「森なな子」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2017/3/22

森なな子

 編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第156回となる今回は、「キラキラ☆プリキュアアラモード」の剣城あきら・キュアショコラ役などを演じる森なな子さんです。

――現在放送中の「キラキラ☆プリキュアアラモード」に剣城あきら・キュアショコラ役で出演されています。役が決まったときのお気持ちは?

森:ショコラ役が決まったと聞いた時は驚きました。オーディションではベストを尽くしたけど、正直自信はなかった。でもすぐ喜びに変わって、浮かれて危うく赤信号を渡りそうになりました。
プリキュアシリーズでは「ハートキャッチ・プリキュア」を見ていたのですが、ショコラが決まってから、他のシリーズも何話か見たんです。そのうち歴史ある作品、お子様の成長に絶大な影響を及ぼすプリキュアを演じることの実感がどんどん湧いてきて、収録初日は喜びより緊張の方が大きかったです。

――公式サイトのインタビューで、「プリキュアと言えば、どのキャラクターを好きになるかでその後のアイデンティティーが決まるような、女の子にとって大きなイベント事」という言葉が印象に残りました。

森:子どもたちの将来に関わるお仕事だなって、本気で思います。ちなみに、私は「(美少女戦士)セーラームーン」でいうとウラヌスが好きで、なんとなく自分に重ね合わせていたところが漠然とあったので。だから、責任を持って大事に演じていきたいと思ってます。

――「セーラームーン」を観ていた小さい頃は、ボーイッシュな女の子だったということですか?

森:全然女の子らしくなかったです(笑)。兄がいたせいかもしれませんけど、リボンとかスカートとか、そういうものにまったく興味がなくて。ただ、母が私を宝塚に入れるためにいろいろ習い事をさせていたので、ピアノとバレエは女の子っぽい習い事でした。でも、踊ること自体は好きでしたけど、かわいらしいチュチュを着ることに全然溶け込めなくて、早くジーパン履きたい、ズボン履きたい! と思っていました。走り回るのも好きだったし。

――宝塚入りは、お母様の願望でもあったんですね。

森:福岡の出身なんですけど、私がおむつを履いているときから、母に連れられて宝塚を観劇してたんです。小さいときから私は男役になるんだと思っていたので、ボーイッシュなものに興味があったのかもしれません。でも、宝塚に入る前からアニメや漫画が大好きで、趣味というより日常の一部だったんです。

――アニメや漫画が大好きということは、声優という仕事にも興味があったんでしょうか。

森:今回「プリキュア」の役が発表されたときに、宝塚の同期からたくさんお祝いの連絡をもらったんです。そのとき、私は全然覚えてないんですけど、「そういえばモーリーはずっと声優になりたいって言ってたよね」って言われて。なりたいとは思ってましたけど、それを周りに言った覚えがなかったので。宝塚OGは女優になる方もモデルになる方もいますけど、私は声優っていうポジションを切り開いていけたらいいなと思ってます。

――もし自分の興味の赴くままに進んでいたら、最初から声優を目指していたかもしれませんね。

森:そうですね、宝塚はもちろん大ファンでしたが、母の意思も強かったので。自分で何も考えずに自然と興味を持っていたのはアニメや漫画であり、声優への道でした。漫画も描いてたんです。アニメージュに載ったこともありました。ハガキに描いたちょっとした4コマ漫画で、大したことないんですけど(笑)。中学生の頃から、ファッション雑誌ではなくて、 アニメージュやアニメディアを買うような子でした。

――声優になってからは吹き替えのお仕事も多かったようです。

森:そうですね。初めてのマイク前のお仕事は、アプリゲームのお仕事でした。吹替は事務所に入って初めて演らせて頂きました。先輩方のお芝居に圧倒されたのを覚えています。
今はありがたいことに吹替を多く演らせて頂いていて、毎回緊張するけど、やはり楽しいです。
同じくらいアニメもやれたらいいなと思っています。

――両方やられている声優さんも多いですよね。

森:そうなんです。同じ事務所の先輩の田中敦子さんは憧れの先輩ですし、私もそういう風にお仕事がしたいな〜と思っていたら、「プリキュア」のオーディションに合格させていただいて。

――これを機にアニメにたくさん出たいというお気持ちはありますか?

森:はい! けっこう貪欲にあります(笑)。

――代表作といえるような吹き替え作品は?

森:「スポットライト 世紀のスクープ」っていう映画では、レイチェル・マクアダムスが演じた紅一点のヒロインを演じさせていただきました。題材自体が重たいんですよ、教会が組織ぐるみで子供たちに性的虐待をしていたっていう。その役が決まったときはジャーナリズムについて調べたりして役作りしました。

「サイダーハウス・ルール」という映画では、シャーリーズ・セロンが演じたヒロイン役を。やっぱり知っている女優さんの声を演じさせていただくのって感慨深くって。うれしい反面、緊張も大きかったです。少し前の作品なので、もともと別の吹き替えがあったんですけど、私はNetflixバージョンで出演しました。もとの吹き替えは、あえて聞いてないんです! 自分が演じる理由が欲しいじゃないですか。芝居ってそういうものだと思うし。

――男役から一転して、声の演技でヒロイン…つまり女性の役を演じることに戸惑いは?

森:女性を演じること自体に戸惑いはなかったです。ただ、舞台の感じでパーンと声を出すと圧が強すぎて、周りの方にご迷惑をおかけしたと思います。マイク前で圧が強い声を出すと怒って聞こえるんですよね。気の強い役だったらいいんですけど。そこの調整は苦労しました。

――ちなみに、アニメやゲームでボーイッシュな役を演じるとき、男役との違いはありますか?

森:若く演じています。舞台のノリだと…老けすぎちゃうのかな!? 絵に合うように心がけているので、かわいい要素を多めにしているというか。

――パーソナルな話になりますが、タカラジェンヌは普段の生活の中でも、ファンの理想を壊さないように工夫していると聞きます。森さんのタカラジェンヌ時代はどうでしたか?

森:めちゃくちゃ気をつけてました。もともと自分が宝塚ファンだったから、自分が憧れていたスターさんがこういうことしたらイヤだなっていうことはしないように。たとえば、楽屋入りのタイミングで必ずファンの方がお写真を撮るんです。そのとき、デニムパンツスタイルだったんですけど、パンプスだと肌が見えるじゃないですか。それがイヤでブーツにインして肌を隠したりとか。絶対女らしさを見せたくなくて、特に服装は気をつけてました。その頃は内面も男でしたけど(笑)。

――さすがに徹底していますね。女性である自分を排除していくことに苦はなかったでしょうか。

森:そのときはその姿が私であり理想だったので、苦ではなかったです。宝塚を辞めたきっかけは、若いうちにスカート履きたい!って思ったからなんです。そう思った瞬間に「私はもう人様の前で男役をする資格がないな」と思って。だって、自分が憧れてた人が帰ったら女だったらイヤだから(笑)。私めんどくさいやつだったと思うんですよね、頑なだったので。ある意味、そこもオタク気質だったのかなと思います。

――思い込んだら突き進むタイプだと。声優になってから生活面で変わったことはどんなことですか? スカートは履けたようですが(笑)。

森:そうですね(笑)。あとは、日常生活の中で人の表情を観察するようになりました。たとえばカフェで、遠くでしゃべっている人を見ながら心の中で声をあてたりとか。ちょっと変わってるかもしれないけど、それが楽しかったりして(笑)。

――やはり日常生活でも役者さんという感じです。森さんはミス・ユニバース・ジャパンのファイナリストでもありますが、美容でケアしていることは?

森:食べすぎ飲みすぎのときは、なるべく岩盤浴ヨガでデトックスするようにしてます。あとは、内臓に負担がかからないっていうコールドプレスジュースを晩御飯代わりに飲むと、次の日もがんばれます(笑)。

――飲みすぎるほど飲みこともあるんですね。

森:収録が終わったあとに、皆さんとご飯に行くことが多いんです。ご一緒したら、ついつい…。飲むとあんまり食べなくなるんですけど、お酒は進むんですよね! 特にビールが好きで、16時からの収録だと19時を過ぎたころにはもう「ビール飲みたいな」って(笑)。

――そこまで飲むということは、お酒の失敗談もありますか?

森:ありますよ! 泣き上戸になることが、たまに。まだお芝居に必死すぎて座組みのことまで考えられないんですけど、もっと収録中に私が盛り上げればよかった…とか、お酒を飲んでてもだいたい仕事の話ですよね。劇団にいたから、たぶんそういう気質なんです。それに、今の事務所の先輩にそうやって面倒をみてもらったので、私もそうしたいと思って。

――休日の過ごし方は?

森:時間を気にせず、遅くまで寝てます。仕事の日は、朝必ずその日のリハーサルをするんです。セリフ量が多いと平気で1時間くらいかかっちゃって、起きる時間が早くなるので、休みの日は寝る! 基本は寝たい人なので(笑)。時間があれば、海までドライブしています。

――遠くまで足を伸ばすのがお好きなんでしょうか。ブログにも、グランドキャニオンに旅行したときの記事が載っていました。

森:あれは、ミス・ユニバースの大会が終わったあとに、何もかも脱ぎ捨てて海外逃亡しようと思って(笑)。宝塚を辞めたあとは少し顔出しのお仕事をしていて。映画に出たりしましたけど、私は観る側だなって。もともと声優になりたかったし。ミス・ユニバースのインタビューでも「声優になりたい」って言ってるんです。

――それが今、ようやく声優になって、念願だったアニメの初メインキャストも務めているんですね。

森:とにかく必死で、余裕がないときは泣いちゃうこともありますけど、やっぱりマイク前に立ってるときは楽しいんです。

――これから声優として、どんなことを楽しんでいきたいですか?

森:男っぽい女の子だけじゃなくて、「いろんな役ができるよね」って言ってもらえるようになりたいし、いずれは「こういう役は森なな子だな」って言ってもらえるように声優としての立場を確立したいです。吹き替えでは、ホラー作品がくると「やった!」って思います。少し前に「アメリカン・ホラー・ストーリー:ホテル」「死霊のはらわた リターンズ」とホラーが続いたんですけど、その3ヶ月くらいは本当に楽しかった(笑)。

――最後に、読者のみなさんに伝えたいことをお願いします!

森:この記事を機に私のことを知ってもらえたら嬉しいですし、もし私がきっかけで、より多くの海外ドラマやアニメを好きになってもらえたら嬉しいなって思います。私自身も、好きな声優さんが出ている作品を観ることがよくあったので、今度は私がその役割を担えたらいいなって。いい芝居をしますので、観てもらえたら嬉しいです。

【声優図鑑】森なな子さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

森なな子

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森なな子 Twitter

◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト