「小松昌平」声優インタビュー&ミニグラビア【声優図鑑】

アニメ部

2017/6/1

小松昌平

 編集部が注目する声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。

第162回となる今回は、「アイドルマスター SideM」の牙崎漣役、「DAYS」の佐藤栄樹役などを演じている小松昌平さんです。

――舞台経験を経て声優になられた小松さんですが、お芝居を始めたきっかけは?

小松:高校で演劇部に所属して、地元の福岡で県大会に出場したんですけど、そこで入賞を逃したのがくやしくて、芝居を続けたいと思いました。奨励賞をいただいて、もうひとつ上の賞だったら九州大会に行けたんですよ。

――演劇部に入った理由は?

小松:なんとなく…。父親が空手の有段者で、自分も小学校から空手をやっていて、庭でサンドバッグを叩いてたんですけど、武道を中学卒業までやり通したら、高校ではやりたいことをやっていいと言われて。最初は表に出るのが恥ずかしくて、大道具として入ったんですよ。でも、男子が少ないから役者側に回るようになって、お芝居が楽しいと思えるようになりました。

――大会で負けてしまったから、今の小松さんがあるわけですね。

小松:そのときは、それほどお芝居に本気だったんだなって自覚しました。でも、進学校だったから2年生で部活は終わりなんですよ。だから芝居を続けるために「学校をやめる!」って家出を試みたこともありました(笑)。

――家出!?

小松:父親に反対されたので、東京行きの夜行バスのチケットを取って、電車を乗り継いで小倉駅まで行って、親からの電話も一切出なかったんです。でも、姉からかかってきた電話になんとなく出たら、家族が小倉まで迎えに来て。母親が泣いているのを見て、さすがに母親を泣かせるのは悪いなと思いました。結局、大学は行かなくてもいいから高校は出ろと言われ、地元でアルバイトをしてお金を貯めて上京しました。

――ドラマみたいな話ですね。その後、お父さんは認めてくれましたか。

小松:今は応援してくれてます。まだまだお芝居を観せる機会はあんまりないんですけど、この前は「アイドルマスター SideM」のライブビューイングを福岡で観てくれたらしくて、「俺ならもっとできた。蹴りを教えちゃるよ」みたいなことを言ってくれました。

まだ実家にいる頃、エキストラの仕事をしたんですけど、そこまで本気ではなくて朝グダグダと用意していたら、父親から「やりたいなら本気でやれよ!」って怒られたんです。認めてくれたわけじゃないかもしれませんけど、本気でやれば認めてくれるのかなと、そこで思いました。

――そこまで夢中になったお芝居の魅力って?

小松:根がおとなしいほうなので、自分を解放できる唯一の場所がお芝居だったのかも。中学2年生のとき、例によって中2病を発症しまして(笑)。友だちが心配するくらい、急に喋らなくなったんですよ。高校に入ってからも、気づいたら、あんまり喋るほうではないし、自分を発散することもなくて。

――中2病をこじらせたおかげで…!?

小松:まあ、中2病に限らず(笑)、普段から本気で感情を表に出すことってないと思うんですよ。お芝居ってやりすぎなくらい自分を出さないとできないから、それが楽しかったのかもしれませんね。

――もともと所属していたHIROZという劇団では、どんなお芝居を?

小松:お芝居だと思って入ったら、ほとんどアクションとパフォーマンスがメインで、僕は専属劇団員として香川地方に派遣されて、2年ほど、毎日朝から晩まで遊園地で活動してました。ヒーローショーのスーツアクターとか、船のアトラクションのメインMCとか、グルメリポーターとか。その頃よく「耳に残る声だね」って褒められたんですよ。そんなに評価してもらえる武器があるのなら、それをもっと鍛えてそこで戦ったほうがいいんじゃないかと思って、声優を目指そうと決心しました。

――その後、声優アワードの新人発掘オーディションに応募されています。

小松:香川から上京したときに23歳だったので、そこから学校に行って養成所に行くのはリスクが高いなと。だから、独学で声の勉強をして、事務所を探しながらオーディションを受けました。1回目は不合格だったんですが、2回目は「こえ部」というネット養成スクールの推薦枠で、ありがたいことにその年の最多投票数をいただきました。アクションができるので、オーディションでハイキックをしたのも効果があったのかなと(笑)。

――2016年からは、「アイドルマスター SideM」の牙崎漣役に。肉体派のキャラクターですね。

小松:作品の中でもトップクラスにダンスがうまくて、拳法家で。自分に合う役を当てはめていただいて良かったなと思います。少し前までは声優業界のことを知らなくて、声優になったら表に出ることはないと思ってたんですよ。だから、自分の長所でもあるアクションを生かせるとは思ってなくて。でも、「アイドルマスター SideM」は舞台で実際に歌って踊れるコンテンツなので、なおさら、アクションをやってきた経験を生かせば、他の人に負けないようなパフォーマンスができるのかなと思ってます。

――「アイドルマスター SideM」に限らず、アニメやゲームでもアクションのシーンは多いですし。

小松:たとえばパンチを出すときの声とか、臨場感のあるお芝居ができる自信はあります。

――昨年の夏、CDの発売イベントに出演されています。初めて“アイドル”としてステージに立ったときは、どんな感覚でしたか?

小松:舞台以上の熱量で、コンテンツの力をすごく感じました。自分を通してキャラクターを見てくださっているんだなと。だから、作品の世界観とキャラクター像を崩さないように、期待以上のものをお見せしたいと今でも意識しています。

――THE 虎牙道という3人ユニットとして、心がけていることは?

小松:大河タケル役の寺島惇太さん、円城寺道流役の濱野大輝さんは、僕が声優業界に入ってから初めて深く関わらせていただいたお2人。すごくいい先輩なので本当にありがたいし、そのおかげでいい雰囲気のユニットになっていると思います。演技の面では学ぶことが多いので、得意のアクションやダンスでお返ししたいと思いつつ、ユニットとしても声優としても成長できればと思ってます。

――声優になって2年目。同じ声優の友だちは増えましたか?

小松:「SideM」の同期とは、たまに会ってます。同期が少ないので、その分、一緒にがんばっていこうねって話して。僕はスタートが遅かったので、みんなより歳が上なんですよ。最初はみんな敬語で接してくれましたけど、同期っていう感じではなくなるので、タメ口でいいし、もっと仲良くなろうよって伝えて。一度みんなで飲みに行って、その次は花やしきに(笑)。

――遊園地にはくわしそうですね(笑)。プライベートの趣味はありますか?

小松:あまりないので探していたら、同期からテーブルゲームに誘われて、楽しいなって思い始めたところです。あとは、筋肉を保つための筋トレですね。アクションが特技だって言ってる限りは維持しないといけないし、昔の仲間から下手になってるって思われるのも恥ずかしいので(笑)。

――自宅で筋トレを?

小松:いえ、最近、筋トレができるすごくいい場所を見つけたんですよ。近所の公園なんですけど、人が全然いないので、夜にベンチで腹筋したり、バク転の練習をしたりしてます(笑)。

――これから声優として、どんな作品に出演したいですか?

小松:お芝居の楽しさって、人と会話しているところとか、自分の気持ちを動かしていくところだと思っているので、それができるアニメや吹き替えなら、どんな作品でも。アプリの収録は1人でやることが多いし、「DAYS」はまだセリフが少なかったので、もっとしっかりお芝居ができる作品が増えていけばと思います。

――今の課題は?

小松:目の前に相手もお客さんもいないところで、マイクだけを相手に自分の感情を作っていくこと。基本的なことですけど、すごく難しくて、いまだに苦戦してます。もっともっとお芝居が上手くなりたいです。

――最後に、読者のみなさんに伝えたいことをどうぞ。

小松:小松昌平という声優を、どんな形でもいいので知っていただけたら。どちらかというと普通じゃない道を通ってきたし、アクションができるとかバク転ができるとか、変わってるなって思ってもらってもいいので、ぜひ僕が出演する作品のお芝居を観てほしいです。それからまた、もっと好きになってもらえるようにがんばります。

【声優図鑑】小松昌平さんのコメント動画【ダ・ヴィンチニュース】

――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

小松昌平

小松昌平(賢プロダクション)

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◆撮影協力
BC WORLD STUDIO

取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、制作・キャスティング=吉村尚紀「オブジェクト