祖父江慎アートディレクション!谷川俊太郎、荒井良二、100%ORANGEほか、超豪華クリエイターが紙の魅力を伝える新感覚ムック誕生秘話

ピックアップ

2017/9/8

関わる人全てが“紙”を楽しみながら作った一冊に(笠井)

笠井: 本企画の始まりは、もう3年ほど前になるのでしょうか。

柿本: お互いずっと女性誌に関わっていたのですが、「いつかこんな本を作りたいね」と話していて。

笠井: 自分の手で何かを作り出す楽しさと、紙の本だからこそ味わえる喜びを子どもたちに伝えたいという共通の想いがありました。子どもにとって紙って素晴らしい遊び道具だと思うんです。土や水のように自由に形を変えられるし、身の周りに必ずある。紙に、本に、もっと親しんでもらいたい、紙の文化を次世代につなげていきたい、そんな気持ちもありました。

柿本: でも実現には至らず……。

笠井: 諦めかけた頃、社内の新規プロジェクト公募があって、一縷の望みをかけて「紙育」企画として提案したところ、2015年の冬にゴーが出たんです。まずはデザイナーさんを決めることになり、「紙と印刷に詳しくて、なにより遊び心のあるデザイナーは……」と思ったら、もう祖父江慎さんしかいないな、と。お引き受けいただいた時は、飛び上がるほど嬉しかったです。

柿本: 祖父江さんとの打ち合わせは本当に楽しくて、気がついたら7時間以上話していたことも。こちらが驚くぐらいアイディアが湧いて、なによりも楽しそうで!

笠井: 端から見たら、遊んでいるようにしか見えないでしょうね。でも、企画は一筋縄ではいかないことも。ただ楽しいだけではない“その先の何か”、を求められる。といってもストイックではなく、あくまでもゆるりと。

柿本: そこが天才的というか……。この本に参加してくださっているクリエイターも錚々たる方々ですが、皆さん、快く引き受けてくださいましたよね。

笠井: 「正解がなく自由」「紙でワクワクできる仕掛けを」など、目指す方向をお伝えしてページを作っていただきました。

柿本: クリエイターの方々のアイディアも素晴らしく。ラフが届くたびに「こうきたか?!」と驚かされました。それだけに、その「アイディア」を実現するためのハードルも高かった!

笠井: テーマや内容によって、選ぶ紙も、印刷も加工も違いましたし、ページ割りも刻々と変わりましたから。制作チームの協力がとっても大きかったです。

柿本: 個人的に嬉しかったのは、自由に遊べる紙が入ったことです。どれも、うっとりするくらい美しい紙で! 思えばこれも制作・製本所泣かせでしたね。

笠井: 本当に。ギリギリまでできること全てを詰め込んだので、最後まで全貌が見えなかった(笑)。仕上がったこの本も、知育のような「正解があるもの」の枠を飛び越え、想像力を刺激するものになってくれたんじゃないかと思います。対象年齢は4歳から100歳! 手を動かす喜びと紙の本の面白さを子どもはもちろん、大人にも感じていただけたら嬉しいです。002号もお楽しみに!

(左)笠井直子さん
編集者。小学館第一児童学習局。『CanCam』『Oggi』『Precious』など女性誌を経て、『幼稚園』編集部に。タイトル案を羅列したノートを覗き込んだ祖父江さんが、一瞬で選んだ『ぺぱぷんたす』がタイトルに。

(右)柿本真希さん
編集者・ライター。大学時代から女性誌で執筆活動を始め、現在様々な媒体で活躍中。海外で2年半、ニュージーランドに母子留学した経験も。