「やっとこのときがきた!」劇場版 SAO公開直前!キリト役・松岡禎丞インタビュー

アニメ部

2017/2/17

 『ソードアート・オンライン』シリーズの完全新作となる『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』が、2月18日(土)にいよいよ幕を開ける。2012年と2014年にテレビシリーズが放送され、2015年に映画化が発表されてから、まだかまだかと公開が待ち望まれていた。

 先日、1月下旬にはついに本予告が公開! LiSAが歌う主題歌「Catch the Moment」に乗せて、新キャラとなるエイジとキリトの疾走感あふれる戦闘シーン、新たに登場するARMMORPG《オーディナル・スケール》の壮大な世界、そしてアスナが、クラインが、シリカが……! と、期待を裏切らない感動と涙の展開があり、ファンからは「予告だけで泣きそう」「待ち遠しくて毎日観てる」「3期希望!」と歓喜の声が挙がっている。

 劇場版の舞台となるのは、AR (拡張現実)機能を搭載した《オーグマー》専用のARMMORPG《オーディナル・スケール》の世界。アスナたちもプレイするそのゲームに、キリトも参戦しようとするところから物語は始まる。今回は、公開を直前に控えたキリト役の松岡禎丞さんに話を聞くことができた。

《黒の剣士》ことキリトらしい黒いジャケット姿で松岡さんが登場

――予告を観たファンから「公開を待ちきれない」という声が続々と挙がっています!

松岡:僕も、やっとこのときがきたか! と思っています。劇場で『ソードアート・オンライン(以下SAO)』を観るのは、僕の夢でもあったんですよね。テレビアニメの上映会で客席の後ろからこっそり上映を観ることもあったので、あの迫力で映画を観たらどうなるんだろうなと。

――しかも完全新作ですから、楽しみが倍増です。

松岡:物語の設定を聞いたときは、正直“嘘でしょ?”って思いましたね(笑)。どういう展開になったらそうなるんだろうと…。ストーリーを聞いてから、うまく話に盛り込まれたなって納得した感じです。

キリトやアスナがつけているAR型最新情報端末《オーグマー》は、ソニー(株)のクリエイティブセンターが実際にデザインしたもの

――台本を読んだのはいつ頃ですか?

松岡:2016年の秋頃かな、アフレコが始まる1週間前くらいです。家で何回も何回もV(アフレコ用のビデオ)を観ましたね。線画の状態で。

――線画でのアフレコはよくあることだと思いますが、かなりの想像力が必要なんでしょうね。

松岡:それは、職業柄というか今までの経験から、この線画に絵がついたらどうなるのかっていうのが、なんとなく頭の中で想像できるんですよ。たとえば剣の振り方とか。それが、仕上がってきた絵と合致していたら、ああ良かった…ってなるんですけど。劇場版でいちばん良かったと思ったのは、予告のPVでオオカミみたいな敵が襲ってくるところ。グーッて押されたところで剣を1回ズラしながら引くんだろうな…っと思って演じたら、絵とぴったり合っていたので嬉しかったです。

――キリトやアスナに会うのはテレビ版以来というファンも多いかと。松岡さんが久しぶりに会えて嬉しかったキャラクターとは?

松岡:テレビシリーズが終わってから2年間ほど、コンシューマーやアプリゲームではアフレコがあったんですけど、久しぶりに生の掛け合いができて嬉しかったのはやっぱりアスナですね。さらに個人的に言うとリズ。僕、リズが大好きなので。

――松岡さんのリズ好きは『SAO』ファンなら知るところですが、劇場版でもやはり。

松岡:テレビシリーズのときから思っていたんですけど、リズ、報われないな〜と。アスナのために身を引くところがホントにいい子だなって思ってるんですよ。第1期の鍛冶屋のシーンで、キリトとリズの間にアスナが突っ込んできて、「おい! そこで?」っていう感じになるという…。アスナが来なければ、もしかしたら未来が変わっていたかもしれないのに(笑)。

――違う展開があったかもしれない。

松岡:“鍛冶屋リズ&キリト”みたいなストーリーに変わっていたかもしれませんからね。僕の中の妄想としては、ちょっと観てみたいです(笑)。

おなじみのキャラクターたちに劇場で会える! 現実のシーンでは制服姿が新鮮だ

――(笑)。久々に他の共演者と掛け合ったアフレコはどうでしたか。

松岡:テレビシリーズから第2期から2週間後の話なので、現場に入るまでは、あのときのキリトにちゃんと戻れるのか不安はあったんですよ。でも、はいテストいきますって言われて、ひと声掛け合った瞬間に、“ああ、これだよ”ってバラバラだったピースがひとつにまとまる感覚があって。これこそ自分の知っている『SAO』だ、その扉が開いたっていう感じでしたね。心配したこと自体が恥ずかしかったくらいです。

――結果的には何の心配もいらなかったと。いろいろ準備はされていったと思いますが。

松岡:いちばん怖かったのは、コンシューマーやアプリゲームシリーズのほうのキリトって達観していってるんですよ、でもテレビシリーズからの流れではそこまでではないんですよね。だから、自分の中にあるキリトの基本の声のトーンを何パターンか作っていって。

――テレビシリーズの流れのキリトに会えるんですね。一方、戦闘シーンはVRではなく、生身の体を使うARになっていて。

松岡:その違いはがっちり作っていきましたね。作中にもあるんですけど、VRだとソードスキルでシステム補正が入るから体が軽くなったりして、第1期の《フェアリィ・ダンス》編で直葉と剣道をしたときにもそうだったんですけど、現実での戦闘だと、身体的な変化が大きくなるのかなと。

――身体的な変化をどのように?

松岡:キリト自身の体で剣を振るので、さっきお話したオオカミのシーンみたいに、攻撃を受けてからの剣の返しとか、攻撃するときの息遣いはすごく研究していきましたね。実際に2リットルのペットボトルを振って、それを止められるのかっていう…。おぉーもい! 遠心力もはたらいてる!!! って感じで(笑)。

キリトの生身の剣さばきを、松岡さんが体当たりで演じている

――スタミナ的には大変そうですが、日常空間がゲーム空間になる《オーディナル・スケール》は、ゲーム好きにとって夢のような話かと。もし実際にあったら、松岡さんもプレイしたいですか?

松岡:それはもう、プレイしたいですね。まあ、実際問題として車や信号を無視していいのかっていう問題もあるんでしょうけど(笑)。きっと外出するのが楽しくなりますよ。

――歩いている途中でみんなが戦っているわけで。

松岡:そうですね…これはアフレコの最中にみんなで話してたんですけど、《オーグマー》をしていない人間には戦闘シーンがどう見えるんだろうねと。たぶん不思議な踊りでもしているように見えるんでしょうね(笑)。

劇中には、実際にある街がAR (拡張現実)となって登場。スクリーンでは、まるで自分も《オーディナル・スケール》に参加しているように、その迫力を楽しめるはずだ。

――それはそれで楽しそうです(笑)。戦ってみたいボスはいますか?

松岡:それはなんといってもグリームアイズですかね! 第1期で初めて《スターバースト・ストリーム》を放ったときの。あのボスにはなかなか縁がありますし、僕もバンダイナムコさんのCMで実際に戦いましたし…グリーンバックでしたけど、あんなにCGを使われるとは(笑)。だから、現実にヤツと戦ってみたいですね。

――CMでは勝利していましたが、現実で勝てる自信は。

松岡:いや〜勝てないでしょうね(笑)! 他の声優さんを集めてレイドを組んでいこうと思います(笑)。

――新たな設定やキャラクターも盛りだくさんの劇場版で、松岡さんが受け取ったメッセージとは?

松岡:敵と味方っていうものが何なのかを考えさせられました。エイジは最初のほうで敵のような言動もありますけど、自分がもしその立場だったらどうするんだろうと。今まで『SAO』を観てきた方も初めて観る方も、最後まで観たらこのキャラクターが敵だとは思えないと思うんですよね。僕も敵っていう言い方をしたくないですし。そういう“人の想い”が本当にリアルに描かれている作品なので、いろんな方々に観ていただきたいですね。あとは…キリト、男としてそろそろ決断しろよ! と思います(笑)。

《オーディナル・スケール》内で高い《ランク》を誇る謎の青年剣士・エイジの正体は…?

――(笑)。本当に公開が楽しみです! もし劇場版の次の展開があるなら何を期待しますか?

松岡:それはもう、第3期をぜひやりたいですね。この《オーディナル・スケール》が公開されて、そこから《アリシゼーション》に繋がる…みたいな流れになれば、いちばんいいと思うんですけどね。

松岡さん、ありがとうございました! 劇場版の内容はもちろん、第3期の実現…本当に気になりますね!!

さて、公開はもうすぐそこ。大人気の作品だけに、初見の人は「今さら楽しめるかな…」と不安になるかもしれないが、独特の世界観を持っていながら誰でも楽しめるのが、珠玉のエンターテイメント『SAO』の魅力。もちろん、より深く楽しみたいならテレビアニメの第1期、第2期を見返してから劇場に行くことをおすすめする。

取材・文=麻布たぬ

劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-

2月18日(土)全国ロードショー
劇場版公式サイト:http://sao-movie.net/

[PROFILE]
まつおかよしつぐ
1986年9月17日生まれ。北海道出身。アイムエンタープライズ所属。2011年、「神様のメモ帳」に藤島鳴海役で初主演し、同年度に第6回声優アワード新人男優賞を受賞。2012年、『ソードアート・オンライン』のキリト役を演じる。他に、主な出演作は『さくら荘のペットな彼女』(神田空太役)、『冴えない彼女の育てかた』(安芸倫也役)、『食戟のソーマ』(幸平創真役)、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』(ベル・クラネル役)、『Re:ゼロから始める異世界生活』(ペテルギウス・ロマネコンティ役)など。

[STAFF]
原作:川原 礫(「電撃文庫」刊)/原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:伊藤智彦 /脚本:川原 礫・伊藤智彦/キャラクターデザイン・総作画監督:足立慎吾/モンスターデザイン: 柳 隆太/プロップデザイン:西口智也/UI デザイン:ワツジサトシ/美術監督:長島孝幸/美術監修:竹田悠介/美術設定:塩澤良憲/色彩設計:橋本 賢/コンセプトアート:堀 壮太郎/撮影監督:脇 顯太朗/CG 監督:雲藤隆太 /編集:西山 茂/音響監督:岩浪美和/音楽:梶浦由記
制作:A-1 Pictures 配給:アニプレックス 製作:SAO MOVIE Project

[CAST]
キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞/アスナ(結城明日奈):戸松遥/ユイ:伊藤かな恵/リーファ(桐ヶ谷直葉):竹達彩奈/シリカ(綾野珪子):日高里菜/リズベット(篠崎里香):高垣彩陽/ シノン(朝田詩乃):沢城みゆき/クライン(壷井遼太郎):平田広明/エギル(アンドリュー・ギルバート・ミルズ):安元洋貴/茅場晶彦:山寺宏一
ユナ:神田沙也加/エイジ:井上芳雄/重村:鹿賀丈史

[主題歌]
LiSA 「Catch the Moment」

(C)2016 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project