染谷俊之、20代最後の2nd写真集発売イベント開催──29歳から30歳へ、9年目から10年目へ、2つの意味が込められた『9/0』への思いを語る

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更新日:2017/8/30

染谷俊之

 舞台を中心に爆発的な人気を博し、最近ではドラマ出演のほか、映画の主演、声優と幅広く活動する、俳優・染谷俊之。その20代最後を記念した写真集『9/0』の発売イベントが、8月26日に東京、27日に大阪にて開催、東京イベント開始前の染谷さんにお話を伺いました。

──タイトルの意味を教えてください。

染谷:『9/0』の9は29の9、と30の0。それから、今年でデビュー9年目で、来年10年目を迎えるので新たにリスタートを切る、という意味も込められています。ほんとうにすてきな写真集を作っていただけて、記録に残せたことがうれしいです。

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──写真のコンセプトはご自身が好きだという猫を読者に置き換えての、猫目線から眺めた日常とのことです。

染谷:なので、いろいろな素顔を見ていただこうと、地元の谷根千散歩のほかに、俳優として仕事に向かう日の朝、オフの1日、そして30代に向けての出発と、4つの物語があるんです。なかでも日暮里から千駄木をぶらぶらしながらの撮影はまさに高校の通学路でもあったので、懐かしかったです。当時はわからなかったんですが、この年になって歩いてみて、改めて味わい深い街なんだと、その良さを発見しました。

 ほかにも寝起きから、朝食を作ったり、仕事終わりにクールダウンする時間とか、いろいろな姿を収めてもらっています。普段、まったく料理をしませんが、生まれて初めてベーコンエッグを作って、食べたら、美味しかったです。意外とうまく作れたので、毎日、作ってもいいかな、と、あの瞬間だけ思いました(笑)。オフを見せる撮影では自分のロードバイクを持っていって実際に走ったんですが、気持よかったです。

──お気に入りの写真を教えてください。

染谷:……自分で選ぶのは恥ずかしいんですが……オフの日をイメージした風呂上がりの写真です。濡れた髪をバスタオルでふいているショットですが、これまで映像作品でずぶ濡れになることはあっても、写真で残すということはなかったので。髪を濡らしてしまうと乾かすのが大変だから(笑)、写真の撮影では珍しいんです。でも、一度はやってみたかったので、今回、撮ってもらえてうれしいです。

 

──改めて写真集を手にしていかがでしょう。

染谷:ありがたいことに、こうして2冊めの写真集を出していただくことになりましたが、なんだか自分で言うのも変ですが、未だに冗談なんじゃないかと思っているんです。

──冗談とは?

染谷:はい。いい意味で、なんですが……自分の写真集が出るのも冗談みたいだし、カレンダーを作っていただいているのも冗談みたいだし……時々、これ全部、ドッキリじゃないかと、今、この瞬間も思っています……すごくありがたいことなんですが、信じられないというか、でも本当のことなんですよね。

──この写真集は中国語版も発売されるとのことで、国内版に加えて、これまで演じてきた役衣裳のグラビアが作品紹介とともに盛り込まれているとのことです。

染谷:これまで歩んできた作品を一緒に紹介していただけることも、それが中国で発売されることも不思議な感覚ですが、とてもありがたいですね。日本でのイベントでも中国からいらしてくださる方々がいるので手にとってほしいです。さらに、一度、ロサンゼルスから来ました、という方がいて驚きました。この写真集をきっかけに僕を知っていただけたらうれしいですし、ささやかですが架け橋になれたら……と。国同士が丸ごと仲良くなる、ということは難しいのかもしれませんが、個人個人が交流することで、文化が広がっていくといいな、と思います。

──さらに今回、「特別電子版」も同時発売され、よりナチュラルなアザーカットがなんと40カット追加という豪華版です。

染谷:本で持ち歩かなくても、スマホでいつでも観ていただけるということですね。こちらもぜひ、身近に置いて、いつでも見てほしいです。

──9月3日は上海で、初のアジアファンミーティングも開かれるとのことです。

染谷:20代最後にこのような機会をいただけて、感謝します。短い時間ではありますが、ファンの方とお会いする貴重な時間を、僕も思いっきり楽しみたいと思います。

 

 取材後、染谷さんはすでに会場に集っていた観客のあたたかい拍手に迎えられ入場。最初に並んでいたファンの方から「写真集発売、おめでとうございます」と声をかけられ、笑顔で握手して、和やかな空気のなかイベントは幕を開けた。

 なお、上海でのイベントの模様はまた追って、レポートを後日、お届けする。

 

【取材・文:おーちようこ 撮影:龍田浩之】