したり、あとで読みたい記事を保存できる“クリッピング”機能があったりと、デジタルならではの工夫に加え、「ダブルタップで誌面を実寸表示」といった元祖雑誌世代の中高年にうれしい配慮もある。本好きの『ダ・ヴィンチ』読者ならたった400円で「コンビニにいかずして雑誌の立ち読みし放題」と考えたら、それだけで「極楽!」と思う人も多いはず。現在、初回31日間無料キャンペーン中とのことなので、未体験という方は早速お試ししてみてはいかがだろう。

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取材・文=荒井理恵